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恋の告白


デートも終わり俺達は今街を出て帰りの電車に乗っている最中だ。 明日は休みなので莉華がどうせだったらみんなで俺の家にまた行こうという事になった。 彩奈も来たがったが彩奈だけは帰りが逆なので渋々と帰っていったが。



やれやれ、まだまだコイツら帰る気ないなと思ったがデートという事で俺もまぁいいかと思った。



「恋ちゃんと彩奈ちゃんのデートにお邪魔して良かったぁ。 今日は楽しかったね! まぁまだ私達は帰らないけど」


「莉華はいつも突然決めて行動するから悪いな春季」


「気にすんなよ、莉華の思い付きな行動には俺ももう慣れた」


「何よ2人とも! お生憎様、私は恋ちゃん狙いです」



何が恋狙いなのかは知らんが莉華は恋をとても可愛がっているので恋にとっては莉華はいい友達だろう。



「恋ちゃん見てると私ってこんなんなんだなぁってわかるしね! 服あげただけに」


「借りてるだけだって莉華ちゃん。 それに私莉華ちゃん程可愛くないよ」


「またまたぁ! 恋ちゃん可愛いよ、私初めて見た時からトキめいちゃったもん! 私が男だったら逃がさないなぁ、あははッ、恋ちゃん大好きだよ、私達の間で秘密事はなしだよ」


「う、うん」



莉華がそう言った瞬間恋の顔が曇ったのを俺は見逃さなかった。 そう、それは恋は何か秘め事をしているという事があるという事。 まぁなんとなくだけど…… 恋と目が合う。 そして恋は無理した笑いを俺に向けた。



お喋りしながら俺の家に向かうが恋は俺と涼や莉華をキョロキョロと見て何か言いたそうだった。



そして家に着きみんな一息つく。 だけど恋は酷く落ち込んでいた。 そんな態度に涼や莉華も気付かないわけがない。莉華がそんな様子の恋に優しく問い掛ける。



「恋ちゃんどうしちゃったの? 私何か恋ちゃんの気に触る事言っちゃったかな?」


「ううん、違うの。 私の…… 私のせいなの」


「何が? 恋ちゃん、私の事友達だと思ってくれてるなら話してくれるかな? 今話してって事じゃなくて恋ちゃんが話したくなってからでもいいからさ?」



恋がとても気が重たそうなので莉華もこれ以上聞くまいと俺と涼の方へ向かおうとした莉華の腕を恋が掴んだ。



「恋ちゃん?」


「春季君、涼君、莉華ちゃん、みんなには本当に私の事で迷惑かけてごめん…… 私みんなを裏切ってるの、莉華ちゃん私莉華ちゃんの友達になれる資格ないの」


「恋ちゃん、それはどうして?」



莉華の問いに恋は深く息を吸い覚悟をしたように俺達の前で土下座して謝った。



「恋? どうしてそんな事するんだ?」


「ごめんなさい、ごめんなさい! ごめんなさいみんな…… わ、私嘘ついてました!」


「嘘って? 」


「恋、とりあえず頭上げなよ? 全部聞くからさ」


「春季君…… 私もう自分の気持ちにも嘘はつけないし涼君や莉華ちゃんの事も騙してるの耐えられない。 私って本当にダメ人間だ……」



恋はゆっくりと頭を上げた。目からは大粒の涙が溢れている。



「私、記憶喪失なんかじゃないの。 それに春季君と会ったのも偶然なんだけど偶然じゃないの……」


「どういう事だ?」


「私の名前は楠木渚です…… 歳は春季君達と同い年で隣町に住んでいたの。 私の両親はお母さんが中学の時離婚してお父さんに引き取られたて…… だけどお父さんは私の事が嫌いだったの。 私はお父さんに酷い扱いを受けてたけど頑張ればそんなお父さんでも私を認めてくれるんじゃないかって思って私なりに一生懸命勉強や家事を頑張って褒めてもらおうとした」



通りで楠木って苗字を何回か使ってたと思ったら咄嗟に出ちゃったんだな……



「私は高校とかに入れてもらえないし、だったら働いてお父さんに貢献しようとしたんだ。 そんな時お父さんに暴力振るわれて怖くて殺されるんじゃないかって思って私家から飛び出したの。 それで…… それで春季君の近所の公園でしばらく隠れてたら春季君が来て春季君を見てこの人なら私の事受け入れてくれるかな? 優しくしてもらえるかな? って春季君の跡を追い掛けて記憶喪失なんてでっち上げて匿ってもらおうとしたの。家出して捜索願いとかそういうのもないのはお父さんが私が出て行ってもお父さんにとっては私が居なくても何も気にしてないって事なの……」


「そんな嫌われ者の私がみんなにこんなに嘘ついてるのにとっても優しくて親切にしてもらってどんどんそれが苦しくなってこんな事なら嘘つかないで春季君に本当の事最初から言えば良かったってずっと後悔してて…… 勝手だよね? 私って。私もお父さんと同じで最低な人間なの…… その証拠にみんなにとても迷惑掛けてる」



恋は話し終わると顔を隠して丸くなった。 失望され罵倒でも飛んでくると思ったんだろう。 だけど莉華はそんな恋に優しく触れ恋を安心させるように言う。



「渚ちゃん…… ううん、恋ちゃんか。恋ちゃんとても辛かったんだね……私ね、裏切られたとか思ってないよ? 話してくれて嬉しいよ。 それに恋ちゃんは友達だよ、迷惑なんて全然思ってないよ? それに勇気出して本当の事言ってくれた恋ちゃんの事私もっと好きになっちゃった」


「莉華ちゃん……」


「友達は大事にしろって母さん達も言ってたしな、俺も莉華と同じ気持ちだよ」



そんな恋に涼や莉華も優しく元気付けるように恋に微笑む。



「春季君…… ごめんなさい。 春季君には1番大変な思いさせて。 今まで春季君には日常生活からお金の事までずっとずっと負担を掛けて…… 私何してでも春季君に今まで受けた恩を返すから、だから春季君ごめんなさい! こんな嘘つきな私が何言ってるのって思うかもしれないけど私…… 私春季君に嫌われたくない、春季君と離れたくない! 春季君の事好きなの。一緒に居たいの! だからごめん、ごめんなさい、勝手だってわかってる、信用できないのだってわかってる。でも私を許して下さい! お願いします……」



恋、やっと正直に話してくれたな…… 俺最初から記憶喪失かどうか薄々疑ってたんだ。 だから何かから恋は逃げてきたんじゃないかってのも。思い出したくない事でもあるんだって。



「恋、いいよ。 人の事は言えないけど恋は嘘が下手だから、ボロを出しそうな時何回もあったよな? 俺なんとなく恋が何か隠してそうだと思ってたよ。だけどそれを承知で恋と一緒に住んでたんだ。 だからそんな事で恋を追い出したり嫌いになんかなったりしないさ。 俺の家に居たければ好きなだけ居ていいよ。 今までと変わらずさ、寧ろ恋が来てから俺の生活とかも大分健康的になったし、まぁ多少心臓に悪い時もあるけどそれでも俺は恋と一緒にいるよ」



「春季君…… ごめん、それにありがとう。 私春季君と出会えて本当に良かった、今までの人生で1番…… それに涼君や莉華ちゃん達も」


「恋ちゃん、無理しなくてもいいんだからね、恋ちゃんが前に進めるまでゆっくり高坂君や私達に甘えてくれていいんだから」


「…… ありがとう」



恋と渚、やっと今日その境界がなくなったが恋がいいという事で今まで通り恋は恋だ。




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