デート?
土曜日になり彩奈がデートしたいと言ってきた。 まだ付き合ってもないんだけどな、当然そんな事を言うと恋もついてくると言って聞かなかった。 まぁ恋は俺の事好きっていう事に莉華にされてたから自然といえば自然なんだけど……
そしてその話を涼達も聞いていたので莉華が自分達も一緒にデートしたいと言ってきた。 まぁ莉華が居れば恋と彩奈の間を上手く取り持ってくれそうだけど。
「春季君とデート〜ッ!」
なんでコイツはフリなのにこんなテンション高いの? しっかりオシャレしてるし。
「春季君から見て今日の私可愛い?」
「え?」
恋が俺の反応を伺っているがうーん、可愛いけどなんかそう聞かれてそのまま言うのは恥ずかしいな…… 唸っている俺に微妙だったと勘違いした恋は更に詰め寄る。
「ダメだった? せっかく春季君に可愛いって言ってもらえるように精一杯頑張ったつもりなのに……」
ガックリと肩を落とす恋を見て素直に可愛いと言ってやれば良かったなと思った俺は恋のおでこをツンと人差し指で触れごめんな、可愛いよと言ってやると恋は少しムスッとした。
あれ? 流石にキモかったかな? 俺も恋のノリでやったのは引いちまったか?
「か、可愛いって思ってるなら最初から言ってよもう〜!」
「あ、そういえば金渡しとかないとな。ほら」
「いらない。 私にあげるお金だったら春季君が私に使ってくれたら嬉しいなぁなんて…… 全部お世話してもらっててそんな事言える立場じゃないけど」
「変な所は遠慮するんだな、わかったよ」
ありがとうと耳元で囁くように恋は言った。化粧をして若干大人びた恋に少しドキッとしてしまうが平常心、平常心。 俺の家に全員で1度集まってから行く事になっているので涼達や彩奈が来るのを待っている。
「本当は春季君と2人きりでデートだったら良かったんだけどなぁ」
「デートというより俺達いつも2人きりだろ? それにデートって……」
「いいじゃん? 別にデートの定義なんて! 今日はしっかりと私春季君を好きな女の子するね!」
なんかこういう時だけはノリノリだよなぁコイツは…… それで彩奈と火花散らしてる間に挟まれる俺の身にもなれよ。
「お前そんなのちゃんと出来るのか?」
「うん! だってほ……っじゃなくて、だってほら、お母さんにも彼女だってちゃんと認識されたでしょ?」
「え? ああ、そうなのかな」
するとインターホンが鳴り涼達が来た。
「うわぁ、恋ちゃん本当に可愛い!」
恋を見て莉華が飛びついた。 なんか着ている服似たような感じだから姉妹みたいだなコイツら……
「なんか莉華の服だと莉華が2人いるみたいだな」
「はぁ、恋ちゃんと莉華2人いるとあたし引き立て役みたいで損だなぁ」
「なぁ、お前ら来たのはいいけどどこ行くんだ? 俺何も決めてないし聞いてないぞ?」
「うん、高坂君の事だからそうだと思ったけど別にそこら辺ウロウロすれば良いからさ」
そこら辺ウロウロって適当だな莉華は…… だったらデパートとか行ってカフェ寄って映画でも観ようと彩奈が提案した。 他のメンツは何も考えてないのかそれで良いよとなった。 俺も決めるの面倒くさいのでそれでいいや……
そして電車に乗り街の方へ出掛ける。普段は恋の相手は俺がしてたので莉華が居ると莉華が率先的に恋と話している。 それに彩奈が加わっている感じか。あれ? これってデートか? 俺と涼取り残されてないか?
チラッと涼を見る。
「なんだ?春季、ようやくうるさい莉華があっちに夢中になったってのに」
するとどこからともなく俺の後ろから手が伸び涼にデコピンが飛ぶ。 流石莉華見事に聞こえてた……
「失礼ね涼、小さい頃私と結婚するとか喚いてたくせに」
「え? 渡井もそんな事言ってたんだ? 莉華と結婚なんて羨ましいわねぇ、あはは」
「いいなぁ、2人はそんな約束してたんだ……」
「まったくいつの話してんだか……」
涼の失言で涼の話題であっちは盛り上がっている。 バカだなコイツも……
「お前ネタにされてるぞ? そうかぁ、お前が莉華と結婚か、いいんじゃないか? お前ら親同士もめちゃくちゃ仲良いじゃん? お似合いだな」
「はっ、小さい頃から莉華の面倒見てきたけどコイツ意外と泣き虫だし甘えん坊だから大変なんだ」
すると今度は先程より大分強めなデコピンを涼はお見舞いされた。 コイツ学習しない奴だな。
電車を降り街に出てしばらく歩いているとクレープ屋があったので莉華があれ食べたいと言っていたのでクレープを買う事にした。
「恋も欲しいか?」
「う、うん。私も買っていいの?」
「当たり前だろ? どれにする?」
「恋ちゃんだけズルい! 春季、あたしにも奢って!」
彩奈に迫られ彩奈にも買ってあげる羽目になってしまう、まぁ予想してたからいいが俺は買わなくていいと恋と彩奈に言われた。 何それいじめ? と思ったが2人は半分こね? と言って俺に自分のクレープを差し出してきた。
「恋ちゃん、いつも抜け駆けしているくせにズルいじゃない? 恋ちゃんは全部食べていいからあたしは春季と半分こにするの」
「私だって春季君にお金出してもらったんだから春季君は私のも食べる権利あるんだから!」
「「さぁ、どうぞ!」」
2人にクレープを差し出されどっちを食べていいのかわからない。 確実に言えるのはどっちを選んでもマズいことになるのは確実だ…… 涼や莉華を見るとご愁傷様という顔をしている、こうなったら……
俺は2人のクレープを手に取り同時に食べるという荒技を繰り出した、そんな光景に恋と彩奈はポカンとしていた。
「ご、ご馳走さま……」
「え? ああ、はい。 そうくるとはあたし予想してなかったわ……」
「私も…… 春季君美味しかった?」
「あ、ああ! 2つ食べれて得した気分……」
その後デパートに回り俺だけは買わないくせに2人からこの服どう? と聞かれたりカフェでもクレープ屋の時と同じ状態になりどっと疲れた。
最後は映画か、これならそんな事になるまい。 俺が真ん中にならされるんだろ? それで解決だ。 だがそこまで決めるのにも恋と彩奈は相当揉めやっとの事で俺が真ん中になった。
「高坂君本当にモテモテね? 良かったじゃない?」
「ああ、お前のお陰でな!」
「いいじゃない? 私や涼のお母さん達も昔そんな感じで仲良くなったらしいよ?」
「そぉいやそんな事俺の母さんも言ってたな」
そう言って涼と莉華は喧嘩する恋と彩奈を見つめていた。




