死んでコンテニューは現実には無い
私が連続で投稿するなんて・・・奇跡かな?
「さあ、次はアンタよ」
無理に攻撃をする必要は無い、催涙スプレーは効果覿面だし目に噴射して逃げればいい。
しかしそれを相手も分かっているのか中々こちらに近づいて来ない、仕方ないちょっと心が痛むけどやるしか無いか。
「ほらほら!こっちに来ないとコイツが傷つくわよ!」
のたうちまわる黒い魔獣をクリカラで突き立てると黒い魔獣は更に暴れ出した。
「テメェ!」
「次!」
跳躍して前右足から背中に乗ると頭から尻尾にかけて走り剣を振り回して切り裂いていく。
「はぁぁあああああああああああ!!!」
「いいぞ優理!ぶった斬ってやれ!」
走ると同時に血ではなく呪いが入り混じった黒い液体が飛び散る、棘のある尻尾まで切り裂くと黒い魔獣は悲鳴を上げた。
「ぐぎゃああああ!!!」
「はっ!いい声で鳴くわね!」
「ハラショー!流石だ!」
「まだまだ!」
尻尾に剣を振りかぶりそのまま勢いで切断すると黒い液体が噴水の様に飛び散る。そしてそのまま相手の懐に入り後左足、前左足、前右足、後右足の順にクリカラを振りかぶって傷をつけて行く。
噴き出してくる黒い液体に濡れながらも剣を止めない、目の前にある後右足にクリカラの刃を入れるとスッと何の抵抗も無く切断できた。支える足の一本を失った魔獣は体勢を崩す。
「まだ私のターン!」
「クソが!」
さっきまでやられっぱなしだった黒い魔獣は前足を使い私の追撃から逃れた。
避けた!?再生できるなら避ける必要はないんじゃ?
もしかして、アイツら
「優理!避けろ!」
「え?」
その違和感を思考している隙をつかれた。
白い魔獣は尻尾を振り生えている棘を飛ばしてきたのだ。
「ッ!」
わずかに残った魔力を使いクリカラが私の体を動かして頭に飛んできた一本の棘を弾き飛ばすが遅れてやってきた棘が私の右腹部に貫通して突き刺さった。
「え・・・」
長さ50cmはあるその棘は今、私に穴を作って塞いだ。
お気に入りの服には血が染み出していた。
・・・・・・・
・・・・・
・・・
やば、これしぬ?
「優理!前!来るぞ!!!」
「ッ!?」
目線を棘の刺さった腹部から前に戻すと白い魔獣の鋭爪がすぐそこまで来ていた。
「あ」
ガキンッ!!クリカラが私の体を動かして剣で咄嗟にそれを受け止めるが力の差があるのか受け止めきれずに吹き飛ばされた。
そして私はそのまま地面に倒れ伏してしまい腹の棘は横に倒れた為そのままだったが少しずつ痛みを感じ始めている。
「くっ・・・ぁぁ・・・」
「やっと当たったぜ、クソガキがよ。テメェ、身体能力は高いがよぉただの人間だって忘れてねぇか?」
「ぁああ・・・」
痛い、痛い、痛い!吹き飛ばされた痛みと棘の痛みが徐々に全身に駆け回る。血が止まらない、痛みは体に警鐘をうるさく鳴らし血は命のカウントダウンを刻んでいる。
「優理!優理!立て、逃げるぞ!」
立てない、痛みで足が動かない。目の前から迫る白い魔獣に恐怖して力が入らない。立ちあがろうと必死に足を動かすが地面に間抜けな痕跡を残すだけだった。
「さて、死ぬ時間だぜ」
「や、やめて!」
「そういうわけには行かないんだよなぁあ!」
白い魔獣は強引に棘を抜いた後私を右前足で私を握りしめて顔の前に私を持ってきた。クリカラは地面に置き去りされた。
「女の割には強かったぜ、じゃあな」
握りしめる力を強め骨が軋む音が体から響く。
「ご、ごめんなさい!ごめんなさい!!」
「いい声で鳴くじゃねえか、死ね」
「そっちが死ね!」
クリカラは姿形を変化させることができる、姿を消し魂の状態になることもできる。その為地面にいたクリカラは魂の形となり私の中に入り刃の部分を私の体が生える様に顕現させれば魔獣の手を切り裂くことができると言うわけだ!
「ぐぅあ!?」
今の私は胸からクリカラの刃が出ておりこれが突き刺さった様だ。
鋭い痛みに驚いた白い魔獣は思わず手を離し私を解放する。
生えた剣を体に戻すとそのまま催涙スプレーを魔獣に向って噴射した!
赤いスプレーが白い魔獣の毛並みと目を染めた!
