神和住零羅 奥の手の先の先の更なる先の奥の手
???
「・・・正直申しますと、お父様はわたくしが同行するのは反対すると思ってました」
「無論今でも反対したい気持ちだ。わたくしは奴を知っているからな・・・だが、だからと言ってお前を置いていくと言ったらお前は拗ねるだろ?零羅」
「はい、そりゃもう喚き散らかしますねきっと」
「そうなると手がつけられないんだよな・・・」
わたくしはお父様とそんな談笑をしていました。
「では、準備はよろしくて?」
その時、座標の準備を整えたキャロラインさんがわたくしに聞いて来ました。
「えぇ、わたくしたちは大丈夫です」
ここの外はわたくしも知らない何処か。分かっている事は1つ、この外に空気は無い事。
ミツキさんの作戦はエリア51や円卓と同じ条件の部屋を更に見つけ出す事でした。そこで行ったのがキャロラインさんの奥義、世界中の意識を繋げて世界の各地に存在している真空空間の場所を見つけたのです。この奥義はキャロラインさんの寿命を縮める危険な技ですが、この先世界が存在しなくては無意味と喜んで引き受けてくれました。
そしてここからがわたくしたちの作戦。わたくしはこれからここから転移でジュネーブへ救援へ向かいます。キャロラインさんはここにキャロットさんとヴォイドさん、そしてリリアさんを残していく事にしました。万が一のボディーガードです。これで準備は整いました。
「なら始めますわ。これより・・・まぁ元からあなた方は既にガイアの守護者と言う役回りを外れてますが形だけやりますわ。神破聖拳を扱いし者によるガイア守護の任を解きます。そして、その解き放たれた力を持ち、世界に仇成さんとする者に成敗を!!!」
キャロラインさんがここに持って来た転移装置のスイッチを入れました。その瞬間、わたくしの目の前は真っ白になり、炸裂音が鳴り響きました。
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スイス ジュネーブ
「ビルが・・・」
「跡形もなく無くなってしまっているな・・・周囲に生き物の気配が全く無い・・・」
わたくしは周囲を見渡しました。戦争でもあったのかと思わせる程の瓦礫の山、周囲は静まり返っています。人の影1つ見えません・・・ここは本当にスイスなのでしょうか?
「ここは進みましょう」
「そうだな」
しばらく歩くと座ってる人影が1つありました。
「アレは・・・」
「あの気配・・・覚えている・・・だが、あんな姿はしていなかった筈だ・・・」
お父様は少し汗を流しました。その時、その人影はこちらを見つけて古い友人に会ったかのように手を振ってきました。
「あ!おーい!!こっちこっちー!!」
そしてその人影はわたくしたちに対して凄く友好的な声で手招きして来ました。
異質・・・わたくしの中の感覚は彼女を異質だと認識しました。これまでの何とも違うこの感覚・・・不思議な感覚です。
そしてその人はこちらに駆け寄って来ました。
「ふぅー、誰も来ないからてっきりあいつら全滅させたんじゃないか?って思ってたとこだよーって、あっ!!あんたいつぞやの神破聖拳使い!!ひっさしぶりじゃーん!!元気してたー!?」
全く・・・反応が出来ませんでした。その人はいつのまにかお父様の肩に腕を回してハグしていたのです。
背は大きく、背中に巨大な剣を背負っている。そんな武器を持っているにも関わらず、服装はランニングシャツ一枚の上にロングコートを羽織り、下はボトムスを履いた凄くラフな格好をした女性。
「お前は・・・誰だ?」
お父様は睨むようにその人に質問しました。
「誰って俺だよ?戦争の騎士!」
剣を持っているって事で予測はついてましたが、この人がやはり戦争の騎士・・・
