第1話 7
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二日目の研修は、各部署を廻って、新任の挨拶と職場見学を兼ねて行うそうだ。本能寺先輩が案内してくれることになった。
昨日のような座学は非常に疲れるので(主に脱線する先輩の軌道修正で)、あちこち歩ける方がありがたい。
新事務棟の課からスタートした。
ここには工場長室、製造部長室、総務課、生産管理課、物流課、検査課、プロジェクト、食堂、更衣室、会議室が集まっている。なんで環境安全課が入れないのよ?たった三人なのに。
工場長室にノックするが返事がない。今日は不在だろうということで後日もう一度くることにした。
「前の工場長が転勤になってから新しい工場長が来たんだが、いつも留守なんだよなー。誰も今の工場長の姿を見たことがない」
「まさか、そんな都市伝説のような」
「実質製造部長がこの工場を仕切っているようなものだから、誰も困らないけどな」
それだったら工場長いらないんじゃないの?
製造部長室も不在だった。なんかの会議なのかな?ま、いいや。
総務課のある大部屋に来る。メルちゃんと万歳さん、その他3名が忙しそうに働いている。本能寺先輩があたしを紹介しようとしたら、それを制してメルちゃんが代わりに職場の皆さんにあたしを紹介してくれた。
「みなさーん、この方が今年の新入社員の鉄火マキさんです。マキちゃんと呼んであげてくださいね。マキちゃんはわたくしのものなのでご注意くださいね。」
「あの、鉄火マキです。環境安全課に配属になりました。よろしくお願いします!」
総務の人達が拍手してくれる。なんかうれしいなー。メルちゃんすごいなー。入社一週間なのに既にこの課を仕切ってるように見えるよ。
あれ?万歳さんがなんかあたしをにらんでいるように見えるけど、やっぱり怒ってるの?それとも気のせい?
同じ部屋の物流課は構内、構外の原料、完成した製品の運搬、倉庫での保管管理をまかされている部署だ。ホントはあたしはここで働いている筈だったのに。
層君があたしを見つけて近づいてきて、説明をしてくれた。物流課は原料や製品を運搬する人を含めて20名ほどがいるらしいが、ほとんどの人は出払っていて事務所には数名しか残っていないらしい。フォークリフトを運転して構内を走っているのはここの人達なんだ。
もう一つ生産管理課が同じ部屋にいる。受注とか生産の計画をする課だそうだ。
ここには乱ちゃんがいた。10名ほどの人がいるが、みんな電話で怒鳴ったり、パソコンになにか打ち込んでいたり、部屋から走って出て行ったり、騒々しい。どちらかというと殺気だっている雰囲気がひしひしと感じる。
「ここは恐いところなので、スルーしようか?」なに?先輩でも恐いところがあるの?どんだけやばい部署なの?
生産管理課の奥の席の方に乱ちゃんを見つけたが、乱ちゃんも大声で電話している。なんか怒っているようだ。
「そんなこと言われたかて、無理なもんは無理なんや。そんな短納期でモノが出来るかいな!しかも発注ミスやろ?あんたんとこで責任持ちいな!ウチら知らんで!」
乱ちゃんも殺気だっている。入社一週間でこの迫力はいったいどうしたというんだろう?すでに十年くらい働いているようだ。あたしもここスルーでいいや。




