プレゼントをあげて好感度が上がれば苦労しない
今回は早かった(当社比)
四月九日
「優理、優理よ、起きよ朝だぞ」
「んん・・・」
「ほら、遅刻するぞ。朝日を浴びよ」
「ふぁあ・・・」
ベットから起き上がり朝の日差しを窓から浴びるとだんだん目が覚めてくる。
「おはよ・・・」
「はい、おはよう」
「・・・なんでそんな距離取ってるの?」
今の私は窓際にいるがクリカラはリビングに繋がるドアの方まで下がっていた。
「また、寝ぼけて窓から投げられては困るからな」
「ああ、なるほどね」
充分に朝日を浴びて目が覚めたら後リビングに行き朝のルーティンを済ませる。
「そういえばどうだった?ドキマイ、良かったでしょ」
「あのアニメか?良かったというかなんというか・・・半分しか見ておらんが・・・なぜ変身中に敵は攻撃しないのだ?」
「はぁー!?お約束でしょうが!ほんっと、剣のくせにロマンが足りて無いよね」
「なぜ我は今怒られたんだ?」
勇者の剣なんていうロマンの塊みたいなヤツなのにどうして分からないのか。そんなクリカラに色々教えようとした時付けていたテレビからききのがせないニュースの情報が来た。
「昨日、午後10頃正体不明の生物が伝接区の噴水広場に現れ・・・」
「あ、これ」
「うむ、昨日の魔物の件だろう。しかしきな臭いな」
「きな臭い?」
テレビの前でふよふよと魔法で浮きながらクリカラは言う、しかしクリカラの目ってどこにあるんだろう?剣には生えてなかったし、女神の力とか言ってたけどどういう仕組みなんだろ。
「街中で急に魔物が現れるなど異常だ、奴らは警戒心が強いから群れでないとこの様な強行策には出ないはずだが・・・」
「そうなの?あー、でも急に現れたのは不自然かもね」
あの蜘蛛の魔物は突然上から降ってきたし建物の屋上から飛び降りたのかな?まさか、私を狙って・・・とかじゃ無いよね?いや、そっちの方があり得そうだね・・・はぁ・・・
「うむ、勇者や魔法の事は伝わっておらず魔物まで異常な行動を見せている・・・裏に何かいるのかもしれん」
「何かって?」
「それはまだ分からぬ。しかし何者かの手を加えているのは確かだと思う」
「ふーん、私としてはこれ以上厄介な事が増えなかったらいいかな」
ただでさえ世界を救うという厄介な命題を抱えているのだ、勘弁して欲しい。だがもし裏に何か私の邪魔をする奴がいるなら容赦はしない。絶対に。
「そうか・・・もしかしたらアレを視野に入るか・・・」
「ん?なんか言った?」
「いや、何も無い」
朝ごはんを食べて身支度を整えるとスマホに通知が届いてた。
「宅配物?なんだろ?」
何もポチって無いけど・・・お母さんが何か送って来たのかな?気になって下まで取りに行くと大きめな段ボールが届いていた。
「なんだそれは?」
「さぁ?さっき届いたみたいだけど・・・」
素手でテープをちぎって中身を見るとそこには様々な防犯グッズがいっぱい入っていた。
「・・・一撃必殺、激辛催涙スプレー?鼓膜破裂級!?防犯ブザー!・・・何これ?」
防犯グッズは主に人間やエルフに重宝されている物品だ。力が比較的に弱い人間やエルフは喧嘩になった時逃げるか防犯グッズを使うのが普通だ。私はパパとママに貰った拳があるからいらないけど。しかしこの量は流石に多いね、こんな量を急に送りつけてくるのは心配性のママしかいない。
「ちょっとママ?これ何?」
「あ、届いた?」
早速ママに電話をかけるといつものママの声が聞こえて来た。
「いつも防犯グッズはいらないって言ってるでしょ?」
「だって・・・ゆうちゃん、喧嘩するじゃない」
「私の道を邪魔する奴が多いからね。それに荷物嵩張るからいらないの。いや、鞄の重さを増して打撃力を上げるか?」
