氷雨とクローディア
それは6年前の事だった。2人は初めて出会った。クローディアの母が屋敷に来た氷雨を紹介した。
「クローディア、今日から貴方のお友達になる氷雨坊ちゃんよ。」
「ひ、さめ?」
「氷雨坊ちゃんのお母様は極東の国の出らしいくてそれにあやかって氷雨と言う名らしいわ。」
氷雨はメイドの後ろにピッタリとくっついて隠れていた。
「さぁ、坊ちゃま。クローディア様にご挨拶を……」
メイドが諭す。氷雨は怖がって出てこない。
「氷雨君!よろしくお願いします!」
「!」
クローディアは氷雨に手を差し伸べる。
「…………よろ、しく……」
こうして2人は出会った。氷雨は貴族の出で、雨師の歌を幼くして歌える貴重な子供だったが、臆病で引っ込み思案な子供だった。2人は直ぐに仲良くはなれなかった。
「氷雨君!遊びましょ?」
「…………あ、う、……」
すぐにメイドの影に隠れてしまう。そんなある日の事だった。氷雨がまた遊びにきた時である。2人で屋敷の河原で遊んでいると、氷雨が川に流されたのだ。
「氷雨!!」
それをクローディアは必死出助けた。後にメイド達に怒られたのだが、この時から氷雨はクローディアに懐くようになった。
「クローディア。」
「何?氷雨?」
「その、ごめん……僕のせいで……」
「いいのよ!気にしなくて!」
それから氷雨はクローディアに付きまとうようになる。そんな2人はある事件を機に引き裂かれる。それはクローディアと氷雨が街に出た時である。
「氷雨!次はあっちにいきましょ!」
「うん!」
2人はいつの間にかお着きのボディガードとはぐれてしまう。
「クローディア、どうしよう……」
「大丈夫よ!さ!こっちよ!」
「……うん。」
それを狙う影があった。クローディアに向かってその影は突き進んでくる。それに氷雨が気づいた。
「!?クローディア!」
「?!」
一瞬だった。氷雨はクローディアを守ろうとした。その時、氷雨の顔に傷がついてしまう。
「うわっ!!」
「氷雨!!」
クローディアを狙った男がクローディアを刺し殺そうとした時、ボディガードとメイド達が駆けつけてなんとか助かったのだが、氷雨の顔には消えない傷が残ってしまった。これが原因で彼は転落する。
「顔に傷?!」
「お母様……」
「氷雨……」
「ごめんなさい!おば様!私のせいで……」
クローディアが謝るのを遮って氷雨の母はこう言った。
「氷雨、顔に傷のある雨師などいません。雨師になることはもうできない。」
「おか、あ、さま?」
「雨師でない貴族など、貴族ではない!!」
そう言って氷雨の母は氷雨を捨てて帰ってしまった。
「あ、……」
氷雨は必死に馬車の母を追うが追いつけない。それをクローディアも走って追った。氷雨がコケる。そして、クローディアの目の前で氷雨は通りすがりの馬車に引かれたのだ。
「氷雨!!」
駆け寄るクローディア。しかし、氷雨は動かなかった。こうして氷雨は死んだ。はずだった。そして、死体をのせた馬車は事故で谷に落ちてしまったらしい。クローディアは絶望した。一晩中泣き尽くした。そして、目が覚める。
「ひさ、め……」
クローディアが目覚める。長い夢を見ていたらしい。
「ここは……?」
目覚めた場所はくらい牢屋の中だった。




