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*しかしまわりこまれてしまった*

まのさばクリアしてたので短め。


ヒロちゃんの魔女化が癖に刺さりすぎてやばい、首折って欲しい。

ここから・・・どうする?


 「オラ!ぼさっとすんな!」


暗殺者は石ころを拾うとそのまま皇さんに向かって投擲する、クリカラがその石を剣で弾いた。


 「さて、遊びの時間は終わりだ。あんまり悠長にやってると怒られるんでな」


そう言った暗殺者は目を大きく見開いて力を解放した。


 「見ろ!これが我ら魔獣の力だ!!!」


暗殺者の体は一度液体の様に溶けた、黒い液体となった彼は形を変えていく。まるで水が入れられた器によって形を変える様に暗殺者は黒い液体を大きな獣の姿に変えた。


その姿はまるで狼、しかし大きさは普通ではない。


動物園で見たベヒモスを思わせる体だ、高さは3メートル程で全長6メートル。黒い剛毛は夜によく馴染んでおり四足歩行の前足には鋭い爪が生えている。長い尻尾には無数の大きな棘が突き出していた。


大きな頭には生気の無い複数の並んだ目と命を奪うには十分過ぎる鋭さを持った牙が口の中に生え揃っていた。


さっきまで人間の形をしていたものが獣の姿に変わり果てた事で私の中の正気度が擦り減っていくのを感じる。


これは本当に現実なの?


 「やっぱりこの体がいいなぁあ!人間の体はあまりにも非力で図体も小さい!脆弱な肉体しか持たない人間にはこの体は羨ましいたろう?」


 「バカじゃないの?誰が好き好んでそんな姿になりたいって思うのよ。獣に成り下がったのを誇りに思うなんてね」


 「はっ!貴様ら人間ではこの体の素晴らしさが分からんか!なら、この体の偉大さをその血を持って証明してやろう!」


 「来るぞ!」


魔獣は跳躍してその右手、じゃない!前右足を振り下ろしてくる。


 「ッ!」


クリカラが私の体を動かし横っ飛びに回避するとさっきまで私がいた場所は前右足によって砕け散りクレーターができていた。


人間の時より力が上がってる、アレに当たったらひとたまりもない!


 「まだまだぁあ!」


魔獣は私を殺そうと次々と連撃を放ってくる。


 「くっ!」


横から来る前左足の薙ぎ払いをジャンプして回避しつつ頭に向かって剣を振り鼻っぱしらを斬りつけるが傷はすぐに塞がってしまう。


着地の隙を魔獣は見逃さず口を横にして大きな牙で貫こうとしてくる。


 「フンッ!!!」


クリカラは牙を掴んで噛みつきを阻止した後、牙を捻って折った。


 「グガァァァァァアアアアアアア!!!」


痛みがあるのかそれとも牙を強引に捻れ折られた感触からか魔獣は悲鳴のような咆哮をあげる。


 「はっ!歯磨きしてる?歯茎弱ってるわよ!」


バックステップで距離を離すと喚いていた魔獣はその並んだ複数の目でギョロリと一斉に私を見た。


 「クソガキが!調子に乗りやがって!」


捻って折った牙はすぐに生えてきて元通りになった。


 「・・・優理よ」


 「なに?」


 「もう少しで強化魔法(リーンカー)が切れる。さっきの様な荒技はもうできんぞ」


 「くっ・・・」


強化魔法が切れれば身体能力は格段に落ちる。

私も普通の人よりは力や速さに自信はあるがこの魔獣相手には及ばないだろう。攻撃すら躱わせないかもしれない。


それにクリカラの身体操作は魔力を使っている、魔力が無くなれば私が相手するしかない。


残り少ない魔力で魔獣を倒すにはどうすればいい?


まだ倒す方法すら見つかっていないのに・・・


いや、ここは一度逃げるしかない。


今なら、まだ余裕はあるし皇さんを担いで逃げられる。


 「クリカラ、皇さんを担いで逃げるわよ。今ならまだ間に合うわ」


 「・・・それしかないか、我が足を両断したらすぐに逃げるぞ」


 「任せたわ」


 「死ねや!クソガキ!」


大きな体を動かして魔獣がこちらに突進してくる。


クリカラはその体躯を物怖じせず突っ込んでいく、風を切る様に叩きつけられた前左足を前に踏み込んで回避した後両足に向かって剣を抜いた。


 「破邪顕正!」


一閃。クリカラの能力の一つである体を自由に変えらる能力で刀身を伸ばした後、後左足と後右足を一振りで切断してみせた。


 「おお!凄っ!」


 「今だ、行くぞ!」


魔獣の体を踏み台にして皇さんの元に駆け寄り担ごうとした時、皇さんが口を開いた。


 「まだ!まだいる!」


 「え?」


その刹那、私の体を吹き飛んだ。


横から殴られてその勢いのまま木に体を衝突させた。


 「がはっ!」


衝突した瞬間、木がミシッと音を立てた。


殴られた腹はなんともないがその衝撃が私の中を駆け回り混乱と吐き気を感じさせていた。


 「あれぇ?まだ生きてんの?」


 「う、そ・・・」


私は忘れていた、最初の皇さんからの電話の内容を。


怪物に襲われている、皇さんはそう言った。


でも、襲っていたのは人間の姿をした暗殺者だった。


確かにアイツは怪物だったが外見は人間だった。


皇さんは武器を持っていなかったし暗殺者を傷つけたとは考えにくい。


とすれば、考えられる可能性は一つ。


もう一体いたのだ、魔獣はもう一体いた!


 「まあ、いいや。ここで二人とも殺してやるよ」


私を殴ったのは白い毛並みをした魔獣、白いこと以外は黒いの毛並みの魔獣と同じだ。


 「優理!大丈夫か!?」


 「だ、大丈夫、動ける」


 「今ので防護魔法(ウード)が割れた。次は無いぞ」


 「マジか・・・」


私が無事だったのはクリカラが念の為にかけていた防護魔法(ウード)のお陰だった。


ただでさえ攻略法の見つかっていない魔獣が二匹に増え、魔力も残り少ない・・・


ま、まずい・・・この状況はかなりまずい!


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