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魔剣使いの悪役令嬢。  作者: ユキア
序章

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9/21

軍人への道

 クローディアは死んだ。もちろん本当に死んだ分けではない。否、今までの自分を捨てたのだ。否、捨てざる負えなかった。魔剣がそれを望んだのだ。


 「!」


 「馬鹿女!お前なんかにそれが扱えるわけ……」


 クラウスがそう言った瞬間クローディアの目が変わった。


 「!?」


 魔獣の手が粉々になる。


 「ぐあああああ!?」

 魔獣の雄叫びが響く。そして、クラウスが宙に浮く。地面に落ちる頃にはななの方の手にクローディアがいた。


 ななもあっという間にクローディアによって助けられた。


 「まさか、あの馬鹿女に剣が呼応しているのか?!」


 ななが地面に落ちる。


 「クラウス……!これは?!」


 「ああ、あの女、魔剣ゼストに選ばれたんだ!」


 「はあっ!!」


 クローディアが魔剣を振り下ろすと魔獣は粉々になって消えた。


 「はぁはぁ、………………」


 クローディアはそこで意識が途絶え、倒れた。次に目が覚めるとベッドの上だった。


 「おい!」


 「?!」


 目の前にクラウスがいた。


 「起きたか。」


 「あれ、(わたくし)……、いや、わた、し、は……」


 「魔獣を倒したんだ。」


 「え、あ、ああ……」


 「思い出したか?」


 「ああ、思い、出した。私は……」


 そこになながやってくる。


 「お加減はどう?」


 「問題ない、と、思う。」


 その話し方はまるでクラウスのようだった。


 「?これまでの彼女と話し方が少し……どういうこと?クラウス?」


 「こいつはな。魔剣に食われたんだ。」


 「食われた?どういうこと?」


 「俺もそうだ。魔剣に食われて人格が変わった。強い魔剣を手にすると稀に人格が変わることがある。その魔剣を使いこなせるようになるが、対価として人格は戻らない。」


 「……そん、な!」


 メイドのアリーが唖然とする。心優しかった彼女はもう居ないといわれたのだ。


 「わた、わたしは……」


 「クローディア様!どうかしっかりしてくださいませ!」


 「…………ああ、分かっている。」


 「クローディア様!」


 「問題ない。根本的なものが変わるわけではない。そう心配する必要は無いだろう。」


 クラウスはそう言った。


 「ただ、魔剣をこれからも扱うなら、ここに居るべきだと俺は思う。魔剣は血を求める。そして、血を与える度に魔獣を集めてしまうんだ。」


 「…………ま、魔剣……」


 クローディアは魔剣を手に大事にもっていた。


 「クローディア、どうする?」


 「…………わた、私は……」


 ゼストを握る手に力がこもる。


 「魔剣が魔獣を集めたしまうなら……私はここに残る!!」


 「お、お嬢様?!何を仰られているのですか?!帰りましょう!」



 「ここにいる。そう決めた。」


 「ですが!」


 「私は軍人になる!!」


 クローディアが軍人になると言ったのは、魔剣使いは軍人扱いだった為である。アリーは必死に帰ろうと訴えたがクローディアの意思が変わることはなかった。その日からクローディアは軍人として、魔剣使いとして働く事になった。

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