婚約者
クローディアには思い慕う相手がいる。それが婚約者の第1王子ウィム・テレサだった。彼は才色兼備で何でもでき、クールで優しい王子だった。黒髪翠眼でイケメンの彼はクローディアの婚約者である。そんな彼は彼女を見つけてしまう。
「ん……?止めろ。」
馬車を止めた王子が降りたのはクローディアの家の前だった。
「どうかしたのか?」
「へ?え?!あ?!」
「?」
「えーと!なんでもないです!!」
「そうか、クローディアが何かしたのかと思った。」
「そ、そんな!滅相もない!!」
「そうか、ならいいのだが……」
「……お金が無いのにお仕事を首になってしまって……」
「なるほど、では、俺の元で働かないか?」
「へ?」
「働き口を探しているんだろ?ならちょうどこの前1人やめてしまってな。俺の元で働くといい。」
「ほ、本当ですか?!ありがとうございます!!第一王国!!」
「ああ、かまわんさ。」
ウィムは、クローディアが怒るなんて珍しいと思いながらクローディアの為にと彼女を引き取る事にしたのだった。
「名前は?」
「あ、はい!私、リリスと申します!!」
「リリスか、良い名だな。」
「ありがとうございます!」
リリスはそう言い終わるか否や、コケた。
「きゃ?!」
「っ!」
とっさにウィムは彼女を支える。それをクローディアは見てしまったのだ。
「!?」
王子がリリスに安否を確認した。
「大丈夫か?」
「はい!申し訳ありません!」
すぐに離れたとはいえ、クローディアにとっては悪夢のような出来事だった。
「あの女!」
リリスの心に燃えるような炎が渦巻いた。ウィムはそんな事など露知らず。リリスを外で待たせると、屋敷へと入った。玄関の扉を開けるとクローディアがいた。
「クローディア、久しぶりだな。」
「ええ、お久しぶりですわ。」
「どうかしたのか?顔色が優れないが?」
「なんでもありません。」
そう言ってウィムを応接間へと呼んでたわいない話しをした。帰り際、ウィムはクローディアがまた不機嫌なのを見た。
「クローディア、どうして機嫌が悪いんだ?」
クローディアにとってはリリスと抱き合っていたように見えた。そんなリリスの元に行ってほしくないのである。しかし、そんな事は言えない。
「なんでもありませんわ。ごきげんよう。」
「あ、クローディア!」
ウィムの声を無視するようにクローディアは屋敷の中に消えていった。そしてそれを窓辺でミィディーが見ていた。
「ふふふ、お姉様地獄に落ちてくださいまし…………」




