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episode12 『ここ、成り上がりの分岐点?』

episode12

『ここ、成り上がりの分岐点?』



[part1]


21:21。淡い金色のロングヘアー、青いローブを着込んだ17歳程(実年齢成人)のエルフ少女、ムツキはハイボールと唐揚げを頼んで……饒舌になっていた。


ムツキ「Aぇーランクでもね〜〜メイジ(魔法職)は金!金かかるんだよ〜?私ソロだし〜〜ん〜?スキル……そう!スキル本!!とにかくスキル本を!呪文を!記憶しないと……魔法が使えないから〜〜!!うん!!忘れちゃうとまた本読み直し〜だから〜!!」


ノーチェ「あー」


ムツキの発言はタメにもなるがもう酔っ払い絡まれたも同然状態のノーチェはやや引き気味。


ムツキ「新人ちゃん(ノーチェのこと)!!そーやって形から入るのもだいじ!!でも金はもっとだいじ!!だから!メイジ〜〜は金!!金がチカラ!!」


ジョッキをあおりながらノーチェを巻き込み、説教を始める。


ノーチェ「あー……ッスねー」


ノーチェは半ば面倒くさくなってきたが、この機会故に情報を探り入れる。


ノーチェ「その……スキル本とかって格安の店ってない……?」


ムツキ「ダメーーー!!中古は読めたモンじゃないよーー!!中古店はさぁ〜!」


ここでノーチェが話を遮って別の質問をする。


ノーチェ「んじゃぁ冒険者初心者がなるべく楽に稼げる方法ってない?」


ムツキは唐揚げを頬張る。


ムツキ「ない!!」


彼女はハッキリ断言する。


ムツキ「金を増やしたきゃ!金を持たないと!!それができないなら!!時間を使って地道に稼ぐ!!こぉれが秩序!自然の摂理!!」


ノーチェ「マジかよ……」


ノーチェは頭が沸騰する勢いで思考する。多分、外なる神とかと戦っていた時より彼女は頭を使っていた。


ノーチェ「(僕はふかふかのベッドでゴロゴロしながら美味しいごはんや娯楽が降ってくるような生活をしたいんだ!いわばスローライフ!)」


ノーチェ「(どうすれば!今ここで有益な情報を掴めるか!?)」



ノーチェ!考える!


ノーチェ「討伐依頼って何でどこでするの?」


ムツキ「あーここから10km離れた森奥に遺跡……まーダンジョン!そこんとこの遺跡の魔物全て駆除!ソレを1人でやる!」


ノーチェ「10km?移動込みで1日以上……依頼終了まで3日ぐらいかからないか?なんか……その……ファストトラベル……いやテレポート的な転送魔法とかは?」


ムツキ「そんなのファンタジー小説しかないって〜〜!!?馬車か徒歩だけ!今回安くしたいから徒歩で行くの!」


ノーチェ「え?」


ノーチェは水入りコップを持ったまま硬直する。ムツキは続ける。


ムツキ「あーでも……ま」


ムツキの発言を無視してノーチェはドーパミン的な脳内物質(だと思ってるもの)が大量発生する。


ノーチェ「(この世界……)」


ノーチェ「(交通面のインフラが終わってるッ!!?)」


ノーチェ「(つまり……)」


ノーチェ「(空を飛べる僕は……最強!?)」


純魔法には飛行能力も備わっている。しかし、この異世界にはない。


ノーチェ「(キタ!キタんじゃね!!?

これチート無双!!?キタんじゃね!!?)」


ノーチェはテンションポイント(だと思ってるもの)がMAX状態になる。


ノーチェは席を立つ!……しかし、やはり人目に目立ちたくないのでムツキに近づき……。


ノーチェ「(小声で)僕!何故か飛べるスキル持ってるんで……報酬いらないから……依頼見学でき……ない?」


ノーチェは大事なことを忘れている。


『今まで純魔法使用には必ずどこかしら被害が発生していたことを』


そして……。


ノーチェ「あ゙っ!!!」


今、ソレを気づいてしまった。

今さら後悔しても……もう遅い。



episode12

END

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