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最後の一撃は切ない

遅くなって本当に申し訳ない。やりたいゲームは色々片付いたのでしばらくは更新は早くなります!


 「全く、前世も今世も無茶をする」


 「え?」


聞こえてきたのは中性的な声、覚えがあるクリカラの声だだ。瞑っていた目を開けるとそこにはクリカラが私の前に浮いていた。さっきの赤い魔力弾はクリカラが防いでくれた様だ。


 「クリ・・・カラ?」


 「遅くなった。怪我をしているな、今治すぞ。回復魔法!」


クリカラが魔法を唱えると動けない程損傷していた体から痛みは消え去り元気を取り戻した。


 「あ、ありがとうクリカラ、その、えっと」


 「お互い言いたい事はあるだろうがまずはあの魔物をなんとかするぞ。もう一度我に体を貸してくれるか?」


 「・・・間違ってもあの蜘蛛に告白しないでね」


 「ああ、告げるとしても死のみだ」


それを聞いて私は立ち上がりクリカラを握る。体は私の制御を離れクリカラが操り始めた。


 「よくも我の大切なものに傷を付けてくれたな、地獄で閻魔に懺悔しろ!」


蜘蛛は目玉に魔力を貯めながら前脚で攻撃して来るがクリカラの方が速かった。剣からは炎が溢れ出してクリカラは構えを取る、その構えは私が一番最初に見た技だった。


 「護摩葬明(ごまそうみょう)ッ!」


その炎の剣の一閃は蜘蛛の硬そうな八つの脚を全て両断した、支えを失った蜘蛛はその分下に落ちた。脚を切れた蜘蛛は逃げる事も叶わず。


 「断空剣ーーーーッ!!!」


紅蓮の炎を纏う剣の振り下ろす一撃に全てを焼き尽くされて黒いチリとなって消えていった。


 「おぉ・・・凄いね、私じゃ歯が立たなかったのに」


疲れからかクリカラを体を返してもらった後にペタンと地面に座り込む、クリカラはそんな私を心配そうに浮きながら見ていた。


 「当然だ、むしろ良くあそこまで善戦したな・・・しかしお主は本当に前世と変わらんな」


 「え?そこまで似てるの?」


 「ああ、怖いくせに敵に向かって行くところも大人数相手に無茶するところも子供を守って死にそうになるのも似てるおる。そのせいか、お主を前世のお主と重ねてしまった。すまない、お主はただの学生だったな」


 「・・・うん、そうだよ。ただの学生。私ごめんなさい、クリカラに酷い事言っちゃった。世界を救わないと困るのは私もなのに理不尽に怒るだけで何もしようとしなかった」


 「それは当然だ、いきなり押し付けられた大命など受け入れなれるはずも無い。それに我も急ぎすぎだ、事を焦りお主に不快な思いをさせてしまった。本当に申し訳ない」


 「クリカラが謝る事じゃ無いでしょ、私が悪いの。それに私もママに対して言われて事に怒ってたのに、私もクリカラのお母さんみたいな女神の事を散々言ってたもん。クリカラがまだこの時代の常識とか知らないの知ってたのに怒っちゃった」


