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人形店 ピノッキオドリーム  作者: 佐藤 敏夫
第一章 ピノッキオドリーム
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エピローグ

 男の子がいた。

 それだけなら特に珍しいことはない。町の人の半分は男だし、ついでに言うならその半分くらいは子供で、残りはみんな子供「だった」人達だ。

 だから、男の子が居るっていうのは極々当たり前のことで、特別珍しいことじゃない。

 でも、珍しいのは男の子が居た場所。

 人形専門店のショーウィンドウの前で、額がガラスにくっつくぐらいにお人形を見つめている男の子というのはちょっと珍しい。

「こんにちは」

「こんにちは」

 私は椅子から降り、店のドアを開けて声を掛ける。すると、彼はちょっぴり恥ずかしそうに頬を掻きながら返事を返してくれた。

 今度は…… 逃げなかった。

「もう…… 用事は、ないんだけどね」

「ふふ、良いんだよ。友達の家に来るのに用事が無くてもさ」

 ちょっとだけ寂しそうに笑う彼に私が笑みを返すと、彼は目を瞬かせてから嬉しそうに頷いた。

「さ、上がってよ」

「うん…… でも、ちょっと待って。おーい、姉ちゃん。早く早く」

 私が店内を案内しようと入口の扉を開けると、彼は振り返り、声をあげて手招きをする。

 視線の先には真っ白な杖を突きながら、ゆっくりと歩いてくる女の子が居た。

 勿論、私は彼女の姿には見覚えがあった。彼女もまた、私に気付くとゆっくりと手を振った。

 私は思わず駆け寄って彼女に抱き着いてしまった。

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