「かつてその名を騙った奴は、お前のような姿では無かった筈だが?」
「ん?あーこれ!これね!これは俺の真の姿っつーのかな?あん時は四神を媒体にしただろ?今回は媒体無しで召喚されたからな!どう?俺の真の姿!カッコいいだろー!!」
騎士はえっへんと胸を張りました。
「成る程な・・・ならば死の騎士はどうした?ここにいると踏んでいたんだがな」
「あぁあいつ?あいつを媒体無しで召喚すんのはちと厳しいのよねー」
「聞いたか零羅?」
「えぇ!聞きました!!ここにいる敵は!!あなた1人!!!」
わたくしは服を脱ぎ捨てて武器を装備して構えていました。服の下には動きやすいようにと変身した時のあの衣装を着ていました。シィズさん曰くこの服は動きやすい上に大きくなったわたしでもサイズが合うように調整してくれているのです。
「あっ!!しまったぁっ!!」
「神破聖拳!!総衝破!!」
隙を見せた方が悪いですよ。わたくしは全力の総衝破を放ちました。
「ほげー!!!!ちょおま!!顔面はヤバいって顔面はよー!!」
わたくしは彼女を遠くまで吹っ飛ばすつもりでした。しかし、彼女は顔面を押さえて悶えるだけ。確実に入った筈・・・弾かれ無かったのに・・・
「おいててててて・・・けど、いいパンチだ!!あんた!こいつの娘!?俺!戦争の騎士ね!!どうぞよろしくー!!」
悶え終わるとけろっと元に戻ってわたくしの手を握って握手を交わしました。
「えぇ・・・ごきげんよう・・・」
「そーだ!あんたらに会ったら聞きたい事あったんだ!!ムテキザムライの続編!ってかリブート企画?始まってるみたいだけどさ!結局あれ最終回どうなんのさ!まーた最終回見損ねちまうから展開だけ教えてちょー。気になって夜しか眠れないんだよー」
ムテキザムライ・・・麗沢さんが大好きなわたくしのお祖父様が出演していた特撮作品・・・
「知りたいのですか?」
「え!?教えてくれるの!?」
戦争の騎士さんは屈託の無い笑顔を向けました。
「えぇ、昔子守唄代わりにお話しを聞かせて貰った事がありますから・・・ですけど、タダで教えるなんて事は出来ませんね」
「と言うと?」
「今の攻撃・・・全て受けきりましたよね?ちょっとわたくしあなたに興味が湧いてしまいまして・・・お手合わせお願い頂けますか?このわたくしと1対1で戦って勝てたら教えて差し上げます」
わたくしの中のわたしも興奮しています。こんな相手今まで出会った事が無い。いけませんね、こんな時でも我欲が勝ってしまうだなんて・・・
「君イイネー!!俺とサシでやりたいだなんて!!良いよ!!受けて立ってあげるよ!んなら、この剣は置いておいてと・・・」
戦争の騎士さんは背中に背負った剣を壁に立てかけました。
「それ、使っても良いのですよ?」
「いやいや〜、流石に拳で戦う相手に失礼じゃん?君が武器を使うなら俺も使うだけ。どちらにせよ俺は戦争の騎士だよ?ありとあらゆる戦いがこの俺だ。剣でも最強、格闘でも最強なのがこの俺さ!!」
「そうですか・・・なら、格闘最強のわたしが行きましょう・・・」
わたしは一気に踏み出しました。
「うわ!いきなりおっきくなった!!やっべ!!」
わたしの攻撃は騎士さんの顎に僅かに掠りました。しかし・・・
「っ」
気が付けば騎士さんは反撃の一手を放っていて、わたしの顎を掠めました。互いに掠めたと同時に身体は大きく飛ばされてしまいました。よもやこの一瞬で対応されるとはね・・・ならば、このまま続けるとしましょうか。
わたしの考えはどうやら騎士さんも同じみたいでした。
「ははは!!!」
「ふっ・・・」
すぐさまに姿勢を直すと、一気に無数の拳が飛んできました。速い上にここまでの手数を一気に畳み掛けてくるとは・・・面白い!!
