やめてくれ、その術(正論パンチ)は私に効く
遅れて本当に申し訳ない
ゲームが面白くて・・・最近デルタルーンをプレイしてるんですがみんな可愛くていいですね。
午前の授業が終わり昼休みになると私はお弁当箱を取り出し席を立った。
「優理ちゃん?どこに行くの?」
「皇さんのところに行ってくる、一緒にご飯食べようなって」
皇さんと恋人になるにはまずお互いのことを知らないといけないだろう。その為には話す機会を作ることが大事、だとすれば一緒にご飯を食べようと誘ってみることにしたのだ。
カレンに別れを告げつつ隣のクラスに向かうとその扉の前には持国さんが立っていた。
「チッ、やっぱり来たか」
「え、なんでそんなところに立ってるの?」
短い黒髪に背の高い持国さんを見上げるも威圧感のある瞳が私をジロリと見る。
「舞桜様に二股かけようとする前代未聞のクズを会わせないようにする為だ」
「は!?クズ!?」
「聞いたぞ、お前もう彼女がいるのだろう?そのくせ舞桜様にまで手を出そうとは恥というものを知らないのか?」
なんだろう、ムカっとくるけど全部本当なのでなんも言えない。
「こ、こっちにだって色々あるの!」
「あるのは性欲だけだろ、このクズめ。私がいる限り舞桜様には絶対に会わせないからな」
「なっ!」
ぐぬぬ、強行突破しようにもベヒモスを一撃で倒す様な化け物に挑んだって返り討ちにあうだけだ。
「分かったなら帰れ。今度会うとしたら病院のベッドに行くことになるぞ」
それ、脅しじゃない!?
なんてこと、四天王達による妨害はあるとは思っていたけど会わせてすら貰えないとは。
こりゃあチャンスは少ないなぁ。
「そもそも、今いる彼女に申し訳ないと思わないのか?」
「お、急に正論ぶつけるのやめてね。心はガラスだよ」
このままここにいてもチクチクと心を痛むような事を言われるだけだ。まずは持国さんのブロックをなんとかしないと・・・
なんの成果も得られずトボトボと歩いて帰り自分の席に戻りみんなの元へ帰ってきた。
「ただいま・・・」
「あ、おかえり優理ちゃん」
「その様子だと持国さんにブロックされた様ですね」
「持国さんってあの皇さんの護衛の人ですわよね?というか・・・カレンさんと優理さんってお付き合いされているんでしたよね?」
昨日、いろいろあってクラス中にカレンと付き合っている事がバレてしまっている。
「うん、そうだね」
「それなのに皇さんの元へ行かれたんですか?」
「・・・」
私は目を逸らすことしかできなかった。
純粋そうな凪沙の目から、そっと、ゆっくりと見ないようにするのが精一杯の抵抗だった。
「ゆ、優理ちゃんは悪くないんだよ!むしろ、皇さんと付き合うことが正しいっていうか」
「カレン、ストップ。なんか、私がそう言わせてるみたいだから。ストップ」
「まあ、お二人がその、あまり不健全な関係にならない事を祈っておきますね」
「ちょ、けんぜ・・・・・・健全な付き合いだから!」
「なんでちょっと言い淀んだんですか?」
だって、もうキスしちゃってるし・・・
いや、キスくらいならまだ健全か?うん、健全だよ、うんうん!キスくらいみんなやってるから!
やってねぇわ、ボケ。出会ってまだ一週間でキスして恋人になるは不健全でしょ!
そんな風に頭を悩ませている時だった。
「おーーーほっほほ!!!」
その高笑いが私の耳に入ると聞こえた方に振り向く。
そこには長い金髪を縦ロールにした一目でお嬢様だと分かる人物がいた。だって後ろに取り巻きを二人連れているしあの縦ロールはあからさまにお嬢様だろう。
私は詳しいんだ。
「相変わらず品というものがありませんわね蓮護さん」
「急になんの用?エリーラさん?」
東條エリーラ、同じクラスメイトであり顔見知り程度だがこうやって会話するのは初めての相手だ。
「あなたの最近の行動が目に余りますわ。ああ、どうしてこんな者がこの歴史ある雛菊高校に入学できたのでしょうか?」
「アンタは品で合格したの?へぇ、知らなかったわ」
「お黙りなさい。はっきり言うと貴方の様な人の心を弄ぶ様な方はこの学校に相応しくありませんわ」
手に持った扇子を閉じてその先を私に向けてくる。
話したこともないはずだが嫌われている様だ。
エリーラさんは見た目通りのお嬢様で会って一週間だが仕切りたがりな性格でこのクラスのリーダーになろうとしている様だ。そんな時に私という悪が現れたからそれを成敗して自分の存在をみんなにアピールしたいのだろう。
「急にどうしたの東條さん?なにか優理ちゃんがしたの?」
「貴方も大変ですわね、月僧カレンさん。こんな女に引っかかってしまうなんて。大勢が見てる前で皇さんにあんな告白をしておきながら脈が無いと分かるや否やすぐさま月僧さんに狙いを変えた。品がないにも程がありますわ」
「おー、今日は正論ばっかり言われる日ね。何?キャンペーンでもやってる?」
「その態度も気に入りませんわ!クラスメイトを誑かしておきながら平然としているなんてどうかしてますわ!月僧さんも目を覚ましてくださいませ、この人は貴方と付き合いながら他の人とも関係を持とうとするふしだらな人ですのよ!」
「それでもいいの!」
「・・・なんですって?」
「わたしには分かるの。優理ちゃんがどれだけわたしを大切にしてくれているか。例えね、優理ちゃんの本命がわたしじゃなかったとしてもわたしは優理ちゃんの一番最初の恋人ってだけで心が満たされるの」
「何を言ってんですの?この人は?」
「分からない!?好きな人に愛されてキスされてそれだけでわたしは幸せなの!」
「キ、キキ、キスゥ!?貴方達キスしたんですの!?」
「もちろん!ちゃんと舌ま、むごぅ!」
「はーい、カレンそこまでね。それ以上喋んないで、いやマジで」
何言ってのカレンは!そんな大声で言っちゃったらクラスのみんなに聞こえるでしょ!
「・・・私からはお二人の進行状況に口出しはしませんよ。ペースは人それぞれですから」
「お、お二人は大人の関係でしたの!?はわわ」
うん、私の親愛なる友人達、星花と凪沙にはバッチリ聞こえてたみたい。
恥ずい!恥ずかしいわ!何この羞恥プレイ!なんで私学校でこんな目にあってるの!?
「やはりふしだらですわ!そんな人がクラスにいたら風紀がっ!」
「ええい!うるさい、うるさい!その口閉じないとアンタも彼女にするわよ!」
「ひぇ!それだけはごめんですわー!」
私の脅しを聞くとエリーラはその縦ロールを揺らしながら取り巻きと一緒にどこかに去っていった。
はぁ・・・はぁ・・・なんで学校行くだけでこんなに疲れるんだろう。
「半分くらいはお主が悪いのではないか?」
「お、黙らない奴発見。彼女にしてやるわ」
「お断りだ」
「冗談に決まってるでしょ、えー?もしかして本気にしちゃったw?」
「・・・剣相手に虚しくないか?」
「うん、虚しいからやめるわ」