 「女神様は母親では無い様な・・・創造主ではあるが。まあ、その気持ちは受け取っておこう。それにあの怒りはそれだけ両親を愛しているからこそだろう」


 「うん、本当にごめんなさい」


 「我もだ。誠に申し訳ない事をした」


お互いに謝った後私は少し笑顔になった、このまま関係が拗れなって本当に良かった。


 「てか、よく場所分かったね」


 「・・・お主忘れておらんか、分霊魔法だ」


 「あ!って事はずっと側にいたの!?」


 「もちろんだ、お主が部屋を出ていった後すぐに分霊魔法を発動させて後を追っていた」


 「あーだから大人数を相手に喧嘩した事も知ってた訳ね」


 「そうだ、急に魔物が現れたから家を飛び出して急いで来たのだ」


 「よく間に合ったね、あれ?念動魔法ってゆっくりとしか動けないんでしょ?テレポートとか使えたの?」


 「いや・・・前は使えたかもしれんが緊急だったからな。少々、工夫した」


 「工夫って?」


 「・・・我は姿形を限界はあるが自由に変えられる。だから脚を生やして強化魔法をかけて走って来たのだ」


 「え?その剣の体に脚を生やしたって事?」


 「・・・うむ」


 「えっと、それはどんな風に?」


 「・・・刀身の先と柄の先から脚を生やして・・・」


その姿をイメージしてみた。剣の両端に脚が付いてるんでしょ?・・・腰が横になった剣みたいな感じ?その姿で身体強化して走って来た・・・


 「ぷっ!くくっ・・・はは」


 「・・・ぅん」


 「あっはははは!!!なにそれ!?面白!珍妙すぎるでしょその光景!必死なのに絵面がシュールすぎるでしょ!あっははははははははははははは!!!」


 「だから言いたくなかったのだ・・・」


 「ご、ごめ、でも、くくっ・・・ふふふっ!」


 「笑いが堪えられておらんぞ」


 「マジでごめん、本当ごめん。助けに来てくれたのに」


 「・・・まあ良いわ。ここも静かになったし人が集まってくるだろう、今のうちに家に帰りながら話すとしよう」


 「うんそうだね!」


クリカラは私の入って姿を消した。数日前に会ったばかりだというのにクリカラが体の中に居ると安心するのは何故だろうか。噴水広場から歩いて離れた後帰路に着きながらクリカラと話した。


 「そういえば前世と今世の私ってそんなに似てるの?」


 「ああ、似ておる。お主ほど自信家では無かったがどんな相手にも立ち向かって行くところや自分の道を行くところなんかはそっくりだ」


 「へー!前世の私、凄いなぁ。私なんかさっきの戦い怖かったもん。勇者になって魔王を倒すなんてゲームの主人公みたい」


 「ふふ、そうでも無かったぞ。前世のお主は怖がりで臆病者だった、まともに剣も振れず魔法も素人で農民生まれ。そのくせ一度決めた事は曲げない頑固者だった」


 「ええぇ・・・?それ勇者なの?なんか情けなく無い?なんで臆病者なのに魔王なんか倒しに行ったの?その感じだと村人Aみたいなポジションなんだけど」


前世の私、農民だったんだ。

勇者ってもっとこう、選ばれし者とか伝説の勇者の血を受け継いでいるとかじゃ無いの?


 「臆病者だから旅に出たのだ、前世のお主は言っておった。魔王の支配が広がって村まで来たら家族も村のみんなも死んでしまう、それが恐ろしく怖かったとな。その怖さに比べれば魔物と対峙するのなんて全然怖く無いとな」


 「それで魔王討伐の旅に出たの?無謀すぎでしょ・・・」


 「それはそうだな。村にあった古びた剣を携え魔物に挑んではやられ、死にかけ、返り討ち」


 「ええぇ・・・前世の私よっわ・・・」


 「けど、決して諦めなかった。どんなに負けても傷ついても魔物に立ち向かい遂に旅の中で訪れた村を助ける事ができた。その活躍と魔王に挑む馬鹿が居ると聞きつけた者が仲間になっていき旅は愚か者の一人旅からいつの間にか四人になり最後には8人になり、魔王を討伐するに至ったのだ」


 「おお、凄い。クリカラはいつから勇者の剣になったの?」


 「五人目の仲間が加わった少し後だ。魔王を討伐する勇者の存在を女神様が気に入ってな、我をダンジョンの奥深くに隠して試練を与えたのだ」


 「そんな感じだったんだ・・・」


 「ああ、懐かしいな・・・死闘の末に我らは勝利した。そして今のこの時代がある。だから我はこの世界が好きだ、女神様が作られたこの世界が、勇者が守ったこの世界が、我は大好きだ。だから我は焦った、この世界を滅したくなど無かった。我の大切な人が守り抜いた世界をなんとかしたかった。本当に申し訳ない」


 「もういいって、私も悪いんだし。てか、私の事を大好き過ぎない?さっきも我の大切なものに傷をつけてくれたなぁー!とか言ってたし」


揶揄う様にクリカラに言うが照れる様子も無く返ってきたのは真面目な言葉だった。


 「ああ、大好きだ。お主の事を大切に思っておる」


 「お、おう・・・剣の癖に私を照れさせるなんてなんかナマイキ・・・」


 「はあ!?お主が我に感情を教えてくれたのだろう!?前はお主の方が我を好きだの大好きだの言っておったでは無いか!?」


 「それ前世の話でしょ!?私知らないって!」


 「むむむ、行き場の無い想いとはこの事か・・・まあよい。それとすっかり遅くなったが前世のお主から伝言がある」


 「伝言?」


前世からの伝言なんて受け取るとは思ってなかった。勇者の私からの伝言・・・なんだろ?


