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エルメス 道山恵 気付かれぬ大手へ

 エルメス

 

 「ほぅ、中々の威力ではないか。進化したマキシマムビーストとは面白い・・・」


 爆炎を消し飛ばして騎士がもう現れた。


 「エルメス!」

 「分かってる!!」


 わたしはジャックの後を走った。


 「どんな策略も私には通用しないと言っているのだがな・・・悪あがきをするのは構わないが、何かしようとしている奴を見逃す程私は寛容ではない。アポカリプスの弓、拡散式!!」


 私たちの頭上を覆う程の矢が降り注いできた。


 「アーヴェンジャー!!!だってのー!!!」

 『ヴゥゥゥゥゥオオオオオオオオオ!!!!!』


 その時、メグちゃんが異常にデカいバルカン砲みたいなのを持って上空に撃ち放っていた。矢はこれで悉く弾かれた。


 「メグちゃん?そんなの何処で?」


 「あん?そこにあるA-10に付いてたのを引っこ抜いたんだっての。にしてもシィズってやつ面白ぇな!なんか色々置いてってくれたぜ!」


 よく見たら後ろの戦闘機みたいな戦闘部分が綺麗に外されていた。そしてメグちゃんの横には色んな武器兵器が積み重なってる。シィズの奴いつのまにこんな準備したのよ?


 「地対空はあたしに任せろっての!上は開けたぜ!!飛んで行きなぁっ!!!」


 「セグンドエスタードマキシマ!!天使の槍!!」

 「サラもいくよー!!」

 

 メグちゃんの指示の元、ルイとサラちゃんが飛んでいった。よし、私たちも行くぞ!!私は基地内へと走った。






 アメリカ合衆国某所 エリア51内部


 私は寂れたドアを開け、長く続く階段を駆け降りる。ここには誰もいない。上はあんなに賑やかなのに・・・


 そして下に降りきると、そこにドアがあった。これはエレベータ?ドアが開き、ジャックが操作するとエレベータは動きだした。


 しばらく降りるとエレベータの窓の外にやたらと広い空間が見えた。大きなドームの中心にまた丸い部屋みたいのが見える。


 「ここは何?」


 僅かに時間がある、私はジャックに質問した。


 「あの設備か?あそこは60年代の宇宙開発競争が盛んな時期に作られた実験施設だ。この地球上に擬似的な宇宙空間を発生させて、宇宙空間での身体への影響やら新型の宇宙服の開発なんかを目的に作られた。が、70年代に入りやがてソ連が解体されるとここの施設もお役御免だ。機能停止しようにも止めるだけで莫大な金額がかかる。その結果設備維持に金のかかる金食い虫の施設になっちまってんのさ。


 そういやさっき通信で聴いたがあんたら、ここを使いたいつってあの娘さんどもを寄越したと聞いたぞ?それこそこんな施設何に使う気だ?」


 答えは返ってきたが、逆に質問された。


 「私も分からないわ、ニードトゥノウですって」


 ここに用があって来た?宇宙空間については聞いた事がある。この空の上の更に先にある空間の事。そこには空気が無くて・・・空気?まさかね・・・


 私は一つの予測を立てた。けどここから先に予測をしたらダメだとすぐに直感した。ここは要、作戦をアイツに予測させるのもダメ。


 「あんたも聞いてないのか、何なんだ?ま、ここはあんまり関係無いな。もうすぐ到着だ、行くぞ。目標地点はこの先だ」


 程なくして窓の景色は壁になり、エレベータは停止した。


 そしてとあるドアの前に辿り着いた。戦闘機があるにしては普通のサイズのドアだな。


 XF-7 HANGER


 ドアの上にはそう書かれている。この先には人がいるみたいだ。中から色々な音がする


 「聞いた事ない名前だ・・・」


 ジャックは眉間に皺を寄せた。


 「あんたも何も知らされて無いの?」


 「あぁ、あんたらと同じニードトゥノウだ。ここでの俺の主な役割は防空。敵機侵入時の撃墜、それ以外の詮索は禁止だ。まぁ、個人的に呼び出されて別任務にあたる事もあるがな」


 ジャックはドアのパネルを操作した。何か色んな事してこねこねやったらやっとドアが開いた。


 「え・・・何これ」

 

