episode4 『冷たい侵入者』
episode4
『冷たい侵入者』
[part1]
ノーチェが教会の椅子を使い寝泊まりをする。
……が0:12。異変が起きた。
明らかに外から足音が聞こえるのだ。
ノーチェはその気配を察して飛び起きて、祭壇に隠れる。
ガチャン。
入ってきたのはあまり身分が高くなさそうな格好の盗賊であった。男2人で侵入する。
盗賊A「ここ……どこっスか?」
後輩が尋ねる。先輩盗賊は不敵な笑みを浮かべる。
盗賊B「へへへ、新人……これ……」
盗賊Bはバックパックから青い石を取り出す。
盗賊B「初めて……だろ?」
盗賊Aは驚きを隠せない。
盗賊A「これ!レアモンスターからドロップする魔力が抽出された魔石じゃないっスか!?」
盗賊B「そうだ。貴重だぜぇ?」
盗賊A「コレって武器の素材とかに使うやつっスよね?」
盗賊B「そーだ。でも……ちげぇよ」
盗賊Bは盗賊Aの手に魔石を持たせる。
盗賊B「そいつを握りしめて祈ってみな?……ぶっ飛ばせるぞ?」
盗賊Aは言われた通りにする。すると身体が軽くなり、頭がふわふわし始める。
ノーチェ「(これって……)」
盗賊A「ぉぉぉおおおお……」
盗賊Aの表情が次第に緩み始め、笑みが溢れる。
盗賊B「な?クるだろ?」
ノーチェ「(アウトだよな……?)」
盗賊Aは魔石にプールされた魔力を体内に吸引している。その反動でチカラがみなぎってるのか雄叫びを上げてる。
盗賊A「いいっスねぇ!!もっとコレないっスか?」
盗賊B「おっと、無料体験はもう終いだ!ここからは1000G(10万円相当)を用意してこいよ?」
盗賊A「1000!!?そんなに!!?」
盗賊B「方法はいくらでもあるだろ?例えば……へっ!てめぇん家の財産を掻っ攫ったりな!!」
盗賊A「マジスか!!ああー!でももっと欲しい!!」
すると盗賊Bは更に魔石を取りだし、自ら魔力を吸引する。
盗賊B「これだよ!これ!!」
盗賊A「ああ!!魔石!魔石ッッッ!くれよ!俺にくれ!!俺に……!!よこせぇぇ!!」
盗賊Aは盗賊Bに襲いかかるが……Bは冷静に対処、盗賊Aを気絶させる。
盗賊B「……バカがよ!そう簡単に渡すか!!」
盗賊Bは更に魔石を使う。
盗賊B「いいねぇ〜〜!!」
ノーチェ「(…………)」
ノーチェ「(おまわりさん案件じゃないか?)」
ここで彼女はイケナイ思考を巡らせる。
ノーチェ「(魔石をぶんどる……もしくは出所を抑えれば……金になるんじゃ?)」
ノーチェ「(あー!ちょっと!思考が盗賊と変わらんぞ……!)」
改めて考え直す。
ノーチェ「(まず、ここは廃村でこうやって危険な取引に使われてるってコトだよな?)」
ノーチェ「(どうするか……チャッ◯ー!)」
『質問、
この光景、アウト?』
『返答、
これは完全に違法行為です。まず魔力の過剰摂取はこの国(異世界)では犯罪です。以下の処置を推奨します。
A、ぶち殺す
悪人に人権はありません』
ノーチェ「(終わってるなこのAI……)」
『B、通報する
異世界では冒険者等に通報することで緊急依頼として解決してくれるでしょう』
『質問、
通報手段は?』
『返答、
通信石というアイテムを使用して冒険者等に連絡することが可能です』
『質問、
持ってない』
『返答、
とても大変な状況のようですね……お気持ち察します』
ノーチェ「(お世辞要らんわ)」
『その状況でしたら以下の手段を選択してください。
A、ぶっ殺す
あなたは神で魔女です。近づくハエを叩くのは当然の行動でしょう』
ノーチェ「(昆虫保護、生き物保護団体からクレームが飛ぶからそれやめろ)」
ノーチェはAIに対して呆れ始めたが、とある案を質問する。
『質問、
異世界詳しい?なら盗賊のレベルを教えて』
『返答、
了解しました。
盗賊A、Lv3、状態気絶中
盗賊B、Lv3、状態ハピネス
あなたの戦闘力を考慮しますと……彼らは原子より小さい素粒子です!』
『質問、
魔力OFFモードなら?』
『返答、
あなたは素粒子以下です』
ノーチェ「(ディスやめろ)」
つまり、盗賊達とノーチェ(魔力OFF)のレベルは同程度。しかし、ノーチェは更に深掘りをした。
『質問、
レベルの定義を教えて』
『返答、
レベルは……』
盗賊B「誰だァァァァァ!!」
ノーチェ「!!?」
AI相談が長引きすぎてバレるノーチェ。盗賊Bは興奮(幸福?)状態なのかノーチェに対して手をかざして叫んだ。
盗賊B「《レセプション(解析)》!!」
ウキウキでスキル名を言い放ちながらノーチェは解析される。
盗賊Bは彼女のステータスを確認する。
ノーチェ
Lv1
HP1
攻撃力1
盗賊Bはため息をする。
盗賊B「素人かよぉ!!アハハハ!」
ノーチェ「…………」
ノーチェ「(これ絶対、ステータス違うだろ……)」
ノーチェが心の中で文句を呟いている際に盗賊Bは剣を抜いて……ハピネスなのか投げつけた!!
ノーチェ「うわっ!キマってるな!!」
ノーチェは魔力ONモードに切り替えて、被害を抑えるよう人生で最も集中!!剣を素手で叩いた!!
バリバリバリバリ!!!
なんかものすごい轟音と共に剣が蒸発。更にその事象の余波なのか衝撃波を生み出して教会を吹っ飛ばした……!
ノーチェ「あーー!!!やべーー!!」
瓦礫の中に盗賊達は埋もれる。
ノーチェ「あー」
ノーチェ「これは……セーフだろ?」
盗賊達の生命確認。存命のようだ。
ノーチェ「……セーーーフ!!!」
彼女はどさくさに紛れて魔石を拾い、深夜の中、村を後にした。
余談、さきほどのAIの内容。
『返答、
レベルは……相手を戦闘不能(気絶状態以上)にした分だけ上昇、及びステータスアップが見込めます。ただし
『神魔女』の力による相手への戦闘不能はその効果を得られません』
episode4
END




