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戦わなければ生き残れない・・・

お待たせしましたー!

今回は少し長めなので許して・・・許して・・・


第一章もそろそろ終わり、ここからがクライマックス!

 「カ、カレン?なにを」


 「行ったらダメ。死なせる為に治した訳じゃないよ。何があったか説明して、さっきの傷は普通じゃないしその剣はなに?何に巻き込まれてるの?」


 「それは・・・」


 「優理、話してしまおう」


 「え?いいの?」


 「このまま行っても死ぬだけだ。我に作戦もある、事情を説明して協力してもらおう」


 「でも、カレンを巻き込むのは・・・」


 「・・・気持ちは分かるし我もできればそうしたくない。

だが状況は最悪だ、魔獣という未知の生物に魔力切れで我も動けん。我にはこの世界を救うという使命があるがその前に優理を守るという使命がある。その為なら多少のリスクは承知の上だ」


 「・・・・・・」


でも、カレンは何の関係もないただの一般人で勇者とか魔王とかの、私らの運命に関わらせるべきではないと思う。危険な魔獣が他にもいてそれがカレンを狙うかもしれない。私達と関わるリスクはあまりに大きいのではないか?


 「えっとさっきから誰と話してるの?もしかして幻覚や幻聴とか聞こえてる?」


 「あ、いや、そうじゃなくて・・・」


 「すまない、少し話し合いをしていた。私の名前はクリカラ、カレンよ協力して欲しいことがある」


 「え!!?だ、誰!?誰が話してるの!?」


 「あーえっとこの剣だよ。この剣の名前がクリカラ」


 「剣が喋る???え、どういう事?」


 「ふむ、その前に我々の今の状況について話そう」


クリカラはこれまでの事をカレンに話し始めた。勇者と魔王、クリカラの存在、失われた魔法文明に約束の魔法による人類滅亡の危機まで話した。


それを静かに、真剣に聴いていたカレンはこう返した。


 「・・・なんか、色々と納得しちゃった」


 「え!?納得したの!?」


 「うん、だってクリカラさんの言うことが正しいならわたしが優理ちゃんを監禁した時の超常現象についても説明がつくから。薬の効果を切り離したり鎖を引きちぎれる程のパワーを得たこととか。それに優理ちゃんが急に皇さんに告白したのもそういう理由だったんだって」


 「あ、ああ」


そういえばそんなこともしたわね。


 「ありえないって思ってたけど、今納得しちゃった。それでクリカラさん、わたしは何をしたらいいの?薬ならいっぱい持ってきてます」


そう言ってカレンが大きなバッグから取り出したのは色とりどりの薬品達だった。


 「これは、力を上げる薬、これは持久力を上げる薬、こっちは一時的に体を硬くして防御力をあげる薬で、こっちは」


 「いや多い!多い!どんだけ持ってきてんの!?」


大きなバッグの中にこれ程の薬品達が入っていたとは、よく持ってくる時入れ物のビン割れなかったわね。


 「薬はありがとう、使わせてもらう」


 「それとわたしも戦えます」


カレンがバッグから取り出したのは折りたたみ式の弓だった。


競技用ではないのかごちゃごちゃとした補正機はついておらず単純な作りだが中々の大きさのある弓だ。10本の矢が入った矢筒も取り出した。


 「何で弓矢も持ってきてんの!?てか、そもそもカレンってばどうやってこの場所が分かったの!?」


そうだ、ここにいることは誰にも言っていないのになぜカレンはここに来れたのだろう?


カレンの家は私の家よりも学校から遠いはずだし電車で来たにしては速すぎる。


そもそも、何でこの場所が正確に分かったのだろう?


 「えっと優理ちゃんがはめてくれているスマートリングの位置情報でここにいる事が分かったんだ。さっきじーっと見てたら急に高速で動き出したから何か誘拐でもされたんじゃないかって思って慌てて飛び出してきたの」


 「あー・・・」


そういえばこのスマートリング、GPSついてたわね。位置情報見られても困る事ないし別にいいやと放置してたけどまさかこんなことに役に立つとは。


私が高速で移動したのはクリカラと共にこの裏山に移動した時のことだろう。


・・・待って?位置情報をじーっと見てたって何?


