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第2話 5

5

 結局あたしたちはアミューズメントパークの管理室でさんざん怒られた。しばらく出入り禁止も言い渡されてしまった。『宇宙バンジー』も安全が確実になるまではしばらく運行禁止になったそうだ。あたし達が馬鹿なことをしたせいで。社会人にもなってナニやってんだろうね。

 メルちゃんがここの管理会社のエライさんと知り合いだということで、注意だけで済んだが、下手をするとマスコミとかに情報が流れて全国放送のニュースにもなるところだったのだ。


 あたし達は意気消沈して、もう帰りたくなっていた。折角の歓迎会なのにごめんなさい。

あたしは全く食欲がわかなかったが、とりあえず何か食べておこうということで、劇場・ホテルエリアへ移動した。JIM148がショーをしている所だ。

 洋風レストランの外のテラス席に五人づつ、二テーブルに分かれて座って、ぼんやりとメニューを見ていた。先輩達もだらけている。

 レストランのテラスの向こうは劇場前の大広場になっている。見た感じはベネチアのサン・マルコ広場って感じ。行ったことないけどさ。


 広場では何人かの大道芸人が路上パフォーマンスをしている。ジャグリングとか、背の高い一輪車に乗ったりとか。その中から妙に調子っぱずれの歌声も聞こえて来た。

「みーなさーん、今日ーはー、お越しいただきーありがとーう、ございますー♪」

 下手な歌がウリのパフォーマーなのかな?

「そーこーのー、かーわいい、おじょーさーん。彼氏とデートですかー♪」

 ふーん。カップルで来ている子もいるのか。早くわかれてしまえばいいのに。あたしのブラックな所が湧き出てくる。さっきのことでやさぐれているからかも。

「わーたーしーアイドルの竜田揚紅茶がー、特別にープレゼントをー、あげちゃいまーすーよー♪カデンツァ♪カデンツァ♪」

 ん?なんか聞いたことある名前だね。竜田揚紅茶?うーん。

「マキちゃん、あいつや!ヘンタイ一号や!」

 あ、新入社員研修で雪ちゃんを奪おうと襲ってきた、『カーバンクル』と思われる組織の一味のヘンタイだ。

 声のする方を見ると、金髪で黄色いジャケットを着た竜田揚紅茶が色とりどりの風船を持ちながら、竜田揚紅茶の方を向いている高校生くらいの制服の男女の方に近づいているのが見えた。

 風船が危ないとは思わないが、竜田揚紅茶は捕まえておかないと、後でまた襲われる危険がある。あたし達新入社員組五人はダッシュで劇場方向に飛び出した。

「メルちゃん。ロープ!」

 メルちゃんはまたどこからかロープを出してきて、あたしに手渡した。毎回どこから出してくるんだろうか?

 ロープは不思議なことに先が輪っかになっていたので、カウボーイよろしく投げ縄のように竜田揚紅茶に向って放った。

 が、投げ縄なんてやったことのないアタシ。縄は全然違うところへ飛んでいった。あれれ?しかも高校生くらいの男女二人とも、お縄にかけちゃった。

「おーやー、ジャージガールじゃないですかー。お久しぶりでーすーねー♪」

「あんたここでなにをしてんの?おとなしくお縄に付け!」

「いいんですーかー?この子達捕まえちゃってー♪」


 しまった。「月平、層君、ヘンタイ一号を捕まえて!あたしはこの子達を・・・・、あれ?」

「マキねっちゃ、なすてこったらごどすんの?」

「お姉様、僕たちが一体何を?」

 なんと、スズちゃんと御心君がJIMでデート?しかもヘンタイ一号に狙われていた?

 お姉ちゃんデートなんてしたことがないのに。いやいやスズちゃんはすごく怒っている。いやいや今はヘンタイ一号だ。ヤツの狙いはスズちゃんか御心君?それとも雪ちゃん?いずれにしても誰も渡さない!


「今日ここに竜田揚紅茶が出てきたということは、やはりこの中に内通者がいるということになりますわね」メルちゃんがぽつりとつぶやいた。

「せやな、誰が怪しいかな?」乱ちゃんが先輩達の方をじっと見つめていた。

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