 「流石にこれは俺も予想外だ・・・リチャードの野郎なんてもんを・・・」


 私とジャックは口をあんぐりと開けた。


 ・


 ・

 

 ・


 道山恵


 「うっしゃらああっ!!!20ミリ機関砲くらいやがれぇぇっ!!」


 あたしはそこら辺に転がってた機関砲を拝借して空に飛んでるあの乳デカおかっぱ頭に向かって撃った。けどあの野郎、ちょこまかと避けやがる。四騎士だかなんだか知らねーけど、避けんじゃねーよ。


 けど避けるって事は当たったらダメージが行くって事だよな?つーことは当たっても豆粒みてーに摘んでくる三上とかよりも圧倒的に雑魚って事だっての。


 「やぁぁっ!!!」


 そしてその上空にはもう2人、1人は当たると超大爆発する槍みてーなのを持って騎士に向かう。そしてもう1人、あたしよりよ小せぇ奴は・・・


 「フレイム!!アロー!!」


 必殺技みたいのを叫びながら炎で出来た弓を引いて炎の矢を放ってる。いやどうなってんだっての?あたしも一応覚醒者だけどさ、あんな器用に炎を扱う奴は聞いた事ねーぞ?


 「アポカリプスの弓!!」


 そしてあの騎士の弓矢を相殺してやがる。あのガキなんつー威力の矢を放ってんだ?見た感じあの騎士の野郎の力も相当だぜ?もしかして四騎士って弱い?


 「ほらほらどうしたの?防戦一方じゃない。そんな弓矢ごときで私たちを倒せると思った?そろそろ味方機も上がってくるわ。あなたが攻撃仕掛けたのは世界最強の軍のいる所よ?私程度で手間取ってるんじゃ、四騎士ってのもたいした事ないのね」


 ルイの奴はちょいちょいと騎士を煽ってやった。


 「様子を見ていたのだ。そして判断した。戦力になり得る者はお前とその子どもだけであるとな・・・私の支配の前に、後は取るに足らぬ存在だとな・・・」


 あの野郎・・・あたしの事を雑魚って言いてぇのか?


 「支配?何?私とサラちゃんをあんたらんとこに引き込もうって?何ふざけた事言ってんのよ!!」


 ルイは一気に詰め寄ってその槍で攻撃を仕掛けた。騎士は背からエネルギーで出来た鏃みたいな剣っぽいのを持って攻撃を退ける。


 「ちかくでたたかうなら!!わたしはうえから!!」


 そして腹立つ事にナイスコンビネーションだ。ルイが近接戦闘に持ち込んだら、その合間を縫うように炎の矢が騎士を襲う。騎士は左手にも鏃を持ってそれを防ぐ。


 「アポカリプスの弓、収束式!!」


 だが、見越したかのように騎士は両手を広げると2人を囲むように大量の弓矢が現れ、中心に向かって放たれた。


 「崩壊の槍!!」


 それに対してルイは細長い針みたいな槍を持って斬り放った。矢は全て弾かれボロボロと崩れる。


 「分散した分威力は落ちるみたいね。それならこの技で叩き落とせるわ。そして、上がって来た!!!」


 私の後ろを轟音が鳴り響く。やっと補給が終わったっての?


 『後は任せろ!!地対空ミサイルぁぁっ!!』


 そして地上部隊の配備も終わってる。無数の地対空ミサイルとか機関砲が騎士を襲い出した。あたしもやるぞ、スティンガーミサイルがある。打ち込んでやるぞ!!





 「絶望とは・・・勝利を目前にした時に襲いかかるものだ・・・教えよう。私は未だ何も支配をせずに戦っていたのだと・・・ここからが支配による戦いだ」


 なんだ・・・この感覚。暗い・・・いや、本当に暗くなってやがる。空に暗雲がいきなり立ち込めた。そして・・・


 ビシャアァァァァッッッ!!!


 凄まじい稲光が空を駆け抜けた。あり得ねぇ・・・雷が落ちてミサイルが落ちるのは分かるけどよ。全部丸ごと、発射台含めて全部一気にぶっ壊された!!!


 「天候を・・・操った?」


 ルイは憶測を呟いた。あたしの頭の中もそう言ってる。これは・・・天候支配・・・


 「そう、支配とは・・・我が思うがままに事が動かせる事・・・天候支配、ティザスター!!!」


 騎士は空に向かって矢を放った。すると、その上から漏斗雲が垂れてきてやがて竜巻になり、空からは無数の巨大な雹が降り注いだ。


 「くっ!!!」

 「あいたたた!!」


 ルイは避けて、サラは当たってるがちょっと痛そうにしてる。けど、これの威力はそんなちゃっちいもんじゃねぇ!!