 「迷惑をかけてすまない、クリカラと一緒に頑張ってくれ。魔王をよろしく頼む・・・伝言は以上だ」


 「・・・はぁ、確かに受け取りました」


前世の私は今世の私に迷惑をかける事を知ってもなお魔王を救いたかった様だ。魔王の事好きだったのかな?いや、好きだったよね。だって来世に託すほどだもん。


 「クリカラも大変ね、前世の私の我儘に付き合わされるなんて」


 「まあ、約束だからな。それにこの世界にまだ居れるのは我としてもありがたい」


 「約束?」


 「元々我の役目は勇者の剣となり魔王を倒す事。役目を終えた後は女神様の元に帰るはずだったが、勇者が来世の自分が魔王と上手く行く様に我に協力して欲しいと女神様にお願いしてな。それを女神様が叶えて我は眠りについてお主を待っていたのだ」


そういえば最初に会った時約束を果たす為に呼んだとか言ってたね。前世の私も無責任に私に使命を託した訳じゃ無かったのね、むしろ魔法が使えるクリカラを現代に送り込んでくれたんだしそこは感謝しないとね。


 「そうなんだ、ありがとうねクリカラ。私を待っててくれて」


 「我も再びこの世界を見る事ができるしまた姿は違えどお主と居れるのは嬉しい」


 「うん、これからもよろしくね。私も世界救いに行くけどペースは私に任せてね。あともう勝手に体使わないでね?」


 「ああ、約束する。それと家に帰ったら魔力の使い方を教えよう。また我が焦っても対抗できる様にな」


 「おお、修行イベントだ。でも、明日でもいい?今日は疲れちゃった。あ、ついでに魔法も教えてよ」


 「それなら明日の夜にやるぞ。それと魔法はダメだ、お主には向いていない。あの迷いの無さと身体能力の高さは戦士向きだ」


 「女子高校生に戦士向きとか言わないでくれる?それとお主って言うのやめない?私には優理って名前があるんだからそっちで呼んで」


 「分かった、優理。家に向かいながら優理の事と今の時代の事を教えてくれないか?色んな事を知りたい」


 「うん、任せて。それじゃあ最初は何にしようか?いっぱいあるから迷うね」


 「焦らなくても良い。まだ時間はあるからな」


私達は家に帰るまでの間に私とこの時代について話し合った。まだ全部は話しきれてないけどそれでも私達の仲は縮まった様に感じた。



家に帰った後お風呂にゆっくりと入った後晩御飯を食べてゆっくりした後もう寝る事にした。


 「そういえば、クリカラってベットとかいるの?」


クリカラがどうやって夜を過ごしているのか知らなかったので聞いてみた。


 「急にどうした?我は剣だ、人の様に寝る必要は無い」


 「え?でも、数千年眠ってたんでしょ?」


 「ああ、あれは女神様に頼んで眠りにつかせてもらったのだ。流石に起きたまま数千年後の優理を待つのは耐え難かったからな」


 「へー、そうなんだ。じゃあ私が寝た後暇なの?」


 「暇といえばそうだな。心配いらん、慣れておる」


 「えー、でも何かしてた方がいいでしょ。あ!そうだ、テレビ見てたら?」


 「テレビ?お主がゲームをしておったこの機械の事か?」


 「正確にはゲームの映像を映してるんだけどね。アニメとかどう?私のオススメあるよ」


 「いや、我は別に」


クリカラの言葉を聞き流してテレビをつけた後サブスクに入っているアニメアプリを起動する。


 「あ、これなんかいいんじゃない?舞台が現代だし常識も学べるじゃん。じゃあ、これ見ててね」


お気に入りのアニメを再生した後リモコンで音量を調節する。


 「・・・まあ、お主の気遣いを受け取っておこう」


 「起きたら感想教えてね、おやすみー」


 「ああ、おやすみ」


アニメのロードが終わってタイトルが主人公の女の子の元気な声で言われる。



 「ドキッと洗脳!精神支配(マイコン)キュート♡!今日も元気にマインドコントール!」(ドォオーーーンと派手な効果音!)



 「は??? おい!優理!なんだこの奇怪な表題は!?もうおらんのか!こんなのが今流行っておるのか!?」


 「第一話!洗脳決戦!精神支配の限界負荷(オーバーロード)!」


 「一話の表題じゃないだろ!」


ドキッと洗脳!精神支配(マイコン)キュート♡:女の子に人気なドキッとシリーズ24作品目でこの世にいる生命はみんな何かに支配されているというテーマの作品。悪いヤツに洗脳支配されているみんなを主人公の洗子ちゃんがマスコットのマイマイと一緒に洗脳で取り戻して行く作品であり苛烈な洗脳バトルがこの作品の見どころ。洗子ちゃんの武器は8番アイアンのゴルフクラブ。

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