魔剣使い
魔獣に襲われた事によって歌声を失ったクローディア。そんなクローディアを助けたのが魔剣使い達である。この世界には魔獣がいて、人間を襲う。そんな魔獣の魔の手から人間を守るのが魔剣使いである。魔法の代わりに発展したのが魔剣であり、魔剣使いは日々、命をかけて魔獣と戦い、人々を守っている。そんな魔剣使い達に助けて貰ったクローディアだが、魔剣使い達にお礼を言い忘れていたことを思いだす。そして、魔剣使いに辺境の地へと会いに向かった。馬車が道をゆく。
「クローディア様、あまりこの地に来るのは……」
馬車の中でクローディアの前に座っていたメイドは困った顔でそういった。
「分かっているわ。でも……」
そう、クローディアがこの地に来たのにはもう1つ理由があった。
「ゼストが血を求めているの。魔獣の。」
「血を?」
「ええ、魔剣は血を与えた方がより強くなるらしいの。だからせっかく預かっているのですもの。魔獣の血を与えてあげたいと思ったの。」
「なるほど、ですが、ここは……」
「ええ、私が襲われ、歌声を奪われた地。辺境ゼスピア。こんな嫌な地にそこまでして来る必要ないって思ってるのでしょう?」
「……はい。」
「ええ、私もここにはもう来たくなかった。でも、この魔剣とこれを預けてくださったウィム様の為、そして、お礼は言うものだもの!」
「ふふ、そうですね。お嬢様!」
メイドのアリーは生真面目なクローディアの行動に少し笑みがこぼれる。
「ええ!」
こうして、目的地に着くのだが……。
「……また来たのか。」
「ええ、来ました。この前はありがとうございました。」
「気にするな。」
クローディアを助けた男は無愛想にそう言った。すると魔剣使いの宿舎の奥からクローディアを保護した女性が現れた。
「あ!貴方は!」
「!その節はありがとうございました。」
「わざわざ礼を言いに来たそうだ。」
男は無愛想なままである。
「そうなんですね!お元気そうでなによりです!」
「いえ、皆さんのおかげで今こうして生きております。本当にありがとうございました。」
そうお礼を言うクローディア、そんなクローディアの腰にさした魔剣を男が見つけた。
「!それは……?!」
「え、ああ、これですか?魔剣ゼストです。少し魔獣の血をいただけたらと思いまして……」
「構いませんよ。」
「魔剣、ゼスト。だと?」
男の目の色が変わったのが分かった。
「?」
「王家に受け継がれる伝説の魔剣!何故お前が?!」
「こら!クラウス!公爵令嬢をお前だなんて失礼よ!?」
「黙れ!なな!それより女!その魔剣をよく見せろ!」
「クラウスったら……すみません。魔剣の事となると目の色が変わるんです。」
「構いませんよ。どうぞ。」
クローディアは魔剣をクラウスに渡した。
「これが!伝説の魔剣!?素晴らしい!」
クラウスは魔剣を隅々までよく見ていた。納得するまで、見終わるとクラウスは魔獣の血を分けてやると言った。
「本当ですか?ありがとうございます!」
「ああ!こちらこそありがとう。」
「こちらが魔獣の血です。」
ななが魔獣の血を持ってきた。瓶に入ったそれを魔剣に与える。
「!」
魔剣が光りだし、辺りが明るくなった。
「ありがとうございます。では、そろそろ帰……」
クローディアが帰ろうとした時だった。どしんっと音がなり地響きがした。
「来たか……」
「え?」
クラウスが剣を構えて宿舎から飛び出した。
「ぐあああああ!」
「な、何?!」
謎の雄叫びを聞いて外にでるとクラウスが魔獣と戦っていた。
「ま、魔獣?!」
「危ないから離れて!」
なながそういうが時すでに遅し、クローディアの方へと魔獣が足を伸ばして踏みつぶそうとしてきた。
「きゃーー?!」
クローディアの前にクラウスが立つ。魔獣の足は一瞬にして骨へと変わった。
「な、なんて早業!?」
「下がれ、女。」
「……」
「っ!?」
次の瞬間、クラウスが魔獣の手で掴まれる。
「クラウスさん!」
「ぐあっ?!」
「クラウス!」
なながクラウスを助けに行こうとした時だった。ななも魔獣に捕まってしまった。
「きゃー?!」
「ななさん!クラウスさん!」
徐々に2人はいたぶられる。
「ど、どうすれば……」
その時、ゼストが光った。
「!」
助けなきゃ!!クローディアはそう思った。そして魔剣を手に取る。辺りが光に包まれる。
「!」
その瞬間、クローディアは死んだ。




