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第1話 9

9

 とても気持ちが重いまま、新事務棟を出て隣の研究棟に向かう。

 「マキちゃん、気にするな。会社にもいろんな人がいて、いろんなことを考えている。みんな違うんだ。気の合う人もいるし、気の合わない人もいる。けど、会社ではみんな同じ目的に向かって協力して働いて行かなくちゃいけないんだ。そうしないと会社がつぶれてしまうからな」

 うん。そうだよね。学校でも気の合わない人もいたもんね。


 「ここはオレの前の職場だ。ここは基礎研究なので、レイカの研究所と同じような感じと思ってもらってもいい。

 例えば自動社会社や建設会社に販売されるモノは、研究所でできあがったモノを技術課でそれぞれのお客さん向けにカスタマイズして、お客のOKが出たモノが製品化される。

直接顧客に販売されるモノも同様に研究所で開発されたモノが技術課で商品化されている。

 一年ぶりだけど、全く変わらないな。相変わらず実験台の上は散らかってるな」


 実験室の中は本能寺先輩が言うように、足の踏み場がないほどモノが散乱していた。

床には原料容器と思われる二十リッターくらいの缶がばらばらに置かれており、実験台の上は混ぜている途中だろうか、蓋が開いて中が丸見えの四リッターくらいの缶がいくつも放置されている。正直に言うと汚い。レイカお姉ちゃんの実験室は見たことないけど、こんな感じなのかな?


 そこへ、白衣を着て、黒髪を前分けにして後ろで三つ編みにしている背の高い女の人が近寄ってきた。 

 「あ、本能寺先輩、お久しぶりです!先輩どうしたんですか?なかなか寄ってくれないので寂しかったんですよ!あれ、この子は?」

 はきはきしたお姉さんがあたしに気がついた。

 「あの、鉄火マキといいます。今年入社です。よろしくお願いします!」

 「この子が先輩の所に配属になった新しい子ね。がんばってね。先輩と付き合っていくのは大変よ?無理しないようにね?」

 はい。おっしゃるとおりです。すでに大変な思いしています。


 「わたし、桜鯛咲さくらだいさきっていうの。一応青婦部の副部長だから。今度のJIMでの歓迎会楽しみにしててね」

 こんなさっぱりした人がいたら大丈夫かな?あたしさっきは歓迎会行きたくなかったもん。

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