 「それでわたし、緊急事態だって思って慌てて飛び出してソアーラタクシーを使って山に来て位置情報を頼りにここに来たの」


ソアーラタクシーは鳥の特徴を持つ種族であるソアーラが目的地まで飛んで運んでくれるというもの。


天使は日の出ている間しか飛べないから夜も飛べるソアーラが主に運送しており料金は高いが人混みなどを気にせず直線距離で行けるので高級な輸送サービスとなっている。


 「なるほど、それでここにいるのね」


 「弓矢は誘拐犯と戦うことになると思ったから持ってきたの、薬はどんな状況か分からなかったからいっぱい持って来ちゃった」


 「ありがたいな、これで突破口が生まれたな」


 「え?何とかする方法思いついたの!?」


 「ああ、しかし・・・その・・・優理は嫌がるかもしれんが」


 「え?どんな方法思いついたの?まさか、カレンを囮にするとかじゃないわよね!?」


「そんなことはせん!ただ・・・その、これは最終手段というか・・・我も使うとは思ってなかった手段というか・・・」


 「歯切れ悪いわね、カレンに悪いことさせないなら何でもいいわ」


 「わたしも優理ちゃんを助けるならなんでもします」


私達二人の決意に押されたのかクリカラがその作戦を話し始めた。


 「まず、魔獣を倒すには魔力が必要だ。奴らは強力な再生能力を持っているが我の分断の力で切り裂けば五秒は体からその再生能力を失わせる事ができる。この間にダメージを与えても再生能力が戻れば与えたダメージも回復されてしまうだろう。そこで再生される前に一撃で決めるしかない」


 「それはどうやるの?」


 「優理が勇者絶対会心撃を決めるしかない」


 「え?なにその、ダサい名前は・・・?」


 「わ、私が名付けたんじゃないからね!でも私まだアレできないよ?」


 「コツは教えるし、我も補助する。優理の魔力通路の太さならすぐに魔力を補填して放てるはずだ」


 「ま、それしかないか。で?その魔力はどうやって補充するのよ?私の中の魔力は無いわよ」


 「・・・そこなんだ、我が躊躇ったのは」


 「え?」


 「えっと、どうゆうことですか?クリカラさん」


 「優理よ、前にお主の周りで魔力を持つ者の事を話しただろう?」


 「え、うん。確か、カレンと皇さんでしょ?あ!カレンから魔力をもらうの!?」


 「そうだ・・・」


なるほど!それならいける!倒し方も分かったし魔力も補充できる、カレンの薬でパワーアップして戦えそうだし怪我も治ってる!これでアイツらに反撃できる!


そうと決まれば早速カレンから魔力をもらおう。


 「ナイスカレン!よく私のところまで来てくれたわ!・・・って服汚れてたわね」


カレンに抱きつこうとしたけど今の私の服、転がってついた泥と溢れてきた血で汚れまくってる。


こんな状態で抱きつくわけにはいかないわ。


 「さぁ、クリカラ!さっさとやって頂戴!魔力をカレンから貰ってアイツら倒しに行くわよ!」


 「・・・えっとだな」


 「うん?なによ、どうしたの?」


さっきから何か重大な真実を隠しているかのようにクリカラは口をごにょごにょとさせている(剣に口はないのでそう感じているだけ)


