軍人への道
クローディアは死んだ。もちろん本当に死んだ分けではない。否、今までの自分を捨てたのだ。否、捨てざる負えなかった。魔剣がそれを望んだのだ。
「!」
「馬鹿女!お前なんかにそれが扱えるわけ……」
クラウスがそう言った瞬間クローディアの目が変わった。
「!?」
魔獣の手が粉々になる。
「ぐあああああ!?」
魔獣の雄叫びが響く。そして、クラウスが宙に浮く。地面に落ちる頃にはななの方の手にクローディアがいた。
ななもあっという間にクローディアによって助けられた。
「まさか、あの馬鹿女に剣が呼応しているのか?!」
ななが地面に落ちる。
「クラウス……!これは?!」
「ああ、あの女、魔剣ゼストに選ばれたんだ!」
「はあっ!!」
クローディアが魔剣を振り下ろすと魔獣は粉々になって消えた。
「はぁはぁ、………………」
クローディアはそこで意識が途絶え、倒れた。次に目が覚めるとベッドの上だった。
「おい!」
「?!」
目の前にクラウスがいた。
「起きたか。」
「あれ、私……、いや、わた、し、は……」
「魔獣を倒したんだ。」
「え、あ、ああ……」
「思い出したか?」
「ああ、思い、出した。私は……」
そこになながやってくる。
「お加減はどう?」
「問題ない、と、思う。」
その話し方はまるでクラウスのようだった。
「?これまでの彼女と話し方が少し……どういうこと?クラウス?」
「こいつはな。魔剣に食われたんだ。」
「食われた?どういうこと?」
「俺もそうだ。魔剣に食われて人格が変わった。強い魔剣を手にすると稀に人格が変わることがある。その魔剣を使いこなせるようになるが、対価として人格は戻らない。」
「……そん、な!」
メイドのアリーが唖然とする。心優しかった彼女はもう居ないといわれたのだ。
「わた、わたしは……」
「クローディア様!どうかしっかりしてくださいませ!」
「…………ああ、分かっている。」
「クローディア様!」
「問題ない。根本的なものが変わるわけではない。そう心配する必要は無いだろう。」
クラウスはそう言った。
「ただ、魔剣をこれからも扱うなら、ここに居るべきだと俺は思う。魔剣は血を求める。そして、血を与える度に魔獣を集めてしまうんだ。」
「…………ま、魔剣……」
クローディアは魔剣を手に大事にもっていた。
「クローディア、どうする?」
「…………わた、私は……」
ゼストを握る手に力がこもる。
「魔剣が魔獣を集めたしまうなら……私はここに残る!!」
「お、お嬢様?!何を仰られているのですか?!帰りましょう!」
「ここにいる。そう決めた。」
「ですが!」
「私は軍人になる!!」
クローディアが軍人になると言ったのは、魔剣使いは軍人扱いだった為である。アリーは必死に帰ろうと訴えたがクローディアの意思が変わることはなかった。その日からクローディアは軍人として、魔剣使いとして働く事になった。




