5. そもそも、なぜおばあちゃんが狙われたのか?
ひとしきり騒いだあと、赤ずきんは真面目な顔になった。
「……で、おばあちゃん」
「なんだい?」
「さっきの連中、なんでこの家を狙ったんだろうね?」
おばあちゃんは首をかしげた。
「さあねえ。恨まれるようなことをした覚えはないよ」
「借金は?」
「ないよ」
「誰かと揉めた?」
「ないねえ」
「ネットで炎上したとか?」
「えんじょう? うちは火事になってないよ」
「そういう炎上じゃないんだけど!」
赤ずきんは頭を抱えた。
「いや、普通に考えてさ。何の理由もなく高齢者の家を占拠する? しかも地域ボランティアを名乗って? 倫理観、森に埋めてきたの?」
「わからないねえ。最近は物騒だねえ」
おばあちゃんはクッキーをかじった。
「まあ、警察が調べてくれるだろうさ」
「……うーん」
赤ずきんが考え込んでいると、向かい側でウルフがピタリと手を止めた。
「……いや」
「ん?」
「心当たりなら、ある」
赤ずきんとおばあちゃんが同時に振り向いた。
「「え?」」
ウルフはスマートフォンを取り出した。
「おばあさん。SNS、やってるよな?」
「やってるよ。写真を載せたり、日々の出来事を書いたりね」
「……やっぱり」
赤ずきんの顔がゆっくりと曇る。
「ちょっと待って」
「……」
「なんでウルフが、おばあちゃんのSNSを知ってるの?」
「それは……」
「私のアカウントだけじゃ飽き足らず、親族まで網羅してるの?」
「いや、話を聞いてくれ!」
「なに? 家系図でも作ってんの? 私の親戚を全部フォローして、相関図とか作ってるわけ?」
「作ってない!」
「即答するところが逆に怪しいんだけど!」
ウルフは頭を抱えた。
「違う! 今は事件の話だ!」
「……ふーん。まあ、続けて」
赤ずきんは腕を組んだ。
「ただし、あとで詳しく聞くから」
「……はい」




