第2話 2
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自己紹介も終わったので、JIMのゲートへ向う。
ここでもすごく並んでいると思いきや、そうでもなかった。
JIMは城ヶ島の南半分を丸ごとつかったテーマパークなので、エリアが島のあちこちに分散している。
横に細長い島の西側から順にいうと、西の端にはマリンスポーツエリアのうちヨットと磯釣りエリア。
少し東に行くと劇場・ホテルエリア。
島の中央はアミューズメントパークエリアと水族館エリア。地上の駅出口はアミューズメントパークのゲートの真ん前にある。
そして島の半分から少し東寄りには野鳥エリアと自然公園、
そして東端には再びマリンスポーツエリアのサーフィン、ダイビング、海水浴場が配置されている。
観光客の目的もそれぞればらばらになるので、駅前から離れると混雑も緩和される。
あたし達は最初の目的地のアミューズメントパークと水族館共通の入り口ゲートに着いた。ちなみに入場が有料なのはここだけで、他のエリアは無料で出入り出来る。
さすがにゲートに近づくと、入場待ちの行列が並んでいる。最後尾からだと入場まで三十分くらいかかりそうだ。
するとメルちゃんがみんなを並んでいる列から外して、入場口横の管理事務所のようなところへ連れて行った。なんとメルちゃんは永年フリーパスチケットのカードを持っていて(ゴールド色のやつ!)いつでも、どこでも入れるそうだ。金持ちは違うね!あたし達全員もついでに裏口からフリーで入れてもらった。お金も払わずにだよ!またメルちゃんと一緒に来ようと心に誓った。
ま、今日は歓迎会なので、お金は全部先輩達が出してくれるんだけどね。
今日の予定はお昼まではアミューズメントパークエリアで過ごして、その後は一旦解散して、各自が自由にJIMを廻って、最後は五時に駅に集合するという感じだ。
アミューズメントパークではあたしとメルちゃんと乱ちゃん、層君、月平の五人で廻ることにした。先輩達もそれぞれ適当に組んで廻るらしい。
アミューズメントパークの見た目は浦安の有名パークと似た感じて、ゲートから入ると中央通路の上は高い屋根のアーケードになっていて、両脇にはお土産屋さんが何軒も連なっている。
お土産屋さんの中には、モチーフの『隈取りモンスターカブキと腕白忍者うり坊さん』グッズがいろいろ置かれている。うり坊さんぬいぐるみ、カブキなりきり隈取りマスク、エビゾリ将軍専用ロボットのハンド型携帯ストラップ、耳年増女王のきわどいハイレグ水着レプリカ、2mもあるへべれけ大王等身大フィギュアなど多彩だ。
アーケードを抜けるとアミューズメントパークは6つのエリアに分かれている。
湖エリア、山岳エリア、砂漠エリア、未来都市エリア、宇宙工場エリア、そして日本の里山エリアそれぞれにいくつかのアトラクションがある。
そして、ここのアミューズメントパーク、通称『くまわんジム』の最大のウリは各エリアに共通して設置されている、『隈取りモンスターカブキと腕白忍者うり坊さん』の頭文字『隈』+『腕』+『JIM』の合成語で同名アニメの名場面を追体験できる、一種のアスレチックジムがあることだ。
湖エリアでは、「海洋編」でカブキが遭難した海をモチーフとして、水の上に浮かんだ小さなフロートから落ちないように対岸まで渡るアスレチック。
山岳エリアでは、「富士山編」でうり坊さんが命の薬草を採りに登山したシーンをモチーフとした、ボルダリングで頂上まで登らないと先に進めないピクニックコース。
日本の里山エリアでは、「愛の巣編」で敵の耳年増女王が趣味で育てているカイワレ大根を大どんぶり一杯食べてからでないと食事にありつけない、和食レストラン。
などなど、大人でもハードな遊園地だ。遊園地入り口には各『くまわんジム』のタイムアタック上位者とクリアした人の称号を掲示しているため、毎週通うマニアが続出している。




