お姉様不足です
お姉様が何かおっしゃっていましたが、かまわず自分の部屋に戻り、閉じこもりました。後から後から涙が溢れてきます。
いつもの様に、お姉様の天然発言かもしれません。お姉様の真意は別にあるのかもしれませんが、冷静に考えられるほど、心穏やかにはいられませんでした。
お姉様が、わたくしのことを信じてくださっていないのかもしれない…そう思うと涙が止まりません。
「悪役令嬢は罠にはめられたり、貶められたりするのよ?邪魔な悪役令嬢は、いつか冤罪を着せられるのでしょう?わたくしだって、いつ冤罪を着せられるかわからないわ」
お姉様の言葉が耳に残って離れません。
いつだって、お姉様が大好きだと伝えてまいりましたし、お姉様のことが一番大切だと示してきたつもりです。それなのに、伝わっていなかったのです…。わたくしが、お姉様を害する可能性があると思われていたことが本当にショックでした。
夕食も朝食も、お姉様と顔を合わせないようにしました。学園にも、いつもはお姉様と同じ馬車で向かいますが、別の馬車を手配してもらいました。
できるだけお姉様と顔を合わせないように過ごしますが、完全に会わないことは無理でした。
「ライラ…」
お姉様が話しかけてくださいますが、わたくしは顔を背けてその場を離れます。
お姉様がとても悲しそうなお顔をされるので、胸がとても痛みますが、お姉様の方は向きません。
はじめは挨拶も返さずにおりましたが、一日でわたくしの限界がきました。大好きなお姉様を無視するなど、わたくしには無理でした。お姉様の悲しそうなお顔を見るたび、胸が軋んで苦しくなります。泣きそうになってしまいます。
最低限の挨拶と返事はいたしますが、わたくしから話しかけたりはいたしません。
「お姉様」と呼びかけることもいたしません。
お姉様成分が足りません…お姉様不足です…。
でも、お姉様に信じていただけていないと思うと、以前のようにお姉様にくっついていくこともできません…。
どうしたらよいかわかりません。気を抜くと、涙がこぼれそうになります。




