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第2話 9

咲さん視点です。

9 【桜鯛咲の青年婦人部副部長日誌】

 今日は折角新入社員のみんなを歓迎しようとJIMまで来たのに、早速あの馬鹿がやらかした。危なく鉄火さん、大怪我をするところだった。幸いにも南部君がナイスキャッチで鉄火さんを受け止めてくれたけど、間に合わなければどうなっていたか・・・。


 昔からあの馬鹿はいつもみんなに迷惑をかけていた。小学校の時は遠足でみんなの制止を振り切って海に飛び込んでおぼれていた。中学校の時は隣町の中学生達と大乱闘の大げんかをして先生に怒られていた。

 自分では漢(おとこ)・風雲といって硬派を気取っているが、非常に惚れやすく、飽きもせず女の子にちょっかいを出しては振られるを、何度も何度も繰り返している。

 どうせ今回もあの鉄火さんが可愛いものだから、「彼女にしてやる」とか言って、ちょっかいを出したに決まっている。

 あいつはそういうヤツなんだ。


 わたしがこんなに苦労して、世話を焼いてやっているのに感謝の一言もない。

幼なじみのわたしにお誘いの声をかけてきたことも一度もない。

あんなヤツ知らない。


 わたしは、今日はいつもと違って、すこしおしゃれな服を着てみた。気づいてくれるかな?なにか言ってくれるかな?と思っていたが、案の定なにもない。頭の中は猿並み。

 わたしもう疲れちゃった。

 もういいや、あんなヤツ。


 劇場前のレストランでカップル決めをしたとき、あいつを監視するとか言って無理矢理にわたしがあいつの相手になったの、本当に監視だと思ってるのかな?あたしがんばってみたんだよ?たまには一緒に歩いてみたかったんだよ?


「お、おまえもたまには女らしい格好するじゃねえか。いつもは男みたいなくせに」

 ふ、ふんっ。気づいてるならもっと早く言いなさいよ!

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