表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
転生者の異世界日記  作者: ナガト
第2章 転生者
11/43

捨て子

ミリア目線で話が進みます。

 

 あの出来事から早二年。

私は十九歳になった。

 あの出来事で、兄を、私が好きだった人をなくしてしまった。

あのときから私の心は空っぽのままだ。



 『迷宮ダンジョン化』、私たちが体験したあの事件はそう呼ばれるようになった。

 安易な名前ではあるがそれだからこそ、王国に住む民には恐怖の種が植え付けられた。

 いつどこでどんな条件でそうなるのかまだ知らないことばかりで不安が増していくばかりの王国。

 私の人生は、暗く沈んでいた。

でも、今は新しい街にも慣れそして、私は先生になりました。

 先生と言っても。学校に行くのではなく家で教えるような形で先生をしていた。

 子供たちの笑顔のおかげで最初に比べればずいぶんと良くなっていた。


(あぁ、教師になってよかった。)


昔、

 ミリアは、教え方が上手だ。といつもお母さんたちから褒められてこの職業に興味をもった。

 今も教え子の母親に「先生は教えるのがお上手。」と褒められている。



 今日は、仕事もないので買い物をすることにした。

買い物をしているとやはり思い出してしまう。


 はじめはあの街で兄と二人で買い物をし、しばらくして兄が連れてきた私の憧れの人も加わり三人で買い物をしていたそんな日々。


ミリアは悲しくなり、


(今日は家で休もう。)

と思った。




 買い物からの帰り道。私は何か気持ちを和らげてくれるものはないか探すために森付近に行き、少し遠回りをしていた。

 

(小鳥たちの鳴き声は可愛らしいなぁ。)


 私の気分は、ほんの少しだけ明るくなった。

小鳥の他にも何かいないか探していると……腕で抱きか帰れるくらいの大きさの布があった。


(んっ!布?)


私は、怪しく思い謎の物体近づく。


もぞもぞっ!


(布が動いた!)

ますます怪しく不気味な布。もうよして帰ろうと思ったそのとき。


「うぎゃぁぁ。」


 赤ん坊の鳴き声がした。

場所は、あの不思議な布の中からだ。

ミリアは布をめくった。どうやら捨て子のようだ。

 まだ顔などはフード付きベビー服によって見えないがすぐに捨て子だと分かった。


「かわいそうに。捨てられたのね。家に連れていきましょう。」


 ミリアはそう言うと赤ん坊を抱えた。

その時赤ん坊からフードが外れる。

 ミリアは目を見開き驚く。

 赤ん坊の顔に理由はあった。


 赤ん坊は生後どれくらいだろう。まだ顔は成長と共に変化する。

この赤ん坊の顔は鼻は高くなく、目は黒いまた髪も黒い。


まるで…まるであの人のようだ。


 ミリアは思った。

初めて会って半年しか一緒にいられなかった彼に。

そう、

   笹木和樹に似ていると。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