episode16『メンティラ』
episode16
『メンティラ』
[part1]
ムツキの依頼見学後は再び彼女が宿代をタダにしてくれてノーチェはご満悦。
9:25。水だけ頼んでカウンター席でたむろしていると。
ガチャン。
15歳ぐらいのロングコートを着込んだ少女が入店。フードを被ってる。髪の毛は澄んだ青。瞳は宝石のような虹色で美しい。
少女「やあ」
店員「いらっしゃいませー」
少女はカウンターテーブルに座る。すると冒険者が「50G」!「100G」!とお金を少女のテーブルに置く。
少女「50Gありがとー!100G!!?あ、ありがとう!」
冒険者「メンティラちゃん小柄でかわいいからほら!200G!」
メンティラ「200G頂きました!やったー!」
ノーチェの目が点になる。
ノーチェ「なんだこれは……[削除済]とかか?」
彼女が首を傾げていると冒険者達が。
冒険者「……そうか……その方法なら……!」
とかひたすらメモをしている冒険者とか、様子がおかしい。
冒険者「俺も教えてくれ!500G」
メンティラ「ご、ごひゃくG!!?いいのー??」
冒険者「情報は金!だよな?」
メンティラ「まあ、貰うなら貰う……ありがとー!」
メンティラは目をつぶり念じる。
メンティラ「はい情報送信したよー」
冒険者「ありがとう!俺の好きな子の趣味や特技、タイプ、潔癖症などから予測してうまく告白してみるよ!」
メンティラ「がんばってー!おにーさん!」
冒険者「あいよ!」
ギルドホール『AO』で知られている変わった情報屋の女の子だ。情報の記憶を相手に植え付けることができるらしい。
ノーチェ「(1日いくら稼いでるんだこの子は)
と思いつつ水だけ頼んで飲むノーチェ。
ノーチェ「(僕も『100G!?スパチャありがとー!!』……みたいな活動をやれば稼げるのか……?でも有名人になりたくないしなぁ)」
ノーチェは頬杖付きながらメンティラを見つめる。彼女は気づく。何か得体のしれない違和感に。
ノーチェ「(コイツ……どこか『ぎこちない』というか、自然すぎて逆に違和感だ)」
ノーチェ「(どちらかというとこの属性は『僕達側』……つまり)」
ノーチェ「(魔族だ。それも上位の……)」
ここでノーチェ。ある思考がよぎる。
ノーチェ「(ミッシングの正体が魔族にバレたとか!!?めんどくさいなぁ!)」
するとメンティラとノーチェ、目が合ってしまう。
メンティラ「魔法使いさん……何か悩みは?」
ノーチェ「金」
即答。
メンティラは笑顔を作る。
メンティラ「それは……日銭を稼ぐしかないんじゃないかしら……」
ノーチェ「それができたら……いや、『その結果(過去のブラック職)』が……もういいや」
メンティラ「…………」
ノーチェ「…………」
ノーチェ「(……バレてない?ふつー魔力検知とかでバレない?あ!レベル5って認識されてるから!?)」
メンティラ「あなた……変……」
ノーチェは空になった水を飲む(←!?)。するとメンティラはノーチェを外に招いた。
メンティラ「えーちょっとー?」
ノーチェ「んー?」
すごくわざとらしく不思議そうな顔をしてごまかすノーチェ。
ギルドホールから離れて近場の公園まで2人は移動する。
メンティラ「…………」
メンティラは黙っている。先程より表情が堅い。ノーチェは言い訳語録作成中。
公園のぐにゃぐにゃベンチに座る2人。
メンティラ「……ねぇ?」
ノーチェ「んー?(←まだわざとらしい)」
メンティラ「あなた……?」
メンティラ「魔族……でしょ?」
ノーチェ「(…………?)」
ノーチェ「(………………え?)」
ノーチェ「(……………………違うんだけど)」
ノーチェ「え?なんで?なんか……根拠……とか?」
