第2話 6
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「マキさんごめん。ヤツに逃げられた。逃げ足が速すぎる」
層君が謝ってきた。いやいや悪いのはあたしですから、あんな投げ縄で捕まえられる訳なかったんだから。つい勢いで、おはずかしい。
新入社員研修のことは先輩達にも内緒なので、竜田揚紅茶のことは言えない。スズちゃんと御心君がいたからびっくりして駆け寄ったってことにして誤魔化すことにした。こんなんで誤魔化されるかな?
「うぁああー、かわいい!このこ誰?日本人形みたいに綺麗!JIM148よりアイドルみたい!」
誤魔化される人いた!
妙に定食太郎さんのテンションが高い。ほほほ、あたくしの妹ですのよ。もっと褒めたたえなさい!崇めたてまつりなさい!
「この子すっごい美少年!どこの子?わたしお持ち帰りしていい?いいよね?」
あの若鮎さんがテンション高くなってる。
スズちゃんと御心君はどうしていいか、呆然としている。三割くらい怯えが入っている。
そうだよね。十人の大人に囲まれたらびびるよね。しかも折角の初めてのデートなのに。
「女の子はマキちゃんの妹君のスズちゃん様、男の子はわたくしの弟の御心さんですのよ。二人はなんとお付き合いしているのです」
それを聞いてみんなが「「「「「「「「うっそー、マジか!?」」」」」」」」と感嘆の声をあげた。そんなにすごいかね?すごいかも?
「ねえねえ、二人のなれそめは?」咲さんが食いついてきた。
「やはり弟君から告白したんかいな?」乱ちゃんが食いついてきた。
「やはり妹ちゃんが可愛いから一目惚れなんかな?」アフロさんが(以下略)
「「「「「「「「「「ああー、高校生なのに青春してていいなー!」」」」」」」」」」
ここにいる残念な大人達は誰も彼氏彼女がいなかった、のだね。
「衣奈さんの弟さんはともかく、鉄火さんの妹さんは雰囲気が全然違うんやなー」
んんん?アフロさんは何が言いたいのかな?
スズちゃんと御心君のおかげで、さっきのヘンタイ一号を取り逃がしたことは、すっかりみんなの頭から抜けてしまっていた。これが後で大変なことに繋がることを、あたし達はまだ知らなかった。