拳と拳のぶつかり合い、脚同士のせめぎ合い。それを繰り返す度に地面は捲れ、ただでさえ壊れていた建物たちが粉々に打ち砕かれていきます。
「あっははは!!すげー!まるで神破聖拳の化身だなお嬢ちゃん!!こんな奴初めてだぜ!!」
「それはそれは光栄な事ですね。わたしも楽しいですよ、ここまでわたしを全力で出せるのは初めてです」
わたしと騎士さんは大きく飛び上がりました。
「飛翔破顔撃破!」
「おっしゃああぁぁっ!!」
そして放った互いの飛び蹴り。ぶつかるだけで衝撃波が発生しました。
「ん?」
「あ、気がついちゃった?」
しかし、わたしはある事に気がついて更なる攻撃を止めました。それに気がついた騎士さんもその脚を下ろしました。
「成る程・・・戦争とはただ戦えば良いと言うものでは無いのですね。わたしはそういうのは好きではありませんよ」
「まー俺もどちらかっていったら直接暴れたいさ、こんなわっくわくすんのもひっさしぶりだからな。けど、戦争ってのはいかに相手にとって不利な状況を作り出すかが重要なのさ」
騎士さんの後ろ、そこにあった瓦礫が崩れるとその中から3人の人影が現れました。壁に貼り付けられ、少々怪我をしています。あれは霧島蓮也と荻山響煌、そして輝夜新月・・・
どうやら騎士さんは、人質と言う作戦に出てしまったようですね。
「既に殺されていると思っていたが、生きているとは・・・交渉のつもりか?」
衛府郎は腕を組んで睨むように騎士さんに質問しました。
「そーゆー事、俺たちの最重要目的は輝夜ミツキだ。あの子の場所教えてくんね?」
「教えなければ?」
「・・・」
バァン!!
「っっぐっ!!!!!ぁっっ!!!!」
騎士さんは無言のまま、蓮也さんに向かってデコピンによる衝撃波を放つと、蓮也さんの小指が吹き飛びました。
「こーしてく」
「はぁー・・・はぁー・・・っっ・・・!!この程度の拷問!!屁でもない!!私の事は気にしなくて良い!!いないものとして戦ってくれ!!」
蓮也さんは凄く痛そうな顔ですね、これはいけない。
「成る程、とてもつまらないですね。だったらこうしましょう、あなたが知りたがっていたムテキザムライの結末は教えて差し上げません」
「えー!!それナシだろ!!?」
騎士さんは結構ショックを受けたようです。そこまでして知りたいのでしょうか?
「ナシな訳ないですね。交渉したいのであればあなたは何かを切り捨てなければ」
「うーイジワル、けどまぁ仕方ねーか。結末は諦めるよ。っつー訳だ、話を戻すぜ?」
「諦めるのが早いですね。かと言って、わたしがあなたの交渉に応じると思いますか?」
「でないとこの3人が痛い目に遭うだけだぜ?殺しはしない、果てしない苦痛を与え続けるだけだ。次はそのお姉さんの脚もぎ取るとすっか」
パァンッ!!!
