魔剣ゼスト
目が覚めるとそこはベッドの上だった。
「…………。」
「クローディア!大丈夫?」
「お母様。」
「貴方倒れたのよ?覚えてる?」
「ええ、ミィディーが……」
「ええ、ミィディーが教えてくれたの。」
「…………そうですか。」
クローディアはその日から部屋に引きこもりった。何もせずにただ部屋で塞ぎ込む。そんなある日ウィムが再びやって来た。扉越しにメイドがクローディアに話しかける。
「お嬢様、第1王子がいらっしゃいました。」
「!」
「クローディア!」
扉越しにウィムは話しかけようとすると、いきなり扉が開いた。
「ウィム様!……あ」
「痛いぞ、クローディア。」
扉は外開きになっていたのでウィムは思いっきり頭を扉にぶつけていた。
「申し訳ありません!ウィム様!……今日は、どういったご要件、で?」
「……これをお前に預けようと思う。」
「へ?」
「魔剣ゼストだ。」
「魔剣、ですか?」
クローディアは呆気にとられる。魔剣を預けられると思っていなかったからだ。クローディアは魔剣について詳しい訳でもない。
「何故これを?」
「……お前は公爵から勘当されたらしいな。」
「!か、勘当と、までは……」
クローディアは狼狽えた。
「だからだ。」
「?と、言いますと?」
「お前との婚約は解消され、お前は父から勘当された。そんなお前にこれを私が預けたと言う事実があればいい。」
「……つまり、魔剣を預けられたという功績があれば父もぞんざいには扱わないだろう、と?」
「そうだ。それもあるが……」
「?」
「この魔剣は夫婦魔剣でな。」
「夫婦魔剣?」
「つまり、俺の持つ魔剣グリムとこの魔剣ゼストは1振りを2振りにした、対を為す魔剣なんだ。……婚約者ではなくなったが、これも何かの縁だ。故にお前にこれを預けたいと思う。」
「お心遣いありがとうございます。……ですが、私は、魔剣について詳しくありません。上手く管理できるか……」
「お前が頼まれてくれ。いや、……お前がいいんだ。」
「?」
「お前に持っていてほしいんだよ。それに、これを機にお前が何か行動出来ればと思ってな。」
「ウィム様……ですが……」
「それでは頼んだぞ。クローディア。」
「……はい。」
こうして、魔剣ゼストはクローディアの手に渡ったのである。クローディアは毎日魔剣を磨いた。ある日、自分を救ってくれた魔剣使い達の事が頭を過ぎった。
「ああ、そうだ……」
歌声を奪われて数日経ってしまったがお礼を言うのを忘れていたのだ。
「会いにいかなくちゃ……」
そう思ったクローディアは魔剣使い達に会いに行く事にした。