 《ダメだ!!落ちる!!》

 《制御不能!!》


 せっかく上がって来た味方機がたった数秒で壊滅した。上空に残ってるのはルイとサラだけ・・・


 「くっ!!天使の槍!!!」


 ルイは騎士に向かって槍を投げた。けど、その直前に何かに掴まれて槍は潰された。


 最初は見えなかった・・・けど、次第にその姿を現す。もう1人の支配の騎士・・・この力・・・この力ってまさか!!三上の!!


 「何を驚いている・・・あらゆる支配権は我が手に有り、私は支配の騎士、全てを支配するものだ」


 この野郎、セカンダビリティを全て使えるってのか?さっきは天候、そして今は三上のもう1人の自分の召喚。


 あたしは咄嗟にロケランを担いでぶっ放した。けど、その引き金は引けなかった。あたしの腕が潰されてたんだ。あたしの後ろに回り込んでいやがったさらに別のあの騎士に・・・


 「っがああああああっ!!!」


 あたしはその激痛で叫んだ。他の覚醒者は結構平然としてるが本当は死ぬほど痛いんだ。


 「メグちゃん!!」


 ルイの奴はあたしを庇おうと動いてくれたが、アイツはそんな事を許せるほど隙だらけじゃねぇ・・・食い止められた。


 「どうやら・・・貴様らが戦力になり得るというのも思い過ごしか・・・アポカリプスの弓・・・急襲式」


 騎士の更に上、空を覆いつくさんばかりに広がった弓。それは引き絞られて地面に向けられてる・・・あんなの食らったら基地まるごと吹き飛ぶぞ!?何がある、アレに対抗できる武器は!?

 

 「くっそが!!」


 思いつかねぇ!!核ミサイルぶっぱするぐらいしか対抗手段はねぇぞ!?


 矢が放たれた。あたしにやれる事は被害を僅かに食い止めるくらいしか出来ねぇ・・・


 着弾した。瞬間に矢は炸裂し、衝撃波が広がり瓦礫が飛び散る。あたしに出来るのはせいぜいあたしの半径数メートルに飛んでくる瓦礫を防ぐ事ぐらいだ。あたしは覚醒者の中では目がめっちゃいいから、飛び散る瓦礫程度なら見極められる。


 あたしは鉄パイプを左手に持って全力で振り回した。くそ、右手が治ってねぇからしんどいぜ全く!!







 「ぜぇ・・・ぜぇ・・・」


 管制塔は倒れ、滑走路はボロボロ。空に上がった戦闘機は悉く墜落。ルイもサラも無事ではあるが、この惨状は壊滅と言っていい・・・


 「成る程、そこが坂神桜蘭の言っていた施設か。地上に作られた宇宙空間。それのおかげで奴は輝夜ミツキを見失った」


 矢の着弾地点の下。大きく空いた穴の中に施設がある・・・ミッキーの奴、それを狙ってたっての?あの三上の部屋と同じ空間を・・・そしてその隙を突いて奴に攻撃・・・なら、あそこを壊させる訳にはいかねーじゃねーか!!!

 

 騎士はもう一度矢を番える。


 「だが、それもここまでのようだな・・・爆ぜろ・・・爆裂式」


 使える武器はもうねぇ・・・ここは、この命に変えても死守してやる!!!あたし自身がやってやるっての!!!


 「はっ?」


 あたしは止めようと動いた。けど、その前にとんでもない力で止められた。時が止められたみたいだ・・・全く動けねぇ・・・そんでその直後、気がついたら矢は施設に当たって大爆発を起こした。あの野郎、時をも止めやがるのか!!


 ・


 ・


 ・


 「くっそ!!!」


 あたしはすぐに体勢を立て直したけど、施設はめちゃくちゃになってた・・・けど、あれ?


 「1人・・・だと?」


 ミッキーがいる筈の部屋の中、そこにはおっさん1人が座ってただけだった。


 「よぉ、ここはもうもぬけの殻だぜ?」


 あのおっさんは確か、テレビ局でプロデューサーかなんかやってる奴だよな?セクハラで有名なよ。なんでここにいるんだ?


