出発前日
朝起きると生まれた姿のミラが寝ていた。
おっ俺、とうとう卒業したのか。
俺は昨日の夜の事を思い出す。
昨日は、ついて来てくれる。ずっと俺のそばにいる。と言ってくれて本当に嬉しかった。
そういえば、俺は好きって言っていなかったな。
「んっん。ふぅわぁ。」
ミラが起きた。
「おはようミラ。昨日言い忘れてたけど、俺も好きだよ。」
いつもの敬語じゃないのは本当の意味でミラと分かり合えたからなのだろう。
ミラは顔を真っ赤にして
「おはようございます。私もですよ。」
俺たちはおはようのキスをした。
まあ、よくよく考えると昨日の事はすごく恥ずかしく思えてきた。
ミラがあんな事までしてくれるなんてなぁ。
人は見かけによらないんだなぁ。
この体験でそれを俺は教えられた。
俺とミラは、下のロビーで朝食をとり明日に備えてルース街の市場に向かった。
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ルース街
お、俺は今とても幸せな時間を過ごしている。
ミラが俺の腕に抱き付いていてまさに恋人の様な…いやもう恋人だから恋人らしいと言ったほうがいいだろう。
昨日の今日でラブラブな二人だった。
しばらく歩いていると目的の品がある店に着いた。
そこはただの雑貨屋で売られているのも普通のがほとんどだ。
だが、ここにはこの街のどこを探しても見つからない万能な薬《秘薬》を扱っているのだ。
残念なことに俺は回復魔法が使えない。
本をいくつも探したが未だに見つからないのだ。
だからと言って市販の回復薬じゃ俺には効き目がないに等しい。
そこで秘薬というわけだ。
そういえば、召喚魔法の本も見つかっていないな。
別に本でなくていいのだが召喚魔法は、調教師しか使えない為そう滅多にお目にかかれない。
欲しい魔法がありすぎて困る。
そんな事を考えながら店の中に入る。
「いらっしゃいませ。」
「すみません。」
「はい、なんでしょう?」
「秘薬は、今いくつありますか?」
「在庫はまだいくつかあります。が、」
「ん?」
「お金の方はぁ…。」
俺は肩にかけているポーチから大金が入った袋を出す。
「全部で5千万ルーン入っている。これでいくつ買える?」
店員がカウンターから離れて在庫を確認しに行った。
2分後くらいにもどてきて在庫の様子を知らせてくれた。
「えっと、今在庫には20本あります。」
「これで全部買えないのか?」
「い、いえ。全部で2千万ルーンです。」
俺は袋から丁度渡す。
「お買い上げありがとうございました。」
さて、ミラは何してんのかな。
店の中にいるミラを探す。
ミラはある商品の前に立っていた。
「ミラ、何見てるの?」
「い、いえ。ただコレが何なのか気になって。」
と言っているが、明らかに欲しそうな顔をしている。
「あ、忘れてたぁ。俺買い忘れていたものがあったんだった。ミラ、先に外に出ていてください。」
我ながら、なんという大根芝居なんだろう。
と思いながらミラを店の外に出す。
「え、ちょっ、カズさん。」
ミラは、どうしたのか?という顔をして店を出て行った。
俺は、ミラが見ていた商品を購入する為に店員のところまで持っていく。
「コレお願いします。」
「彼女さん思いなんですね。」
店員が茶化し顏でそう言ってきた。
聞かれてたのか。
「愛していますから。」
まあ、その後ミラから追求されたのは言うまでもなかった。
そのれからも色々アイテムを買い旅への準備をした。
「そんないっぱいどこに入るんですか?」
当然の疑問だよな。
俺は、今持っているパンを(ポーチ)にしまった。
周りから見たらいきなり消えたように見えるだろう。
ミラも驚いている。
「まさか(アイテムボックス)を持っているなんて。」
(アイテムボックス)?聞いたことないな。
まあ、この際その(アイテムボックス)ってやらという事にしておこう。
「そうなんです。だからいっぱい買っても大丈夫ですよ。」
アイテムボックスというのはどうやらユニークスキルではなく、努力によって発動するスキルらしい。
そんな感じで今日1日が過ぎていった。
カズの日記
今日は、明日の旅に向けアイテムの補充をしに買い物をした。
色々買ったが、きっと旅の役に立つだろう。
アイテムで、一番高かったのは何と言っても秘薬だろう。
金が、腐る程ある俺ならまだしも中級冒険者にはまだ早いだろう。
上級者も買えるか買えないかの値段だ。
なのに俺は20本も買った。
腐る程といっても限界はあるなかなかきつい出費なのは確かだった。
それからミラと昼食をとったり本屋に行って暇つぶしの本を探していたら…
《初級から中級までを教える回復魔法》
という本があった。
お、俺の2千万ルーンが…。
俺はしばらく現実に戻ってこなかった。
そして俺は後悔した。
なぜ本屋に先に行かなかったのか。と…




