episode11 『ブルレジャンキー』
episode11
『ブルレジャンキー』
[part1]
現状と難題
・宿屋レビューで20G獲得(尚、雑誌には……)
・所持金20Gのみ(残り返済額1000G)
・冒険者レベル5(ただしステータス解析スキルがない為不明)
・1ヶ月以内に返済しなければならない為、採集依頼など低報酬依頼は厳しい
・かといって討伐依頼は冒険者ランクEの為、受注不可
・未来への金が必要なのに金を増やす金がない……
ノーチェは城壁都市『ブルーリバー』の主要都市にある公共の図書館に居座ってる。なぜなら無料だからだ。ちなみにスキル本は法律上置かれてない。ちなみに……本は読んでない。頬杖をついてグダグダしてる。
周りの客層は……身分は低い。所々新米冒険者も座って本を読んでいる。同族かもしれない。
無料で飲めるコーヒーマシンの恋人になってしまったノーチェ。コーヒーは不味い……でも無料だから許す彼女。
ノーチェ「今日の寝所どうするかな」
公園のベンチは無理だ。グニャグニャの板であれは福祉殺しだ。かといって公共の場所(公園)ではテントなどの設営は禁止されてる。野外ならOKだがテントも消耗品なので使いたくない。
そうこう彼女が思っている内に18:00を迎え図書館から追い出された。とぼとぼと街中を歩いていると若い女の子達がペチャクチャ話している。ノーチェは聞き耳をする。
少女「あっブルレない!ミキ!持ってる?」
ミキ「あーマジかー無いやぁ」
少女「じゃあ、これから買いに行くわ」
ミキ「んじゃアタシも」
ノーチェ「ブルレ……?ソシャゲ?」
?マークをついているノーチェだが若い女の子達は街中の雑貨屋に入店。ノーチェもついていくと。
青い液体が充填されたポケットサイズの香水が陳列されている。名前は『ブルーレインボー』。
ノーチェ「(これアレだ!これの原石が[削除済]のやつだろ?)」
効能を確認すると幸せの匂いを感じ取ることができるらしい……と見つめていたら次々とお客さんがその香料を手に取る。値札を確認すると……。
ノーチェ「1G……安!?」
ノーチェ、即買いッ!
残金19G
さっそく裏路地で香水を開けて香りを嗅ぐ。
ふわぁ〜ぐにゃ〜ん。
ノーチェ「気持ちいい〜」
浮遊感と幸福感がミックスに襲ってくる。一応香料に説明書きがあり、人体には影響はないのこと。ちゃんと商品用に改良された安全な物だ。
ノーチェ「幸せを感じるぜ……」
ノーチェは思う。これを全ての人類に配布すれば世界平和になるのでは?
しかし、リアルが襲ってくる。
ノーチェ「あ、金……減った……1G」
ノーチェ「まー必要経費だし」
[part2]
20:14。
24時間コンビニ状態のギルドホール『AO』の酒場へGO。場代の1Gを払い、カウンター席で水だけ頼み居座る。店員からすれば客の回転率が落ちるがしょうがない。ルールなのだから。
しかし、困ったことがある。
ノーチェ「(時間を潰すアイテムがない……!)」
チャッ◯ーとか使いたいが店内は満席の為、無理。かといって右往左往している店員に話しかけるのも気まずい。
ノーチェ「(ここで伏せ寝したら客はどう思うのだろうか……)」
ノーチェ「(知らんがな!)」
堂々とテーブルに顔をつけるノーチェ。すると。
「魔女ちゃーん!大丈夫〜?」
隣席の17歳ぐらいの少女がノーチェの三角帽子をベタベタ触る。ノーチェはすぐに(内心イラつきながら)顔を起こし少女の方を向く。
ノーチェ「あーだいじょ……」
ノーチェは驚愕する。その少女は耳がやけに長い亜人で服装は魔導士のような青いローブを着込んでいたが問題はそこじゃない。テーブルにビールが置かれており、なんと香水の『ブルーレインボー』をビールにドバドバかけ始めたからだ。
ノーチェ「え!?ちょ!!?」
グビィィィ!!
勢いよくグラスを口に突っ込み、豪快にビールを流し込む。グラスの半分が空になるぐらい。
少女「うっめぇぇぇぇーー!!」
ノーチェはドン引きしながら質問する。
ノーチェ「『ブルーレインボー』って食用可能……だっけ?」
少女は新しい青い香水『ブルーレインボー』を取り出し、ノーチェに説明分を見せる。
少女「『食用可』!!ほら!?書いてあるよ!!?」
ノーチェは文字を見つめると確かに……記載されていた。
ノーチェ「あ、ほんとだ」
少女「ってコトでもう一杯!!」
更にビールに追い『ブルーレインボー』をする。
ノーチェ「(イカれてやがる……)」←人のこといえない
そしてビールは消滅(完飲)した。その光景を店員が見つめて少し微笑む。
店員「ムツキちゃん?明日討伐依頼あるんだから〜お酒はほどほどにね〜」
ノーチェ「(討伐依頼?それに魔法使いのような格好と耳の長さ……)」
ノーチェ「(エルフ?)」
ムツキと言われた少女はグラスをダンッと叩きつける。
ムツキ「いやいや〜!飲まなきゃやってられないよ〜!!」
それに対して周りの冒険者がぼそッと呟く。
冒険者「さすが……『ブルレジャンキー』の成人女性だ……」
ノーチェ「成人?」
目の前にいる少女は成人しているらしい。
店員「あなたもAランクなんだからもっとしっかりしなさい?」
ノーチェ「(A!?冒険者ランク!?)」
ムツキは無邪気に笑みを浮かべてそして呟く。
ムツキ「ゲン担ぎ!ゲン担ぎ!!てんちょー!もう一杯!!」
店長はやれやれと思いながら店員に指示する。
ノーチェ「………………」
ノーチェは高速思考をする。
ノーチェ「(冒険者ランクA、ブルレジャンキー、魔法使い、酒カス、エルフ……)」
ノーチェ「(つまり……)」
ノーチェ「(金持ち!!!)」
ノーチェ「(金になる木が手足を生やしてやってきた!!?)」
ノーチェが興奮しているとムツキはノーチェの容姿を吟味し始めた。
ムツキ「三角帽子、高価な可愛らしいローブ、白髪、ルビーのような瞳……」
ムツキは席から立ち上がる。
ムツキ「魔女だ!!金になる木がやってきた!!」
ノーチェ「…………」
ノーチェは気まずそうに呟く。
ノーチェ「金……ないっス」
ムツキはノーチェの話を聞かずに酔った勢いで叫ぶ。
ムツキ「《レセプション(解析)》!!」
ノーチェ
Lv5
HP3(Lv×0.5端数切り上げ)
攻撃力1(Lv×0.2端数切り上げ)+武器攻撃力1
ノーチェはステータスを確認して目を見開いた。
ノーチェ「(あれ、僕のステータス……低くない?)」
ムツキは……酔いが……さめた。
ムツキ「…………私、酔ってたみたい……」
ノーチェ「…………」
ムツキ「ごめんね〜」
ノーチェ「…………」
ノーチェ「(ごめんね……じゃない!!)」
episode11
END




