悪役令嬢?
「クローディア様、本日より働く事になったリリスです。よろしくお願いします。」
「ええ、よろしくお願いしますわ!」
悪役令嬢クローディア・ルシュカ。この物語における悪役令嬢にこの時点で出会ってしまうなんて……!と、リリスは思った。本来なら大会が始まってから出会う予定だったのだが、予想外の引ったくり事件にあってしまった為に早く出会ってしまったのだ。
「まず、お部屋をお掃除しますね。」
こうして、リリスは職にありつけたのだが……。
「邪魔よ!どこかへ行って!!」
ミィディーの怒鳴り声が廊下に響き渡った。リリスは謝罪する。
「申し訳ありません!ですが……」
「邪魔よっ!!どこかへ行きなさい!!」
「……はい、かしこまりました。」
ミィディーは出てこない。誰が呼びに行っても出てこない。そんなミィディーを呼んでくるように言われたリリスは途方に暮れた。
「あら、リリス。ミィディーはまだ出てこないの?」
「申し訳ありません!お嬢様!」
「いいのよ。気にしなくて……」
クローディアとリリスの関係は悪くなかった。この時までは……。夕飯になる。公爵がリリスに問う。
「リリス、ミィディーは?」
「申し訳ありません。それが、どこかに行けと命じられまして……」
「はぁ、仕方ない。放っておきなさい。それよりクローディア、もうすぐ大会だ。準備は出来ているのかね?」
「ええ。もちろんですわ。」
「クローディアなら優勝間違いなしだわ。」
「はははっ、気が早いよ。マドリーヌ。」
そんな感じで和気あいあいとしていた。そんな夜だった。クローディアが目覚めるとどこからか美しい歌声がに聞こえる。
「こんな時間に一体誰が……!」
クローディアは見てしまった。雨の中踊り、歌っている彼女を。
「ラーラー……」
「…………そう、貴方もなのね。リリス。」
あまりの美しい歌声に嫉妬したクローディアは、その日、クローディアはリリスを虐めてしまった。
「おはようございます。クローディアさ……きゃ?!」
リリスは部屋に入るといきなりコップの水をかけられた。
「あら、遅かったのね?リリス。」
「お嬢様、これは……?!」
「貴方がのろまだから手が滑ってしまったのよ?」
「そ、そうですか。直ぐに片付けますね。」
「ええ、そうして頂戴。」
リリスは何故水をかけられたのか分からないまま片付ける。クローディアはイライラした。
「あと、夜中に歌うのはやめなさい?うるさくて眠れないわ!」
「あ、お聞きになられたのですね。申し訳ありません。」
「ふんっ!何?自慢?ちょっと歌が上手いからって!調子に乗らないでちょうだい!!」
「申し訳ありません!それに、上手くなど……」
「もういいわ!首よ!!出ていきなさい!!」
「そんな!お待ちください!!」
「今月分のお給金よ!せいぜいそのお金で大会に出るまで生きながらえる事ね!!」
「!……ありがとうございます。」
リリスは追い出されてしまった。
「はぁ……やっぱり悪役令嬢なのね……。」
リリスのため息だけがその場に残った。




