第1話 14
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あたしは終業時間になったら速攻で帰りたくてそわそわしていた。
「マキちゃん。今日は研修に身が入ってないな。どうした?」
本能寺先輩があたしを心配してくれた。
あたしは隠しても仕方がないので、スズちゃんのことを先輩に相談してみた。
「よし、わかった。そういうことなら今日はフレックスで今から帰れ。課長には俺から適当に言っておくから心配するな!」
先輩頼りになるー。
メルちゃんに『用事ができたから先に帰るね』とメールを打って、ダッシュでスズちゃんの高校の校門前にむかった。
門には『私立徳言学園』とかいてある。
フレックスのおかげでなんとか下校時間に間に合ったみたい。まだ誰も校門まで出てきていない。
雪ちゃんから連絡が来た。雪ちゃんには超小型の携帯電話を持たせている。
「もしもしマキちゃん?こちら雪です。もうすぐスズちゃんが校門に近づいて行きます。
スズちゃんをいじめていると思われる容疑者を特定しました。ホシはスズちゃんの10m後ろを歩いています。どうやらスズちゃんを追跡している模様です。どうぞ」
雪ちゃん、一昨日の刑事モノのテレビドラマ『コレステロール刑事』の影響受けすぎ。
気づかれないように、こっそりと校門の影から中を覗いてみる。
あ、制服のブレザーを着たスズちゃんがこちらに歩いてくる。後ろを、これもブレザーの男子が一人歩いている。
あいつか、スズちゃんをいじめているヤツは!あたしは校門から入られないから、出た途端につかまえて再起不能にしてやる!
もうすぐだ。スズちゃんが校門を出た。よし、今だ!
「鉄火さん、好きだ!つきあってください!」
は?
どっちにしても、この男子は許されないので、首根っこを捕まえた。が、この男子は175cmくらいありそうで、あたしの方が小さいのであたしがつま先立ちしている感じだ。
「えーと、どこの中学生かな?」
誰が中学生だ!スズちゃんより2cmも大きいんだぞ!
「高校生のぶんざいで、なにあんたあたしに告白してんのよ!それよりもあんた、なに人の妹いじめてんのよ!」
告白されたのは人生初だけどね。ちょっとうれしい。
「マキねっちゃ、どしてここに?」
あらら、スズちゃんに見つかっちゃった。
「なんで僕があなたに告白を?」
えーと、あたしじゃないの?じゃあどこの鉄火さんに?この男子はスズちゃんをいじめてたんじゃないの?なにがどうなってんの?誰かおしえてよ!
「あら、マキちゃんじゃありませんこと?どうしてここへ?」
あれれ、メルちゃんも出てきた。あたし何がなにやら?
「お姉様、お帰りなさいませ。今日はお早いですね」
「御心さん、ただいま」
お姉様?みこころさん?誰それ?もうあたし無理。




