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春季君好きです


恋が本当の事を伝えてから泣きじゃくっていた恋が少し落ち着いた後、莉華に少し休んでいてねと恋は言われ素直に寝室に入っていった。 そして莉華が俺に切り出した。



「高坂君、恋ちゃんさっき本当の事言ってくれたけどもうひとつ大事な事言ってたの気付いてた?」


「莉華、春季がそんな回りくどい言い方でわかるかよ? 恋ちゃんはお前の事好きって言っただろ?」


「……あ」



俺の反応に2人はほら、やっぱりという反応だった。 俺はよくわからない恋の事は気になる存在だった。



だけどよくわからないからこのままずっとこんな関係が続くわけない、どうせいつかは居なくなる、そして恋の気持ちだって肝心な所はわからなかった。



いや、違うな。 恋の事をよく見ようとしていなかった、俺は恋と暮らしていくうちに恋と離れてしまうのが嫌になっていたんじゃないか? 恋が俺と一緒に居たいと言ってくれたように俺だってそうなっていたんだ。



恋は俺に好きだっていう想いをわかりやすいくらい行動で示していたじゃないか。だけど恋の事が全て解決したら恋は居なくなってしまったら? と思うと俺は無意識のうちに恋が俺の事をどう思ってるなんて気付かない方がいいと思っていたんだ……



俺も…… 俺だって恋と同じで嘘を付いていた。 自分の気持ちに……



そんな俺が恋の気持ちから逃げていた俺が今更。 なんてこれじゃあ今までと同じだな。 俺だって恋の事が好きなんだ

。 じゃなきゃこんな面倒くさがりな俺がここまで行動出来るわけないんだ、好きだったからこそだ。



「涼、莉華、俺も恋になんでもないふりしてたけど恋の事が好きだったんだ」


「やっと高坂君も素直になれたじゃない? 私は高坂君も恋ちゃんの事が好きだし恋ちゃんも高坂君の事好きだってのわかってたから見てて焦れったかったわよ。 まるでハッキリしない涼を見てるみたいでね!」


「俺を巻き込むなよ莉華……」



俺と恋の事を言っていたのにいつの間にか涼にシフトしてる莉華は涼を睨みつける。 恋に感化でもされたのかな?



「それで涼? 私と結婚してくれるんでしょ? 私も涼からまだハッキリと聞いてない。好きって言葉を」


「………… 好きだよ莉華」


「うーん、高坂君の前だから恥ずかしいのかな? フフフッ、でも後で2人きりの時にいっぱい今の聞かせてね? 恋ちゃんの勢い借りたみたいでなんかかっこ悪いけどいいや。 私も好き涼」


「お前らには感謝してるけど俺めちゃくちゃ気まずいんだけど? 俺の事忘れてんだろ?」


「莉華は辺り構わずだもんな……」


「何よ? それだけ涼に夢中になってあげてるんでしょ?」



莉華の声が大きくて寝室の方から遠慮がちに恋がコソッと出てきた。 なので俺はこの場にいるのもなんだから恋と一緒に寝室に入った。



「春季君、私……」


「うん?」


「あの…… まだ春季君と一緒に居たい。 お父さんとの事やこれからの事もあるけどまだ春季君と一緒に居たい。 それに私春季君の気持ちまだ聞いてない。 私もうしばらく前から春季君の事好きで好きで春季君を独り占めしたくて春季君にいつも振り向いて欲しくてずっと、ずっと……」


「俺も好きだよ」


「え?」


「俺も臆病だから…… 恋の気持ちを受け入れるのが怖かったんだ。 恋が来る前はただなんとなくその日その日を適当に過ごしててそれも悪くなかったけど、恋が来てから俺の生活はガラリと変わったし大変な事もあるけどさ。 恋が居なくなって好きだと認めてしまったら俺ってどうなるんだろう? って怖かったんだと思う」



恋はそんな俺を抱きしめ俺の顔を見つめた。 なんか恥ずかしくなって一瞬目を逸らすと恋は俺にキスをした。唇に触れるくらいの一瞬だけだった。 俺は驚いて恋を見ると恥ずかしそうな顔をしていたけど恋は俺に言ってくれた。



「私離れたりなんかしない。 今までだってそう。 離れようとしてもダメだったでしょ? 春季君から離れて行ったとしても私の方から追い掛けちゃいそうだし。 えへへ」


「そうだな、恋から逃げられる気しなくなってきた」


「酷いよ春季君、私せっかくいいムード作ったのに! あははッ」


「恋、ようやくいつもの恋になったな。ううん、前より可愛くなったよ」


「春季君にそう言われるととても嬉しい!」



俺と恋は柵が解けてやっと素直になれた。 問題が解決したわけじゃないけど俺と恋にとっては大きな前進なんだ。



だからこの後待ち受けてる問題だって恋とのこの気持ちがあればそうそう容易く打ちのめされたりなんかしない。 そう思いたかった。 いや、打ちのめされたりするもんかと思った。



恋が傷付けば俺が恋を慰める。 俺が傷付いたら恋が俺を慰める、そういった仲になろう。 恋と恋人同士に。 俺と恋はもう一度強く抱きしめあった。



ふと視線を感じると涼と莉華がこっそりと俺達の様子を見ていた。恋も気付いて慌てて離れる。



「あー、恋ちゃん離れちゃった。 もっと高坂君とラブラブしてていいのに」


「り、莉華ちゃんいつから覗いてたの!?」


「恋ちゃんが高坂君にチューした時かな? 恋ちゃんとっても可愛かったよ」


「いやぁッ! そんな前から!? 莉華ちゃん酷いよ、涼君まで見てたなんて……」


「春季が女の子とキスするなんてな…… 見ちゃいけないものを見てしまった気がする」


「お前らもう帰れよ……」




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