初任務
魔剣使いの宿舎で目が覚める。どこか空虚な感覚がクローディアに駆け巡る。そう、公爵令嬢クローディアは死んだのだ。ここにいるのはただの魔剣使い。
「……」
身支度を整えて宿舎の部屋をでる。
「!」
「馬鹿女。」
「誰が馬鹿女だ。クラウス。」
「その様子だとやはり魔剣に食われているのは確実だな。」
「そうみたいだな。」
「では、行くぞ。」
「どこにだ?」
「お前の初任務だ。」
クラウスについていくクローディア。初任務は辺境の地から少し離れた場所にあった。
「ここは?」
「ここがお前の初任務だ。」
クラウスがそういう中、既に何人かの魔剣使い達が魔獣と戦っていた。1人が魔獣を倒してやって来る。青髪の黄眼の男が来た。
「クラウス!その子が新しい新人?」
「そうだ。」
「可愛いねー。僕はニック!よろしく!」
「「黙れ」」
クローディアとクラウスは息を揃えて言っていた。
「ひえー!息ぴったりだし、クラウスそっくりじゃん!」
「「誰がだ!?」」
「だからそれがだよ。」
「クローディア!」
クラウスが目配せした。
「分かっている。」
クローディアは魔獣の元へと歩きだす。
「さぁて、お手並み拝見と行こうか?」
二ックが魔獣の元へ歩き出すクローディアの背中を見つめる。クローディアが魔剣を握った。
「!」
「?!」
「ふっ、どうだ?見えたか?」
「どうって……」
気がつくと魔獣は粉々になっていた。
「凄いを超えてありえなくない?!」
「あれが新人だ。」
クローディアはその辺にいた魔獣を次々と斬り殺してゆく。
「はあっ!」
「美しい……」
ニックは思わず見とれていた。
「俺たちも行くぞ!」
「ああ!」
魔獣達が全滅するまで約30分かかった。そのほとんどをクローディアとクラウスがになっていた。初任務が終わると、魔剣使い達が新人のクローディアの元に集まった。
「ねぇ!どうやったの?!あの剣技!」
「凄かったよ!」
「是非ともよろしく!」
なんていってクローディアを囲む。
「そこまでにしろ。困っているだろう?」
クラウスがそれを止めた。クローディアは気が抜けて倒れる。それをクラウスが支えた。
「やはりまだまだ力の使い方に慣れてないな。」
こうして初任務は大成功を遂げたクローディアだった。その知らせはウィムにも届く。
「なん、だって?!」
クローディアはベッドの上で目覚めた。
「私は、一体……」
辺りを見回すとクラウスが椅子に座ったまま眠っていた。
「クラウス……」
「!起きたか?どうだ、身体の調子は?」
「身体は問題ない。」
「だといいが……」
「クローディア!」
ウィムがそこに扉をノックもせずに慌てて入ってきていた。
「ウィム、様?」
「クローディア!軍人になるとはどういう事だ!?」
「そのままの意味です。この剣は魔獣の血を求めており、血を与えると魔獣を呼んでしまう。だから私は魔剣使いになることを選んだのです。この運命もウィム様が与えてくださったものです。」
「何を言う!魔剣使いなど許さん!怪我でもしたらどうするつもりだ!?」
「怪我は勲章と同じ。私に怖いものなどありません。それより、私の元に来ていいのですか?ミィディーが怒ります。」
「…………そうだな。お前はもう俺の婚約者ではない。だが!魔剣使いなど認めん!」
「認めていただく必要などありません。私達はもう、別の道を歩き始めたのだから!」
「クローディア!」
「おかえりください、第1王子。」
「!…………わかった。今日の所は一旦引こう。また来る。」
「…………。」
ウィムが帰るとバタンとドアがしまった。
「良かったのか?」
クラウスがクローディアに問う。
「ああ、いいんだ。」
「それより、クラウス。椅子で寝るな。」
「うるさい。」
クラウスは少し不貞腐れた。




