episode14 『ノーチェ。ダンジョン前にて、テント設営』
episode14
『ノーチェ。ダンジョン前にて、テント設営』
[part1]
草原の下にて、
ノーチェ、ペコペコッ!
ノーチェ「ごめん!悪気はない!ない!ない!」
ムツキは出来事の情報量が多すぎて若干フリーズしてる。
ムツキ「あー……一応、風魔法があるから転落に関しては大丈夫だけど……」
ノーチェは頭の中でぐるぐると思考が巡る。
ノーチェ「(そうだった!過去世界では散歩レベルの移動も速度マッハいってたわ!!)」
ノーチェ「(これ、完全に嫌われた!?)」
ノーチェはチラチラとムツキの様子を伺うが……。
ムツキ「……確かに『魔女』と一部の『魔族』は飛べるけどー……ちょっとこれは初めて……」
ノーチェ「ごめん!今までの出来事……全部忘れてくれ!!?」
さすがに大事ならないように保身に走り、縁を切って逃亡するつもりだったが。
ムツキ「待って!」
ノーチェ「!?」
ムツキ「うーん、固有スキルでもレアスキルってあるからねー……」
ムツキはノーチェに近づく。
ムツキ「『ちゃんと力をコントロール』できるならと……『行き帰りを運んで』くれたら……」
ムツキ「……内緒にするよ」
ノーチェは唖然とする。
ノーチェ「ま、マジ?」
ムツキ「うん。だって低レベル、低ランクで責任重大な依頼、したくないでしょー?」
ノーチェ「うん!ない!」
即答。
ムツキ「それじゃ約束守りながら……運んで……?『落とさないでねー?』」
ノーチェ「がんばる!」
[part2]
今度はゆっくり舞い上がり、全神経を集中して時速50km程で空を泳ぐ。ムツキは初めての経験すぎてめちゃくちゃ盛り上がってる。
ムツキ「すご!すっご!!ノーチェちゃん!すごいねぇ〜!」
貴重な『チート無双すげぇ!』なはずなのにノーチェは……自分の事ばかり考えてる。
ノーチェ「(コントロール……コントロール……コントロール!……コントロール!!)」
幸いムツキの徒歩ルート(人がいないルート)をなぞるように行動したため、地上の被害は少なかった(木の葉が少し落ちた気が?)
そして約10分で目的地へ到着。
ゆっくり着陸。場所は暗い森林地帯に大きな石像物が山積みになっている。ムツキは地図を確認し、指を指す。
ムツキ「あそこが目的地。あの建物の地下がダンジョンなの。今、10時すぎだからもう探索しちゃうね〜」
ノーチェ「僕は?」
ムツキ「……アイテムボックス(異空間)にアウトドアセット(テントやグッズ、最低限の食料)、持ってるよね?」
ノーチェ「持ってる」
ムツキ「OK。じゃあここでテント設営してー……1日ぐらい待機してて?その間にダンジョン攻略するからー?」
ノーチェは借りてきた猫の様にそわそわする。
ノーチェ「え?僕、待機?」
ムツキ「うん。危ないからね……あー緊急用のコレ持っててー」
ムツキから渡されたのは……短剣と複数の爆弾。
ノーチェ「コレ……?」
ムツキ「まーこの森の魔物は弱いから大丈夫だと思うケド……念の為にねー……あ!どうしてもヤバかったら飛行能力で逃亡してるいいよ!ノーチェちゃんは依頼じゃなくて付き添いだし!」
そう言うとムツキは杖を手にして遺跡の地下へと潜っている。
ムツキ「またねー!」
ノーチェ「…………」
ノーチェ「…………初めての……ダンジョン前での……キャンプか……」
episode14
END




