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別にアレを倒してしまっても構わんのだろう?

遅れて申し訳ない!引き続き楽しんでくれると嬉しいです!

魔獣一匹ならクリカラが対処できるけど、もう少しで強化魔法切れるし魔力も残り少ない。


そして今魔獣は二匹いる、そんな状況で私がクリカラの補助無しに勝てるわけが無い。


なら、どうする?ここから生き残る方法は・・・


 「何ぼさっとしてんだぁあ!このクソガキ!」


 「ッ!」


黒い毛並みの方、さっき歯を折られた魔獣が味方が合流して心に余裕ができたのか強引に攻めてくる。


クリカラが体を動かし回避してくれるがこれも長くは持たないだろう、それにもう一匹が皇さんの方に向かっている。


 「クリカラ!皇さん守って!」


 「言われなくても!」


白い毛並みの魔獣に斬りかかるが直前で気付いたのか回避されてしまう、皇さんを背に二匹の魔獣と対峙する。


 「・・・蓮護さん・・・私は置いて逃げて!」


 「足が折れてる人を置いていけるわけないでしょ!・・・いや、逆はありね」

 

 「え?」


私の中でとある作戦が思いついた、皇さんの近くに置いていた持ってきたバックを見てこの作戦を思いついたのだ。


 「クリカラ、回復魔法(クーヒル)を皇さんに使って。私がこいつらの相手して時間を稼げば逃がせるでしょ」


 「馬鹿を言うな!強化魔法(リーンカー)はもうすぐ切れる、回復魔法(クーヒル)を使えば魔力が無くなり我も優理の体を操れなくなる!死ぬぞ!」


 「死ぬ気はないわ。それにバックの中にあるやつ使うからいけるはず」


 「バックの中?・・・そうか、あれがあったな。しかしそれでも・・・」


 「やる、それしかない」


 「優理が死ねばこの世界は約束が果たされず滅びるぞ、覚悟はいいか?」


 「皇さんが死んでもそれは同じでしょ。なら、生存率の高い方が囮になった方がまし。クリカラ、回復魔法(クーヒル)を」


 「分かった」


 「皇さん」


 「な、なに?」


 「今から傷を治すから全力で走って、振り返らず山を降りながら助けを呼んで。スマホはある?」


 「途中で落としてしまって」


 「なら、私の使って」


ポケットからスマホを取り出すと皇さんに渡す。


 「回復魔法(クーヒル)!」


そしてそれと同じタイミングでクリカラが魔法を唱え皇さんの足はぐりにゃりと曲がったのが真っ直ぐになっていく。


 「れ、蓮護さん・・・あなた、何者なの?さっきの剣での戦いもそう、足が直ってる、これは何?」


 「帰ったら聞かせてあげる、今は走って!」


 「ッ!」


私の言葉を聞いて、皇さんは立ち上がり山を降りていった。


道は暗いがスマホのライトもあるし大丈夫だろう、あとの問題は目の前のを片付けるだけだ。


 「いやー、笑えるな。テメェは無惨な死体になって逃げた奴の目の前に現れるだけなのにな。無駄なんだよ、テメェのしてることはよぉお!まだ分かんねぇのか!?体が小せえから脳みそまで極小なのか!?」


 「誰の胸が極小だコラァア!!?」


 「胸までは言ってねぇよ!!!?クソガキが!状況分かってんのか!?オレ達は二人、テメェは一人、魔力も尽きかけのテメェに何ができんだよ!」


 「時間くらいなら稼げるわ。それで、アンタはようやく味方が来てくれたのが余程嬉しいみたいね。一匹じゃ私に攻撃も当てられないから?」


 「ひき肉にしてやるよ、クソガキ」


 「来い、相手になるわ」


バックから2つの物を取り出すとすぐにポケットにしまう。


魔獣は二人がかりでこっち向かってくるがここで強化魔法の効果が切れて普通の身体能力に戻ってしまう。


だが、やる事は変わらない。さっきまでの攻撃を見ていたがコイツらの動きは単調だ、引っ掻く、叩き潰す、噛み付くといった行動しかしてきていない。


何か変わり種があるなら不意を突かれたタイミングでつかってるでしょ。


相手の動きを予測して体を回避させる、ようはそれだけ!


