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魔剣使いの悪役令嬢。  作者: ユキア
第1章 戦闘女の恋心

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奪われる者達

 「!?」


 クローディアは咄嗟に避けた。


 「なな!何をする!?」


 「何って決まってるでしょ?」


 「!?」


 「どうせ奪われた事なんて無いくせに!!あんたから全部奪ってやる!まずはその綺麗な顔ね!!」


 ななが振り下ろした魔剣がクローディアに向かってくる。もうだめだと思った時だった。また奪われるとクローディアは覚悟した。


 「?!」


 魔剣が弾き飛ぶ。反動でななは手を痛めた。


 「何をしている。」


 「ちっ!クラウス!あんたのせいよ!」


 「何がだ?」


 「あんたのせいでこんな!こんなことに!!」


 「俺の、せい?」


 「クラウスのことずっと好きだったの!私の方が先だったのに!なんでよ?!」


 「…………」

 「!」


 クローディアは沈黙し、クラウスは絶句した。


 「なな、仲間に剣を向けるとは何事だ!」


 「っ!クラウス!」


 「クラウス!ななの気持ちも考えてあげっ……!」


 魔獣がななとクローディアへと突っ込んでくる。クラウスは魔獣の攻撃をなんとか剣で逸らす。


 「話している場合か!行くぞ!」


 ななは魔剣を手に取ると相変らず魔獣へと一人で突っ込む。クローディアがなんとかついて行こうとするが上手くいかない。


 大型魔獣が攻撃してくる。そして、執拗にななを狙っているだ。そして、痛めた手でななは上手く魔剣を握れない。


 「なな!危ない!!」


 クローディアがそう言ってななを庇う。


 「ぐあっ!」


 クローディアが吹き飛ばされて木にぶつかる。


 「馬鹿女!」


 「本当、ばか。私なんか庇うから……」


 そういいながらななも剣を構える。クラウスも弾き飛ばされると大型魔獣がななへと手を伸ばした。


 「お前、俺がお前の家族を食ったことあるな?」


 「!?」


 「けけけけっ!美味かったぜ?忘れられねぇ。だからさ。お前はここで死ね!!」


 魔獣がそういうとななへと魔獣の手が伸びる。クローディアはなんとかななをかばおうとしてまた木に打ち付けられる。


 「クローディア、クラウス……もういいの。諦めて!」


 「あきらめ、られない……!」


 クローディアが呻きながらそういうとななへと魔獣の手が伸びる。


 「?!」

 それをクローディアが叩き落とす。


 「!」


 「はぁ、はぁ、……。」


 「馬鹿なの?私、貴方を殺そうとしたのに?」


 「ああ、構わない。公爵令嬢だと色々と厄介でな。植木鉢ぐらい今までの人生で考えればどうって事ないさ。」



 「なるほど……」


 クラウスは腕を組んで納得していた。


 「っ!ばか!なんでよ!なんで付き合うのよ!クラウスのばか!」


 「……俺が悪いのか?」


 「悪いったら悪いー!!」


 「なな!前方7時の方向!」


 「きゃ?!」


 7時の方向から魔獣がクローディアに切られた血まみれの足で蹴りをななに入れてきた。


 「ななっ!」


 クローディアがまた庇う。


 「ちょっと!あんたさっきから剣抜いてないじゃない!?なんでよ?!」


 「なるほど……なな!魔獣を引きつけろ!クローディアは集中!」


 クラウスが指示を出すとななは仕方ないという顔でで素早く走り回る。


 「人間め、何を考えているのかは知らないが、無駄なことを!」


 魔獣はななを捕まえようと手足をバタバタさせる。そしてクローディアに見えた。そのルートが。


 「はぁっ!!抜刀!!」


 クローディアは剣をやっと抜いたと思うと素早い動作で相手の隙になっている所を見極め叩き斬った。


 「ぐああああ!?」


 「クラウス!」


 「ああ!」


 最後にクラウスが魔獣の心臓を真っ二つに切ってトドメをさした。


 「なな……」


 「何よ!……?!ちょ、あんた傷だらけじゃない!?」


 「ああ、そうだな。なな、奪われた事なんて無いのだろうと言ってたな。私は奪われた。歌声を。雨師の力を。」


 「雨師の力……?それって確かこの国の貴族と王族にしか受け継がれない雨を操る力……よね?」


 「そうだ。私は奪われた。だからここにいる。だから!だから分かる!お前の辛い気持ちが!」


 「…………勝手な事してごめん。2人とも。でも、それで2人のこと許すとか思ってないからね!?」


 「あ、いや、別にそういうつもりじゃ……」


 慌てるクローディア。ななはクラウスの腕に飛びついた。


 「クラウスは私のなんだから!」


 「「?!」」


 「でも、あんたとも友達、いや、ライバルになってあげる!」


 ななが手をクローディアに差し伸べる。クローディアはその手を取ろうと手を伸ばした。その瞬間また意識を失う。


 「「!?」」


 クローディアは良かったと思いながら笑顔で地面に突っ伏した。



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