 「なによ?なにかあるの?」


 「・・・ある」


 「教えなさいよ、話進まないでしょ」


 「・・・この方法は本当の本当に最終手段なのだ。我らも一度しかやったことがない」


 「さっさと教えて、時間ないわよ」


 「ふむ、それでは言うが・・・優理よ」


 「何?」


 「カレンよ」


 「何でしょうか?」


クリカラは意を決したかの様にその真実を話した。





 「二人ともキスしてくれ」



 「「・・・は?」」


 「はあああああああああああああ!!!!???!???何言ってんのアンタ!?バカじゃないの!?」


 「キ、キス!?優理ちゃんと?!」


 「ちょ、クリカラ!真面目にやりなさいよ!今、どんな状況か分かってんの!?」


 「真面目だわ!ええい!こうなるからあまり言いたくなかったのだ!至って真面目な理由で二人にキスしてほしいのだ」


 「キスする真面目な理由ってなによ!?あ、ああ!ほっぺね!ほっぺにキスとかよね!?」


 「くちびる同士だ」


 「ッ!?な、何言ってんのアンタ!?」


 「優理ちゃんとキス・・・優理ちゃんとキス・・・」


 「ええい!一旦落ち着け!一から説明する!」


 「・・・納得できない理由だったらしばくからね」


 「できる理由だ。まず、優理とカレンには魔力があるがその魔力は普段外に放出されない様に体の内側に滞留している。そして、魔力を内側に止めているのは皮膚だ。皮膚は魔力自体は通しづらく内側からも外側からもその性質は発揮される。つまり魔力の受け渡しをするには皮膚のない部分である口と口を繋げるのが一番効率が良くてな・・・」


 「えっと、つまり皮膚は魔力を通しづらいから口の粘膜で交換するって感じですか?」


 「そうだ、飲み込みが早いなカレン。それで納得したか、優理?」


 「い、いや、いやいや!なんかもっと他に方法があるでしょ!?」


 「残念ながらこれしかない。時間をかければ皮膚同士でも交換できるが今は時間がない、最短で最高効率でやるのはこれが一番早いのだ」


 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・マジ?」


 「マジだ」


 「うそ・・・だろ・・・」


なんで?おかしい・・・おかしいよ。


なんで急にキスする事になったの?しかもカレンと!?


いや、別にカレンに不満があるってわけじゃないわ、カレンのことは大好きだけどそれは友人としてであって・・・


それに私、ファーストキスは好きな人にあげるって決めてるし・・・


 「優理、あまりこう言うことは言いたくないが時間がない。作戦を考える時間も欲しいから早めに覚悟を決めてくれるとありがたいのだが」


 「無理言うな!おま、今乙女の大事な大事なファーストキスが奪われようとしてんのよ!?わ、私ファーストキスは絶対好きな人にあげるって決めてたし、ママもパパに上げたって言うから憧れっていうかそういうものだと思ってるし・・・て、てか!カレンはいいの!?相手が私で!」


 「全然いいよ、むしろ願ったり叶ったりだよ」


 「そうだった!この子私の事好きなんだった!」


カレンがオッケーってことは覚悟決まってないの私だけ!?


 「優理よ、気持ちは大変分かる。だが、時間が無い、早めに決めてくれ」


 「はぁあ!?できるわけないでしょうが!アンタ、ファーストキスした事ないからそんな事言えるのよ!」


 「剣にファーストキスも無いだろ・・・」


 「そういやそうね!」


ちくしょう!なんでこんな事に!ファーストキスなんて乙女の一番大事なものといっても過言じゃ無いのに!それを今、カレンに捧げろと!?いやいや!もっとこう時間をおいて考えて・・・いや時間がないのよ!あーーーもう!


 「ゆ、優理ちゃん?その・・・女の子同士ならノーカン・・・とか?」


カレンが悩みまくっている私に助け舟の様なものを出したが私には通じなかった。


 「私はノーカンじゃないの!もっとこうファーストキスってのはロマンチックな場面で相手と通じ合って、こう、目と目で会話してさりげなく、しかし大胆に奪われるというのが・・・」(ごにょごにょ)


 「やばい、優理ちゃんがめっちゃ可愛い」


 「さっきから口角上がりっぱなしだな、カレンは」


 「そこの外野うるさい!今、乙女としての尊厳が試されてるんだから!」


でもどうする!?カレンとしないとあの魔獣達倒せないしそもそも時間もないし!どうしょ、どうしょ、どうしょ!?


普段の青春だけでなくファーストキスまで奪われるの!?


・・・・・・・・・なにそれ。


そんな人生許せるわけがない。これもどれもあれもこれも!全部、全部!前世の私のせい!そして今襲いかかってきている魔獣どものせい!


あーーーーーーーーーーー!!!!!!!!


