episode5 『アンガーマネジメントの基本を思い出して』
episode5
『アンガーマネジメントの基本を思い出して』
[part1]
深夜3:21。
ノーチェはちゃんとした街にたどり着く。
ノーチェ「街や……」
10mは超える防壁に守られた城壁都市。看板にはこう書かれていた。
『ブルーリバー(青い川)』
街の名前。そして看板の隣に大きな扉。その隣に門番2人が……寝ている。
ノーチェ「お前も(ブラック企業の)被害者か……」
何故か同情する彼女。しかし、門番も伊達ではない。気配に察してすぐに体勢を整える。
門番A「誰だ!?」
ノーチェ「あー……えー……森の『ほう』から来ました一般人でーす」
門番B「森?民間人?こんな時間に?……身分証明証は?もしくはギルドカード」
ノーチェ「ギルドカード?」
門番A「へ?」
門番Aは力が抜けたような声を放つ。門番Bは淡々と話を続ける。
門番B「ギルドカードを知らない?……んなわけあるか……!?」
ノーチェは門番に交渉を持ちかける。
ノーチェ「あー、ちょっと木陰で長考していい?(チャッ◯ー使いたいから)」
門番A「木陰?なんで?」
ノーチェ「あー」
門番B「怪しいな!ただの記憶喪失か?それとも……」
門番B「生まれたての魔族だろ?俺は詳しいんだ」
ノーチェ「(違うわボケェ!)」
ノーチェ「(まて?記憶喪失……設定……使えるか!?)」
ノーチェ「コホン」
ノーチェ「あの僕(一人称)、気がついたら森にいて……気がついたら……ここにいて……」
門番A「そうなのか?それは大変だな」
門番B「いや気をつけろよ?魔族が装ってる可能性もある……まず」
門番Bはスキル、《レセプション》を使用する。
ノーチェ
Lv1
HP1
攻撃力1
門番Aはステータスを見て頷く。
門番A「民間人だぞ!?本当だ!」
ノーチェ「(やった!このデマステータス助かる!!てか、そのスキル欲しいな!)」
しかし門番Bはまだ信用していない。
門番B「持ち物チェックするぞ?」
ノーチェ「え?マジで?(飛行機の検査かよ!?)」
門番B「アイテムボックス(異次元空間)を確認する」
ノーチェのアイテムボックス
・高価な青い魔石
門番A「この魔石……この街『ブルーリバー』で生産されてる香料『ブルーレインボー』の原石じゃないか!?確かこの街の名前の起源になった奴だ!」
ノーチェ「は?『ブルー……レインボー』?(また検索内容が増えるだろーが!)」
門番B「何故貴様がそんなモノを?この魔石は民間人が持つ代物じゃないぞ?」
ノーチェ「倒れてた盗賊から拾った」
ノーチェは素直に答える。考えることも面倒くさいからだ。
門番B「盗賊から……?また例の売人がいたのか……」
すると門番Bが門番Aに目配せをする。
門番A「すまないがその石は回収してもらうよ?」
門番Aに魔石を奪われる。
ノーチェ「あ!!?金!!?返せ!!?1000!!」
門番B「1000?」
ノーチェ「うおほぉん!!」
ノーチェはポロっとボロを出した言葉を咳払いで誤魔化す。
魔石は門番Aに奪われてしまった。
ノーチェ「ああっ!!ざけ……!!」
ベコン!!
防壁が嫌な音を立てて少し歪んだ気がした。
ノーチェ「まずい!!」
『魔女様。アンガーマネジメントの基本を思い出して』
ノーチェの脳裏に過去が過る。弟子の声だ。
ノーチェ「アンガーマネジメント……」
怒りと感情に上手に付き合う心理的トレーニング。早い話、怒りによる衝動的行為は発生から6秒で収まり理性が上回る。6秒待てばいい。
ノーチェ「1、2、3、4、5、6……」
ノーチェ「…………」
門番B「どうした?」
ノーチェ「(ほんとだ……収まった)」
むしゃくしゃしてやってしまいそうな行動が鎮まって…………。
ノーチェ「………………」
ノーチェ「…………んなわけあるかぁぁぁぁ!!!!?」
ノーチェ「金ぇぇぇ!!!」
一応、泣き叫んだが街への侵入はクリアした。
episode5
END