 「成る程、ここすらダミーという事か・・・ならば貴様に問う。輝夜ミツキは何処にいる?さすれば貴様に欲しいものをくれてやろう」


 あたしにした質問をあのおっさんにした。


 「あのお嬢さんの行く末か・・・そんな悠長な事言ってる余裕があるのかい?ここにいるのは俺1人、騎士さんよぉ、それを意味するのがどう言う意味か分からないか?君らは我々を圧倒的な力でねじ伏せにかかってると思ってるのかもしれんがそうじゃない。そうやって余裕をこいているから、君らはもう大手をかけられている事に気がついていない・・・んがっ!!」


 騎士はあたしの目にも映らない速度でおっさんの前に移動して首を掴んで持ち上げた。


 「ならば早く教えるのが賢明だな・・・貴様こそ悠長に構えてる余裕は無いぞ?この手に僅かに力を込めれば貴様は死ぬのだからな・・・」


 「そうかい、なら教えるとするか・・・その前に欲しいものをくれると言ったな。丁度ここに、とある企画書があってね・・・映像作品なんだが是非とも君のような人に出演して貰いたいと思っていた所なんだ。監督は俺が務めよう・・・タイトルは『爆乳高飛車司令官が雌奴隷に堕ちるまで』だ」


 おいあのクソ変態Pこんな時に何言ってやがる!!ガチで死ぬつもりか!?


 「良かろう・・・」


 「え?」

 「え?」


 私もおっさんもポカンとした。おいおい待て、この流れ・・・奴は騎士、悪魔みてぇなもんだ。つまり奴が教えると言った時点で契約は成立するとかそんな感じか?


 「さぁ、話すが良い・・・さすればお前の望むものが手に入る」


 「ふっ・・・契約成立だ」


 いや逆・・・あのクソ野郎、裏切りやがったのか?


 「お嬢さんの行く末・・・君らは何処から来たのか、見当はついてる。ジュネーブを襲ったのは君らだろ?そしてそこにはまだ君らの戦力がいる。戦争か死か・・・だが、それももう終わりだ。それを止められる者が向かった・・・」


 「貴様・・・戦争の騎士が人間風情に負けると言いたいのか?言葉に力を与える能力は面白いが、それがたった1人で奴を倒せると?」


 「いや、1人じゃない。2人だ・・・それに何を言っているんだ?この世界には彼らを超える人間がいるだろう?神を破りし力を持つ者がな・・・」


 「貴様何を言っている。時間稼ぎのつもりなら契約は破棄するぞ」


 「いやいや、俺は言った筈だ。お嬢さんの行く末はとな・・・輝夜ミツキの行った先とは一言も言っていないぞ?知っているのは神を破る力を持つ者が2人、この世界における最強の戦力は今、四騎士を追い詰め・・・そして、お前もこれから追い込まれる事になる。さぁ、話してやったぞ。次はお前の番だ!!雌堕ちする瞬間を見せてみろ、支配の騎士!!」


 おっさんはニヤリと笑った。


 「成る程、私を愚弄する為だけの時間稼ぎか・・・時間を無駄にしたな・・・契約は破棄だ、死ぬが良い・・・ん?」


 おっさんの首は潰れなかった。代わりに、騎士のその掴んでいた腕が吹っ飛んだ。


 「あんた変態だけど良い時間稼ぎてくれたみたいね・・・おかげでなんとか全員無事のまま救助出来たわ」


 エルメスの野郎の声?何処から?


 「メグちゃん、そこも危ないよ?」


 「あ?んげっ!!!!」


 なんかとんでもない力に掻っ攫われた。そして、騎士からすんごい離された所にあたしはいた。そしてあたしは知った。


 やったのはエルメスだ。けど、こんなの・・・こんなのは聞いてないっての。新型戦闘機とは聞いてたけどよ・・・そいつがこんなパワードスーツみてぇなえっぐい装備だなんてよぉ!!!


 あたしが見たエルメスの姿は、ピタッとしたスーツにヘルメットを被り、その周囲をゴッツイメカやらアーマーが覆っていて、その手にはゴッツイエネルギーで出来た刃を持った槍を携えて、空に立つように飛んでいた。


 「さぁ・・・こっからが反撃開始よサクラ・・・」

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