「ぐぎゃあああああああああああ!!!」
「いい声で鳴くじゃない!この<放送禁止用語>が!弱いフリしたら近づいてくると思ったわ!」
「優理!逃げるぞ」
「分かってる!」
私は流れ出る血を無視して山を降りていく。
「クソガキが!テメェは絶対に殺してやる!10分やる!それまでにここに戻ってこい!そうしないと街にいる人類全員殺してやる!殺してやるぞ!」
その声は私の頭に強く響いた。
山を必死になって降りていく、わき目も降らず必死に、必死に。
血が抜けすぎたのかふらりと力が抜け倒れ込むとそのまま山道を転がっていく。止める気力も湧かないまま木に当たるまで転がった。
どれだけ転がったか分からない、どれだけ逃げたか分からない。ただ、死にかけの私がそこにいた。
「っぅ・・・・」
「優理!大丈夫か!?」
「・・・大丈夫なわけ・・・ないでしょ」
血が止まらない、棘を強引に抜かれたからそこから血が溢れて止まらない。
痛みが体を掻きむしる様に激しく痛む、頭が上手く働かない。心臓が強く鼓動している。
「血が・・・」
「調子に乗ったわ・・・でも時間は稼いだわ」
「無茶しすぎだ・・・優理、このままでは助からない」
「わかって・・・る」
血が出過ぎた、確か1リットルは出ると助からないんだっけ?
穴からドバドバ出てるし、それくらいはで出るかな・・・
ああ、この服動きやすくて可愛くてお気に入りだったのに・・・血と泥で汚れちゃってる。
「優理、今から我の命やる。そうすれば優理は助かる」
「そうしたらクリカラはどうなるのよ・・・」
「優理と共に生きることになる、我に意識はないだろうがな」
「そんなの・・・」
「これしかない。我の命を使うぞ」
「ダメ・・・」
「ダメじゃない!優理が死ねば世界も終わる!」
「なんでこんなことに・・・」
一週間前の夜、私は学校に行けるとワクワクしていた。
どんな子と出会うのか、どんな学校生活になるのか、昔みたいに荒れた学校生活を送らない様にしないとか色々考えてたなぁ・・・
それが今は山で血を流しながら倒れている、魔獣とか魔王とか魔神とかなんなの?勇者とか、前世とかなに?私の人生にそんな予定はなかった、あるはずが無かった。
・・・どうしてこうなったの?なにが悪かったの?
私はただ、普通の青春を望んでいただけなのに。
一人暮らしも始めて、都会に来て、念願の雛高にも行けて、楽しい毎日があるはずだったのに・・・
・・・・・・・・・・・・・・・
ああ・・・クリカラ、ごめんね。弱くて、ごめんなさい。
勇者の剣であるあなたに相応しくない子でごめんね。
私は勇者にはなれないの、憧れてはいるけど。
私はただの女の子、ただの女子学生で力はあるけどそれだけ。
強気に戦ってたけど実は全部怖かったの。強い言葉を使うのもそれを誤魔化す為・・・
私は勇者にはなれないわ、普通の女の子だもの。
世界を救うなんて、私には重すぎる使命だったみたい。
「クリカラ、ごめんなさい」
「謝るな!こうなったのは優理のせいではない!今、我の命をやる、生きろ、優理」
クリカラが私に命を差し出そうとした時、ガサガサ!っと近くの茂みが揺れた。
「!?」
「何かくるぞ」
なに?なにがくるの?これ以上は勘弁して・・・
そして茂みの揺れは大きくなりそれは飛び出した。
「優理ちゃん!」
その金髪はこんな夜でも煌々と輝いていた。
翡翠の様な目は私を安心させ、その声は私に元気をくれた。
そこにはカレンがいた。
月僧カレン、私の友達が来てくれた。
「カ、レン?」
「きゃああああ!!?その怪我、どうしたの!?見せて!」
「あ、ちょ」
カレンは私の服を捲ると怪我してる部分を観察し始めた。
「突き刺された様な傷、貫通してる。これなら薬草で治せるね」
カレンは持って来ていた大きなリュックから小瓶を取り出すと私の傷跡にかけ始めた。
「くっ!」
「ごめんね、これで治るからね」
瓶の中身は濃い緑色でその中身が薬草であることを示していた。薬草液をかけられた傷はみるみる内に塞がっていき穴は閉じて傷一つなく綺麗に治った。
「はい、これ。血がいっぱい出てるのと薬草で大きな傷を治したから体のエネルギーがほぼ無いからこれ飲んで」
カレンが差し出したのは紫色の丸い薬、それを見た瞬間私は顔を顰めた。
「それ、苦手・・・」
「確かに、万能丸薬はマズイけど食べないとエネルギー不足で体が弱っちゃう!造血効果もあるからすぐにげんきになるよ。食べて、ね?ほら、お水」
「ううぅ・・・」
カレンに介抱されながらなんとか万能丸薬を飲みきると体中に力が湧いてくるのを感じる。
「・・・ありがとう、カレン」
カレンのお陰で元気を取り戻した。カレンが来なかったらどうなっていたんだろう・・・
「うん、いいよ。大丈夫。それより、なんで怪我してたの?誰かいるの?」
「だ、大丈夫。もう、大丈夫だから・・・」
回復したならアイツらのところに行かないと。
アイツら戻らないと街の人達殺すとか言ってたし、止めないと。今、皇さんが助けを呼んでくれているけど警察程度じゃアイツらを止められるとは思えない。
クリカラならアイツらを切り裂けるし、まだ私も戦える。
私がやらないと。
「ダメだよ、優理ちゃん」
立ちあがろうとした時カレンが私を抱きしめた。
<放送禁止用語>→クサレ脳みそのバカ犬がぁ!