 「死ねやぁあ!」


 「ふん!」


黒い魔獣の方が怒りのまま前右足で叩き潰してくるが相手の懐に潜り込むように回避する、これにより白い方の追撃を逃れられる。


 「おい、邪魔だ!」


予想通り、黒い魔獣の下に入り込んだ私を白い方は攻撃できない。良かった、実は仲悪くて同士討ち上等とかだったら終わってた。クリカラの動きを参考にしてみたけど上手く行った。


 「間抜け!さっきこれでクリカラに斬られたのもう忘れたの!?」


そしてさっきと同じ様に足に斬りかかる。


 「はぁあああああああ!!!」


しっかりと踏ん張り腰を入れて右足に斬る・・・が、刃が斜めになっていて上手く切れず平地の部分で殴りつける様になってしまった。


 「あ」


 「下手くそ!剣の扱いを知らんのか!」


 「決闘もしてない学生が知るわけないでしょ!生まれてこの方鈍器しか扱った事ないわ!チィ!これだから剣は!アンタ、メイスとかになれないの!?」


刃物なんてハサミとかカッターとか包丁くらいだわ!


 「我は剣だぞ!?鈍器なんぞになるか!」


 「剣のくせにプライド持ってんの!?めんどくさいわね!」


 「なんだと!?大体、メイスなんてものは鎧を着ている相手に有効なのだ!刃物の利点は少し当てただけでも相手に傷を負わせられる点にあるのだ、あの様に鎧も着ていない相手には剣の方が有利でありそもそも我は鎧ぐらいなら軽く斬れる!」


 「じゃあ刃のない方でも切れてよ!女神製の剣なんでしょ!?」


 「無茶を言うな!」


 「ごちゃごちゃうるせぇえええ!!!!!」


 「「そっちがうるせぇえええええ!!!!!!」」


黒い魔獣が私を薙ぎ払おうとした前左足をジャンプで躱しながらすれ違い様に斬りつけた。


 「ぐぉあああ!」


 「お、見た!?上手く行った!」


 「習得が早いな、やはり戦士向き・・・」


 「私の職業は女子高校生よ。女の子に戦士向きとか言わないで、ってこれ何回目!?」


 「何をこんなチビに手こずってんだ!!!」


 「はぁあ!」


白い魔獣が両前足で潰そうとしてくるがそれをバックステップで躱した後、地面に振り下ろされた腕を跳躍して登り、腕と首に斬撃を放つ。


 「ぐっ!ちょこまかとぉお!!!」


 「ふーん、なるほど。鈍器は力一杯振りかぶらないといけないけど剣は少し振って引くだけで傷を付けられる・・・理解したわ」


クリカラの体の動かし方を参考して見たがこれも上手く行った。普通、剣の修業とかって先生の動きを真似するんだろうけど私は先生であるクリカラが私の体を動かしてやってみせているのでそれをなぞるだけでいいは楽だ。


