第4話 3
今回は衣奈磁石視点です。
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「メルちゃん。本編は堅くて大丈夫かと心配したけど。でも追伸の方が面白かったから合格点をあげようね!
顕達のことは知ってるよ。なにを企んでいるかもね。
でもしばらく彼らのやりたいようにさせてあげようと思っているんだ。面白くなると思うからね。
でもメルちゃんには心配とものすごく迷惑をかけるかもしれないねー。ごめんねー」
三崎工場の新事務棟前の駐車場。衣カンパニーの会長である衣奈磁石は自分のスマートフォンで孫のメルから昨夜来たメールを読んでいた。
これから衣カンパニー本社に戻らなければならない。ゆっくりする暇は全くない。
「ここで立ってると危ないですよ?おじいさん」
黄色いヘルメットをかぶって作業服を着た女の子、いや会社で働いているのだから女性といった方がいいか。
彼女のことは知っている。孫の同期入社で噂の「鉄火マキ」さんだ。
「ああ、ごめんごめん。ちょっとメールが入ってね。君は今年入社の新しい子だね。初めまして。わたしはここの工場長をしている磁石というんだ。よろしくね」
「えー!は、初めまして!失礼しました!あたしは今年環境安全課に配属になりました、鉄火マキといいます!」
(知ってるよ、とてもよく。だって君を環境安全課に転属させたの僕だもん)
「工場長、ホントにいたんですねー。みんな工場長は都市伝説だって言ってましたから。あ、ごめんなさい。失礼なこと言っちゃって・・・」
(面白い子だねー。堅すぎるメルちゃんと友達なんて不思議だねー)
「いいんだよ。実際ほとんど工場にいないからね。ところで、雪ちゃんは元気かな?」
「え?雪ちゃんのこと知ってるんですか?さすがは工場長ですね!はい、今は旧事務棟の事務所で本読んでますよ。雪ちゃんは本が大好きで、安全関係の本を片っ端から読んで憶えていくので、あたしよりも環境安全課に向いてるって、本能寺先輩が言ってて・・・。あ、いいえ、あたしもがんばってますよ!それから雪ちゃん用の小さなサイズの作業服とヘルメットが今朝届いたので早速着させてあげたんですよ。これがまたものすごく可愛くて、あたしおもわず頬ずりしちゃって・・・」
(この子面白すぎる!この子僕の秘書の城戸君と交換したいくらいだ!)
「会長、いえ工場長。お時間になりましたので出発いたしますが、いかがでしょうか?」
(もう少しこの子とお話ししたいけど残念だね。城戸君が怒り出す前に出発しないと)
「じゃあ時間みたいだから行くけど、元気でがんばってねー。またねー」
「はい!工場長もお気を付けて!いってらっしゃいませ!」
「あら、マキちゃん。今のお車は?」
「あ、メルちゃん。工場長だって。ホントにいたんだねー。都市伝説じゃなかったんだねー。あはは」
「マキちゃん。わたくしも今の工場長は会ったことがないのです。工場のどなたも名前を知らないくらいで・・・」
「名前は、えとね、うーん確か『じ』なんとかさん。緊張しててよく聞いてなかったやー。あはは。ホントはやっぱり都市伝説だったのかな?」
「『じ』?外見はどのようなお方でした?」
「んー、白髪のおじいさん。スーツ着て」
「???」