「え?」
「風殺指弾」
騎士さんが放ったデコピン、わたしは風殺指弾でそれを弾きました。狙われたのは新月さんの右手でした。この騎士さん、割と嫌な性格ですね。
「人質を取ってるとこ悪いですが、それ以上はやらせません」
「えー・・・反応されちゃったよ」
「えぇ、反応出来ますよ?さぁもっと楽しみましょう。せっかく戦争の騎士と戦える機会です。こんな人質作戦ではわたくしも癇癪を起こしますよ・・・そうだ、そんなに嫌ならばハンデとしてわたしはそこの3人に一撃たりともこれ以上の攻撃は与えさせない縛りをしても構いません」
「マジかー、俺相手に縛りすんの?」
騎士さんは困った感じで頭を掻きました。
「そうでした、一言言い忘れていました。わたしは今、わたくしの武器を取って戦いを始めているのですよ」
「それはつまり、俺に剣を取れって言いたいの?良いけど、流石に後悔するよ?」
騎士さんは造作もなく遠くにあった大剣を手元に引き寄せました。そして剣を鞘から引き抜きわたしに向けました。
「大剣、アルマゲドン。この一振りは総てを薙ぎ払い、あらゆる存在を消し飛ばすその名に相応しい武器だ。かっこいいだろー!」
「素晴らしい・・・見ただけで分かります。その剣を持ったあなたの強さのイメージが全く湧かない程の力の差・・・ですが、その剣はこの世界に実在している。この世界に存在するのであれば、何処かに必ず弱点はあるのです」
「言うねぇ、なら始めようか!!!」
騎士さんは剣を振り下ろしました。その衝撃たるや、前方を跡形もなく消し飛ばしました。これは、マッターホルンまで真っ二つになってしまいましたかね。
「え・・・避けた?」
そしてわたくしは騎士さんの背後に周ってました。
「えぇ」
騎士さんは咄嗟に薙ぎ払おうとしましたが、そうはいきませんよ。
「あれ?いない!?縮んでる!!」
「神破聖拳・・・最終奥義、蒼天破!!!!」
わたくしは沈み込んで一気にアッパーを放ちました。わたくしの全力のアッパー、その衝撃は瓦礫たちで立ち込めていた煙や暗雲を全て綺麗さっぱり消し飛ばしました。
「んぐっ!!!うっそだろ!!!おい!!この技!!」
「あれ、お祖父様のこの技はやはりもっと切れ味凄かったのですね・・・倒せませんでした」
結構渾身の一撃だったのですけどね・・・
「こうなったら!!」
騎士さんは剣を肩に担ぎました。切り返しが早いですね・・・なら、
わたくしは左手の薬指に指輪をはめました。そして
「魔破斗剛拳流!炎技三つ目!!炎獄灰燼葬!!!!」
「おりゃぁっ!!」
わたくしの炎獄灰燼葬と騎士さんの大きな一振りがぶつかり合いました。
しかし、その衝撃で周りに被害が出る事はありませんでした。むしろその逆、ぶつかり合った瞬間。完全な静寂がわたくしと騎士さんの間に生まれました。
「総死点、やはりそうですね。あなたのその攻撃は全てわたしの力の始祖」
この騎士さんの攻撃はわたくしたちの神破聖拳の素、でしたら神破聖拳を相殺できる奥義、総死点で対応出来ます。
「あの派手派手技は囮かい。それにしてもよく止めたもんだ。その技は歴代神破聖拳使いでも限られた奴しか使えなかったし、他の技に絡めてなんて奴は初めてだ・・・だったら、無数の斬撃の前にはどうかな!!?」
この構えは突き技・・・しかも、ただ突くだけではありません。ほぼ無限と呼べる程の高速突き。そしてその一撃は掠るだけで身体が消し飛ぶ程の衝撃。
「神破聖拳奥義、総死点、破身乱破!!!」
わたしは構えを変えて脚を上げ、下段か、来る突きに合わせて蹴りを放ち上段からくる突きには拳を合わせました。
「またおっきくなったな!!けどこの技の前には無駄だぜ!!もっと上げてくぞ!!おりゃりゃりゃぁぁ!!!」
わたしは全ての攻撃に総死点を合わせました。どれだけ速度を上げようが無駄ですよ。今のわたしの前には・・・
「ふんっ!!」
「ふふっ」
パンッ・・・・
騎士さんは最後に突きの代わりに横薙ぎを放ちました。けど、それもわたしの総死点は止めました。
「えー・・・どうなってんの?」
「ふふ、追い込まれた顔はそそりますね」
あのあっけらかんとしていた騎士の表情が曇りました。それもその筈、普通のわたしもわたくしでも、騎士さんの攻撃は目視することなんて出来ない程速いのですから。
