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第4話 5

5


2043年4月15日 Suzu Tekka

 今日、学校の帰りに突然、校門前で衣奈君に告白された。

びっくりしたけどすごくうれしかった。

今までの悩みが一瞬で飛んでいくくらいうれしかった。

わたしでも人に好きになってもらえるんだ。


 でも衣奈君に返事をするとき、本当に悩んだんだ。

だって、本当のわたしを知ったら、きっと衣奈君は後悔すると思うから。

こんな心のなかがどろどろしている女の子って知ったら嫌になると思う。


 でも昨日まで衣奈君がわたしを無視していたとおもっていたのは、わたしの勘違いだったんだ。

今はうれしいけど、さっきまではすごく寂しかったんだよ?

お姉ちゃん達が席を外して二人きりになった後、少し泣いちゃった。


 それにしても告白の現場にマキお姉ちゃんと衣奈君のお姉さんがいてびっくりした。

昨夜相談したので心配で見に来てくれたそうだ。来ないでって言ってたんだけど。

うれしかったけど、衣奈君の告白の感動が薄れて複雑な気分。

だって初めての告白なのよ?わたし初めて告白されたらすっごく感動すると思っていたのよ?

でも実際はコメディみたいだった。楽しかったからいいけど。


 お姉ちゃんがみんながいる前でいじめの話をしだしたので、衣奈君の誤解を解くために作り話しをした。

わたしが学校でいじめられているというのは勘違で、衣奈君がわたしを好きだという噂がながれて、他の人達が遠慮してあまり話しかけてこなくなった、ということにしておいた。


 今朝のこと、学園に着いたら空気が昨日までとまるで違っていた。

うまく表現できないけど、周りの女子がわたしを無視するというよりは、わたしを怖がって近づいてこないような感じ。

一晩でなにがあったの?

 そして、衣奈君がわたしに話しかけてくれたの。今まで通りに。

でもなんか変なの。急に男らしくなったというか、凄みがあるというか。

男はオオカミだっていうけど本当のことだったんだ。


 今日のわたしの日記を読み返すと順番無茶苦茶、意味不明、支離滅裂な文章になっていて、笑っちゃった。

こんな日があってもいいかな。特別な日だったし。



2043年4月14日 Suzu Tekka

 今日も衣奈君とは一言も会話できなかった。寂しくて苦しい。

しかも女子からのいじめがいよいよきつくなってきている。

みんな、なんであんなことできるの?

わたしだって衣奈君が好き、なのかな?もうよくわからない。


 さすがにつらくてベットでふさぎ込んでいたら、マキお姉ちゃんにはわかってしまったようだ。

さすがカンがいい。こういう感覚はわたしにはないものだ。

「スズちゃん。学校はどう?もう慣れた?友達できた?クラスで仲良しグループとかあるの?クラスの中にいじめっことかいるの?」


 さすがマキお姉ちゃん。直球勝負だ。とても逃げられる気がしない。

「え?なんのこと?お姉ちゃんはただスズちゃんが学校でいじめられてるとか思ってないから、世間話してるだけだよー」

 しかもとても気をつかってくれているのがわかる。すごく優しいお姉ちゃんだ。 

決して言わないつもりだったが、わたしの心の弱い部分が折れてしまった。


 わたしの拙(つたな)い説明がどこまで通じたかな?誤解されていないかな?

お姉ちゃんのことだから、きっと誤解してこう思っているんだろうな。

『クラスのある男子の影響でクラス全員がわたしを仲間はずれにするようになった。

田舎者だから馬鹿にしてる』と。

困ったな。


 マキお姉ちゃんは直ぐにでも学校に殴り込みに行きそうだったので、絶対に来ないように釘を刺しておいたけど、お姉ちゃんのことだから、やっぱり来るんだろうな。来たら困るな。


2043年4月13日 Suzu Tekka

 レイカお姉ちゃんが久々に家に帰ってきた。

マキお姉ちゃんの会社の研修についていって、それっきり研究室にこもりっきりで帰って来なかったのだ。おかげでお母さんは毎日心配してわたしに愚痴を言うんだ。

それがまた長い長い。

わたしの学園での悩みを考える暇もなく付き合わされる。その間だけでも考えなくてよかったけど。


 予想通りレイカお姉ちゃんはお母さんの説教スペシャルコースを受けていた。

さすがにつかれていて可愛そうだが、わたしには助けてあげられない。レイカお姉ちゃんごめんね。


 そこへマキお姉ちゃんが帰ってきた。

お母さんの取り扱いには慣れているのか、会社から雪ちゃんっていうMoNStErの子を連れてきてお母さんに見せたら、お母さんたらレイカお姉ちゃんを放って雪ちゃんにめろめろになっちゃった。さすがマキお姉ちゃん。


 それにしても雪ちゃん可愛いの!

大きさ15cmで薄い銀色の髪に白い肌、顔も整っていて、しかもちゃんとおしゃべりするのよ。本当にお人形さんみたい。

 わたしも欲しくなってレイカお姉ちゃんにおねだりしたら、あっさりと了解してくれた。すごく高いのに。


 さすがレイカお姉ちゃんはMoNStErの研究家で大金持ちだね!レイカお姉ちゃん大好き!


(中略)

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