お話摘み…
お姉様とお部屋でお泊まり会です。
湯浴みをしたら、お姉様がわたしのお部屋に来てくださることになりました。わたしは、びくびくしながら侍女に入浴を手伝ってもらい、お姉様がいらっしゃるまで側についていてもらいます。
そして、お姉様と入れ違いで侍女が下がりました。
お姉様と一緒にベッドに入ります。お姉様は優しく手を握ってくださいました。お姉様とくっついて目を閉じると、いつの間にか眠っておりました。
夜中にお花摘みに行きたくなって目を覚が覚めました。自分のいつもの部屋なのに、いつもと違うように感じます。ものかげから何か出てきそうで…暗い部屋が恐いです。しかし、朝まで我慢することは到底できそうにありません。
「お姉さま…お姉さま…」
お姉様を揺り起こします。
「どうしたの?ライラ…」
お姉様が眠たそうに目をこすりながら起き上がりました。
「お花つみに行きたくなってしまいました…」
「お花つみ?お花なら、明日一緒にお庭に摘みに行きましょうね」
再び横になってしまいそうなお姉様を必死に引き留めます。
「明日までなんてガマンできません…。もれてしまいます…」
漏らすなんて恥ずかしすぎます。お姉様の腕にすがり訴えます。わたしは必死です。
「漏らす…?……あぁ…そっちね……」
お姉様はしばらく間を置いてから、納得したようにうなずきました。
「行ってらっしゃい」
「こわいです…」
「自分のお部屋でしょうに…」
「自分のおへやだけど、こわいです…。かげから、急になにか出てきそうです…」
涙目になりながら、お姉様にしがみつきます。
「仕方のない子ね…」
お姉様は微笑みながらわたしの手を握ってくれ、二人で手をつないでベッドから下りました。
バスルームに着きましたが、やっぱり恐いものは恐いです。ドアの前で待ってくれているお姉様に声をかけます。
「お姉さま」
「はい」
「お姉さま~」
「いるわよ」
「お姉さま~」
「ちゃんといるわよ~」
お姉様は、声をかけるたびにちゃんと返事をくださいます。毎回返事を返してくださるお姉様に申し訳なくなってきたわたしは、歌を歌うことにしました。お花の歌を歌い始めると、お姉様がドアの向こうで一緒に歌ってくださいます。
一緒に歌を歌ってベッドまで戻りました。
「ありがとうございました。お姉さま」
ベッドの中でお姉様に抱きつくと、お姉様は頭をなでてくださいました。
「どういたしまして。ライラは温かいのね。おやすみなさい、ライラ」
「おやすみなさい、お姉さま」
抱きついた子供体温のわたしを、お姉様も抱きしめ返してくださいます。子供体温バンザイです。お姉様の温もりが心地よく、そのまま朝まで目覚めることはありませんでした。