少しずつ剣の扱いが分かってきた。


 「鈍器は違うのだよ、鈍器とは!やっと分かったか」


 「うーん、でも鈍器の方が好みかな。細かい事考えずに殴ればいいだけだし」


 「なんだと!?」


 「クソチビが!殺してやる!」


さっき攻撃した白い魔獣がキャンキャンと吠える。


 「いちいち言わないとできないの?歩く時に右足あげます、左足あげまーすとか言うタイプ?」


 「優理、敵もこちらの動きに慣れてくる。我が攻撃が来る方向を見ているから我が言った通りに回避せよ」


 「了解」


実際さっきは上手く行ったけど次もそうとは限らない。相手は二人いる、攻撃よりも回避優先で動かないと死ぬ。


時間は3分も稼げば充分、あの図体じゃ木々のある山道を降りるのは一苦労だろうし逃げ切れるはず。


 「死にさらせぇえ!!!」


白い魔獣は右前足を振り上げるとそれに生えている鋭爪がギラリと月明かりに照らさせる、それを見た瞬間に体が後ろに下がろうと動いていた。


そしてその後さっきまで私がいたところに鋭爪が通りシャッ!と風切り音を響かせた。


 「右!」


 「ッ!」


体から響くクリカラの声に反応して再び体が動く、咄嗟に右に横っ飛びすると黒い魔獣が両前足で叩き潰すと砕かれた地面の破片が私の頬を掠めた。


 「チッ!おい!お前は皇を追え!コイツはオレが相手する!」


 「させるかっての!」


ポケットに手を突っ込んで持ってきた物をとりだす。


それは前にママから送られてきた防犯グッズの鼓膜破裂級!?防犯ブザーだった。まさか、カバンに適当につっこんでいたこれを使い日がくるとは。


防犯ブザーのスイッチを押すとカウントダウン音がピッピッと鳴り遠くに投げた後私は耳を塞いだ。


ビビビビビビビビビビビッッ!!!!!!!!!


 「ぐわぁあ!?」


 「ぐっう!」


 「うるさぁあ!!!?」


あまりのうるささに思わず声を上げてしまう、しかしそれは魔獣も同じだった。


大きな耳を大きな手で塞ぎ、苦しんでいる。


流石、商品掲示法にうるさい現代で鼓膜破壊級と銘打ってあるだけはある。いや、でもこれうるさすぎでしょ!!!


防犯グッズで周りにも被害が行くから嫌いなのよね。


魔獣達は防犯ブザーを探し出してそれを破壊しようとするがあまりの轟音に進めていない。


 「ぐぉおおお!アレを壊せぇえ!」


奴らは四足歩行で両前足を耳を塞ぐのに使っている為匍匐前進の様にしか前に進めない。


 「クソがああああ!」


黒い魔獣が意を決して鳴り響く防犯ブザーに飛び掛かるがそれを許す私ではない。


私は両手で耳を塞いでも両足がある、つまり飛んで蹴れる!


 「はぁあああああああ!」


飛び掛かった魔獣に合わせて飛び、空中で対峙する。


相手は両前足は使えない為噛みつこうと口を開けるがそれが叶うことはなかった。


なぜなら、


 「チェストォオ!!!」


私が鼻っ柱に踵落としを決めて口を閉じさせたからだ。


メリィイ!と鼻を粉砕する音は防犯ブザーの轟音でかき消されてしまったので足の感触だけが伝えていた。


空中で落とされた魔獣はそのまま地面に落ち、土煙を上げた。


 「チャンス!このまま決める!」


このままいけば時間は稼げる!いける!


ポケットから二個目の防犯グッズを取り出す。

これもママから送ってもらった物で一撃必殺、激辛催涙スプレーだ。


カプサイシンを改良したデスカプサイシンが入っており目に入ると激しい痛みと目をズタズタにする様な痛さと瞬きをする度に突き刺す様な痛さをプレゼントしてくれる。


それを今地面に倒れ伏している黒い魔獣の目に向けて噴射した。


赤い霧状の中身が勢いよく噴射され左と右にそれぞれ三個ずつある目を染めると黒い魔獣が飛び上がり叫び始めた。


 「ぐがぁぁあああああああああああああああーーー!!!」


 「うわ、痛そー。この手の防犯グッズって容赦ないからね」


 「なんて危ない物を・・・防犯の域を超えているのでは?」


 「相手を殺さなかったら全部防犯って法律なのよ」


 「雑だな!?」


 「いい加減しやがれ!」


私が黒い魔獣の相手をしているうちにコソコソと白い魔獣が防犯ブザーに近づいて破壊した。


それにより周りに響いにいた轟音はピタリと止み、私の後ろで叫んでいる黒い魔獣の声だけが響いていた。


 「あら、あんよが上手ね。よくできました」


 「ふざけやがって!ぶち殺してやる!」


 「それしか言えないの?戦い方も単純だし脳みその使い方まで単純ね」


後ろでのたうちまわってる黒い魔獣は今は動けない。


 「さあ、次はアンタよ」


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