ムカつく!ムカつく!私の人生滅茶苦茶にしてファーストキスまで奪われるなんて!


絶対に許さない!私の道を邪魔する奴らが多すぎる!


許せない、許せない!こうなったら・・・こうなったら!


戦ってやるわよ!徹底的に!戦わないと私の人生、滅茶苦茶にされるっていうなら戦ってやる!


戦って、勝って!私の思い描いた青春を取り戻してみせる!


もう逃げない!自分の使命からも魔獣からも運命からも!


戦ってやるわよ、相手が魔王だろうが魔神だろうが神だろうがなんだろうがかかって来い!


全部、この蓮護優理がぶっ飛ばしてやる!


どんな理不尽が来ようとも戦って私の道を貫いて日常と青春を取り戻してみせる!


 「あーーーーーーーーーーーーもう!!!!!!!!!」


私の叫びは森中に広がった、肺の隅から隅までの酸素を使って叫んだ。


 「うお、急に叫んでどうした!?」


 「決めたの!やってやるって!カレン!」


 「は、はい!」


私はカレンの側に行きしっかりとその目を見る。


 「私は決めたの、もうどんな理不尽が来ようとも私の道を貫く為に戦うって!だからカレン!」


 「はい!」


 「私の恋人になりなさい!」


 「・・・え?えええええええええええ!?!??」


 「私がファーストキスをあげるんだもの!そりゃあ恋人になってもらわないと!」


 「ちょ、ちょって待て優理!お主が恋人にならないといけないのは皇舞桜だぞ!?」


 「だからなに!?それはそれ!これはこれ!!!私がファーストキスを上げる相手は恋人にするって私が決めたの!なら!その道に従うのみ!」


 「そ、それって二股ってこと!?」


 「違う!恋人が二人になるだけよ!」


 「それを二股って言うんじゃない!?」


 「あー!うるさいうるさい!そんな常識知らん!私がルールだ!私の恋人になるんだからごちゃごちゃ言うな!」


 「ええええええええええ!!?」


 「無茶苦茶だ・・・優理よ、そんなことを言ってもカレンを困らせるだけだ」


 「うるさい!外野は黙ってて!どうなの、カレン!正直私まだ恋とか分かんないからカレンに色々教えてほしいんだけど!世界の為に皇さんと恋人にならないといけないし!」


 「え!?そ、それって」


 「そうよ!カレンが私に恋を教えてその私が皇さんと恋をする!んんー!まさに完璧なプランじゃない!私、天才!」


 「クズすぎるだろそのプラン!二股前提のプランではないか!」


 「うるせぇえ!相手に恋人がいるにも関わらずもう一人の恋人になりたいと思わせるぐらいの魅力がないとお金持ちのお嬢様なんて堕とせないのよ!それに悪っぽい方がなんかお嬢様って引かれてそうだし!」


 「最後の方雑ッ!!!優理、お主今、ノリと勢いで行動しておるだろう!!!」


 「こうでもしなきゃやってられないのよ!!!安心しなさいカレン!この蓮護優理、恋人と認めた人には尽くすタイプよ。だからあなたを見放すなんてあり得ないから、安心して私の一人目の恋人になって私に恋を教えなさい!」


 「は、はい!」


 「ええええ!?嘘だろ!?それで良いのかカレン!?」


 「だ、だって私一時間前まで相手に好きな人がいるのに恋をし続ける悲しいエルフだったんですよ!?それが今は恋人になれるまで来ているんです!優理ちゃんと恋人になれるならなんだってする覚悟です!」


 「グーーーーーッド!!!その覚悟気に入ったわ!さあ!私にキスしなさい!私のファーストキス、くれてやるわ!」


 「あー!もう!好きにしてくれ!」


クリカラが匙を投げ、私はカレンをしゃがませて顔を合わせる。


そしてカレンは目を閉じて私を迎える準備をした。


あとは、私が唇を合わせるだけ。


 「いくわよ」


そして、私とカレンは触れ合ったのだった。


 「ん?」


 「え?」


そう、鼻同士が。


キスしようと思ったら鼻に当たった。


・・・あれ?キスってどうやるの?


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