会話がぎこちない。
メンティラ「《レセプション》で解析……(解析中)レベル5……?でも……なんか……変」
ノーチェ「変?あーなんかーよくー言われるー(棒)」
ノーチェはその場しのぎを続ける。メンティラは服装をジロジロ確認。
メンティラ「レベル5?その格好で?……その服ってどこで購入したのかしら?」
ノーチェ言い訳タイム。
ノーチェ「……ユニ◯ロで(←嘘)……あ゙!いや違っ!あああ!えーっと雑貨屋で……」
服と身体は生成できることを全力で伏せるノーチェ。
メンティラ「ふーん」
メンティラ「直系幹部……別の……組織……?」
ノーチェ「幹部?組織?……え?組?」
ノーチェ「(なに?魔族ってヤクザなの?)」
ノーチェ「(え、今、現状……用は「ワレェ!どこの組や!?名前言うてみい!!」状態ってコト?)」
メンティラは長考する。
メンティラ「……ワンウェイ・アロー(使い捨ての矢)……」
ノーチェ「は?」
ノーチェ「(ワンウェイ・アロー?ナニソレ?メッチャチャッ◯ーに聞きたい!)」
ノーチェ「え?知らん……」
メンティラ「そっか、(ボスから)伝わってないんだ……」
ノーチェ「ん……?」
メンティラは笑みを浮かべて更に口を開いた。
メンティラ「どこの所属くらいかは聞きたいけど、人通りが多いから……とりあえず挨拶代わりに言うけど」
メンティラは近づき、鋭い目つきになる。
メンティラ「『私達の領域』を荒らすことは考えないこと……ね」
するとメンティラは再び笑顔になり、手を振って別れる。
ノーチェ「『領域』……私達の……?」
ノーチェは公園でひとりぼっちになったのでチャッ◯ーを使った。結果……。
ノーチェ「ワンウェイ・アロー(使い捨ての矢)……って鉄砲玉やないか!!?しかも領域ってシマやん!!?」
ノーチェ「っぱ魔族って『その筋』の人かよ!?」
ノーチェ「ってことは確実にブルーリバー(街の名前)で問題起こしたら……的にされるぞ!?」
ノーチェ「しかも僕はなぜかカタギ扱いされてないし!」
[part2]
現状
・所持金19G→18G(AO場代)(借金1020G)
・武器は剣だけ
・アイテムボックスは必要最低限
・Lv5
HP3
攻撃力1+1(武器攻撃力)
・冒険者ランクE(最低)
17:42、夕暮れの公園。
ノーチェはぐにゃぐにゃベンチで黄昏ていた。
ノーチェ「金がない……」
切なく嘆く。
ノーチェ「宿代は免除されて10G……つまり、泊まれる回数は1回のみ……」
ノーチェは頭を抱える。
ノーチェ「ソロじゃなかったらもっと金が増えたのか……」
しかし、集団ギルドへ加盟する気はさらさらない。
ノーチェ「うーむ……」
すると後ろから少女が……。
少女「まだいるの?」
聞いたことある少女の声。ノーチェはすぐに振り返った。
ノーチェ「メンティラ……?」
メンティラは紙パックのコーヒー牛乳を飲んでいる。
メンティラ「その様子だと、あまり昇進できてないみたいね……」
ノーチェ「(まだ、その筋扱いかよ……)」
メンティラは続ける。
メンティラ「私の組織も……結局、現状維持……」
ノーチェ「……?」
メンティラ「この前の遺跡のレジャー化も……あの現象がある限り繁盛の未来はない」
ノーチェ「ん?(遺跡?……レジャー化?……現象?……ミッシング?)」
メンティラはコーヒー牛乳のストローを口にくわえながら喋る。
メンティラ「……5000G」
ノーチェ「は?」
メンティラ「5000Gでビジネスしない?」
ノーチェ「……ビジネスー?」
ノーチェはイマイチよくわかってない。
メンティラ「私達だけで情報共有させるってこと」
ノーチェ「……それって」
ノーチェ「(5分の杯!!?)」
episode16
END