「ゆうちゃん!」
「あ、ごめん。とにかく、もういらないからね」
「・・・ママ、迷惑だった?」
「迷惑じゃないけど・・・心配性、過保護」
「だって!ゆうちゃんいつも喧嘩して帰ってくるし調子に乗ると碌なことしないし、喧嘩相手に容赦無いし、天上天下唯我独尊系女子だし、仕事中もいつ学校から電話がかかってくるか心配で心配で・・・」
「・・・ほとんど優理が悪いのでは無いか?」
「と、とにかく!私ももう高校生なんだから大丈夫だって!」
「それじゃあもう喧嘩してないの?ちゃんと話して解決出来てる?」
「ごめん!してる!」
「素直で嘘をつかないところはいいんだけどね・・・とにかく、一つ二つは鞄の中に入れておいてね」
「はーい」
まあ、使う前に私の拳とバットが全てを解決してくれるだろうけど。とりあえず、催涙スプレーと防犯ブザーを入れておこう。
電車に遅れない様にいつも通りの時間に家を出ると今日はなんのトラブルも無く駅に着いた。いつもなら月僧さんがいるはずだけどどこかな?ホームを見渡すとその姿を発見した。
「あ、いた!おーい!月僧さーん!」
「蓮護さん」
私が元気に良く駆け寄るのとは逆で月僧さんの顔は浮かない顔をしていた。もしかして昨日のアレがまだ残ってるのかな?
「どうしたの?元気ないね、何かあった?」
「ううん、なんでもないの。ごめんね、蓮護さん今日はあんまりお喋りできないかも」
「そうなの?」
艶があり輝かしい金髪は変わらないが今の彼女は誰がどう見ても元気がない。あの日か?いや、エルフってそこら辺遅かった様な、200歳ぐらいで来るんじゃなかったっけ?って事は相当昨日の事のアレが尾を引いてるとか?
「うん、ごめんね」
掠れる様な声で月僧さんは言うが私の方に目を合わせようとしない、何かを我慢している様な感じが私に伝わって来る。
「何か我慢してない?私に出来ることならなんでも言って!友達の力になりたいから」
「・・・うん、ありがとう。でも大丈夫、何か病気かもしれないから離れた方がいいよ」
んー?遠ざけようとしてる?なんだろう、月僧さんからは違和感を感じる。体調が悪いと言っている割には顔色はいい、元気が無いだけだ。それに病気だと思うならマスクくらいするでしょ、病気は言い訳で私に離れて欲しいのが目的?なんで?私に何かしたかな?分からん、とりあえず探ってみよう。
「・・・ねぇ、月僧さん。回復したらでいいからさノースフレンドパークに二人で行かない?ベヒモスの赤ちゃんが生まれてさとっても可愛いんだって!ほら、この写真見てよ可愛いくない?ね、見に行こ?」
相手が引くならこっちは押そう。私の高校生最初の友達を理由も無く疎遠になんてなりたくない、それに我慢してる感じなのが気になる。私がスマホの画面を見せながら誘うが月僧さんは一瞬興味を示したが直ぐに元気の無い顔を戻って。
「ダメ、行けない・・・ごめんなさい」
それはまるで自分に言い聞かせる様で、月僧さんはそのまま端のまで歩いて私から離れた。
「あっ・・・」
「ふむ、一体どうしたのか」
「クリカラから見てどう?私、何かしたかな?」
「いや、むしろ階段から落ちそうなところを助けたりして嫌われる様な事はしてないと思うが・・・乙女心は秋の空とも言うしな、年頃の女の子の心は変わりやすいものだ」
「むぅー・・・このまま理由も分からず別れたくないな・・・」
「なら、攻めるしかない。昼休みに聞いてみるといい」
「うん、そうだよね!月僧さんとずっと友達でいたいし!」
電車に乗るが今日は隣に立つ月僧さんの姿は無い、私の友達になったのだ、逃すものか!絶対に月僧さんと一緒に青春を過ごすんだ!
世界が滅びるまであと268日




