氷雨
降ってくる雨がクローディアを切り刻む。
「ぐっ!」
クローディアは剣を振り回して雨を防ごうとするが上手くいかない。
「そうか、確か、お前、歌えるんだったか!」
「ああ、歌える。」
「「雨師の歌を!!」」
どんどん雨がクローディアを切り刻んでゆく。クローディアは氷雨の間合いへとなんとか入り込むも雨に邪魔されて踏み込めない。
「お前、私の敵だと、言ったな?!」
「ああ、言った!」
「どういう意味なんだ?!」
「お前が歌姫になれず、国の犬になりさがった。そう聞いた時は笑ったぜ?」
「………」
クローディアの顔が曇る。
「だからさ、迎えにきた。」
「むか、えに……?」
自分を敵だと言っているのにどう言うつもりなのだろう?と、クローディアは不思議に思った。
「敵、なんだろ?私の。」
「ああ、今はな。だが、お前がオレと共にくれば敵じゃないだろ?」
「どういうことだ?」
「クローディア!オレと共にこい!!」
「?!」
★★★★★
「これは……」
クラウスがなな達の元に着いた時にはすでに敵は居なくなっていた。
「隊長!!」
スグがクラウスに飛びつく。
「ななは?!」
「それが、連れて行かれて……隊長、どうすれば……?」
不安げなスグを慰めるクラウス。
「大丈夫だ。俺達が連れて帰るから。」
「はい……」
「おいおい、これじゃあ、クローディアの方もあぶねーんじゃねーの?クラウス、王子との約束守れねーとやべーぞ?!」
ニックがそういうとクラウスは少し焦った。
「っ!そうだな。すぐに合流する!急ぐぞ!」
「「はっ!」」
★★★★★
「お前と一緒にいく?どこへ?」
「決まってんだろ?オレ達の仲間になれってことだよ!」
「そんな事は……」
「なんでだ?お前は親に、いや、国に捨てられたんだぞ?」
「何故国に捨てられた事になる?」
「この国は貴族社会で、その貴族社会は雨師の歌を歌えるかどうかで自分の人生が決まる。つまり国の因習によって捨てられたんだよ!お前は!」
「っ!そ、そんなことは……」
「ないっていいきれるのか?」
「っ!それは……」
「言いきれないだろ?」
「………ああ。そうだな。だが、お前と一緒には行けない!」
クローディアは剣を構える。
「ほー、そうかよ!」
氷雨が歌う。雨がクローディアを襲う。
「うぐっ!」
「どうした!どうした!?さっきまでの威勢は!?」
「くっ!」
もしもこの時、クローディアが歌えたら形勢逆転していただろう。だが、彼女にはもう歌えない。
「ぐっ!」
だが、彼女には魔剣がある。クローディアは魔剣を振るう。雨を吹き飛ばす。
「なっ?!」
氷雨の歌が乱れた時、クローディアはその隙に切り込む。
「ぐあっ!」
氷雨が切られる。だが、クローディアはそれ以上は追撃しなかった。否、できなかった。氷雨が歌う。雨が強くなる。そして、クローディアを雨が捉えるように絡みつく。
「ぐっ!」
「はっ!甘いな。そんなんじゃオレには勝てねーよ!!」
クローディアは氷雨に殴られて気を失った。
お久しぶりです。いつもありがとうございます。これからもよろしくお願いします。