「くー、おっかしーなー。先読みでもしてんの?って、あ・・・先読み!?あんたもしかして!!」
騎士さんはハッと手を口に当てました。
「ようやく気がつきましたね。言った筈ですよ?わたしはわたくしの武器を取って戦っていると・・・わたしの始祖であるあなたに、わたしが1人で勝てる訳ないじゃないですか」
わたしはわたくしの能力、未来支配による未来予知を利用していました。わたくしのこの力はどうなったのかの結果は見えません。しかし、どうなっているかの過程は見る事が出来ます。
本来この力は発動の感覚は掴めず勝手に発動するものでしたが、わたくしはいつの間にか自身の戦い方に合わせて自由にほんのコンマ数秒先を予知、彼がどう行動しているのかを先読みする方法を見つけていたそうです。
「ですが・・・わたくしたち3人なら、あなたに勝てます」
「3人?お父ちゃんは戦ってねーだろ?」
騎士さんは少し困惑した顔で質問してきました。
「どうですかね・・・」
「むー、俺もそろそろ癇癪起こすよー?君結構やりずらい!!」
「それは光栄です!やりずりいと言う事はわたくしはあなたにとっても強いって事ですよね!!それはわたくし、あなたに認められたって事で良いんですよね?」
「うん。戦争を司る者として君みたいのはほんと初めてだよ全く・・・だから、君は縛りを付け加えた事を後悔した方が良いよ。戦争にはルールがあるんだ。そのルールに従い、彼らを失った瞬間、君は俺に敗北する」
嬉しかったのも束の間、言葉ってのは軽んずるべきではないですね。これが彼の本当の強さ・・・圧倒的な力に加えて、戦争のルールを支配出来る・・・示された条件を果たさなければ負ける。このルールには絶対的な支配力を持つ・・・
この人見かけによらず結構硬いとこあるんですね。
「構いませんよ。確かにわたしの方は言いましたから、必ず傷一つ付けさせません」
わたくしは左足を半歩ほど後ろに下げました。
「良いんだな。戦争におけるルール、捕虜には暴力、脅迫、侮辱、公衆の好奇心から保護されなければならない・・・しかし、俺は戦争の支配権を持つ。好きにできるのさ、俺の剣でも拳で無くても・・・俺が捕虜に死ねと命ずるだけで君は負ける!!」
この能力・・・複雑ですが桜蘭さんと同じ事を・・・命ずるだけで人を操るとは、怖い能力です。
「っか、身体が!!!」
「何よこれ!!私の腕が!!私の首を!!」
「こんなのズルだろ!!なぁ!!騎士さんよ!!」
3人は拘束されていた縄を無理やり引きちぎり、そしてその勢いのまま自身の首を締め上げました。しかし・・・無意味ですよ。
「ならば・・・救い出された捕虜は、どうなんですか?」
3人はわたくしの後ろに立っていました。拘束も何も無く、無傷のまま。なんならついでに蓮也さんの指も治しておきました。
「あ、あっしは・・・なんで、さっきまであそこにいた筈だよな?なぁ響煌?」
「何が起きたのよ・・・」
「どうやら理解できているのは1人のみだな・・・見ろ、戦争の騎士も味方である衛府郎すらも何が起きたのか理解できていない」
お父様はキョロキョロとしてました。もうちょっと堂々としてて下さい。優勢なのはわたくしたちなのですよ?
「どうなってんのマジで・・・」
「相手が桜蘭さんだったら大変でしたよ、心が読まれていたらこのイカサマは成立しませんからね」
「イカサマ?」
成る程です・・・この感覚なんですね。やっと分かりました。確かにやみつきになりそうです、この全てのピースが綺麗にピタッとハマる感覚は・・・
「騎士さん、先ほど仰られましたよね?戦争にはルールがあると・・・では、何故ルールが必要なのでしょうか?答えなくて良いですよ、わたくしが答えます。答えは簡単・・・ルールを破った人が一方的に勝ってしまうからです。あなたは戦争の騎士、戦争のルールの中でしか戦えません。しかし、わたくしは人間・・・人間は、いかにバレないようにルールを破り、そしてバレずに貫き通した人が勝利を得るのです」
わたくしは腰から1枚カードを取り出しました。そして騎士さんに見えるようにそのカードを掲げてみせました。




