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お母さんこんにちは


「ヤバい! ヤバい! あれもこうしてこれもこうして! あーでもないこーでもない、あー言えばこう言う!」


「最後のは私の悪口でしょ!?」


「いやいや、実際ヤバい!」




なぜ俺がこんなに焦っているというとうちの母さんが俺の所へちゃんと生活出来ているか確かめに来ると言ったからだ。 しかも30分前に家を出たとの事。



俺が住んでいるアパートから実家までは1時間半くらい掛かる。 だからもう1時間以下の時間しか残されていないと考えた方がいい。 だけど恋を記憶喪失で居候させてますなんて言ったらとんでもない事になってしまう。



そういうのは警察に任せなさいとか言うに決まってる。いやはや、ごもっとも。 とりあえず恋の痕跡を今日母さんがいる間だけでも消さないとヤバいヤバい……



言ってる側からこんな所に化粧品!? あんな所にも恋の服プラス下着!? 歯ブラシコップも2つ…… というかどこに隠す? 母さんの事だからあれやこれや見て行くに違いない。



とりあえず恋の下着は絶対アウトだよな…… うん、これ見つかったら終わる。

何を勘違いしたか恋はガバッと下着を体で隠した。



「え、えっち!」


「は?」


「え? え? な、何その白けた反応…… も、もしかして私ってまったく魅力が……」


「違う! そんなどうでもいい事している場合じゃないんだ!」


「ど、どうでも良くない、全然良くない!」



だ、ダメだこいつ…… 早くなんとかしないと。 恋の化粧品をあらかたタンスの中にぶち込んで…… ああ、なんでこんな所に恋のあの日の奴があるんだよ!?



「は、春季君のえっち! わ、私がいくら居候だからってプライバシーが……」



お前は片付けの邪魔をしているのか!? 後はなんだ? 匂いか? 恋がいる以上女性特有のなんだかいい匂いがする、これもマズいかもしれない……



「は、春季君、突然匂いなんか嗅ぎ出してどうしたの? 私臭い?」


「臭い!」


「う、嘘!? ひ、酷い…… 毎日お風呂ちゃんと入っているのに…… そ、そんなぁ」



ダメだ、恋の匂いをなくすためにまず換気しよう、それからファブリーズでも吹いておけば大丈夫か?



整理された食器棚やフライパン類、これも俺のだらしない性格上おかしいと思われるかもしれない、適当にそれらを崩し居間も綺麗だから少し乱雑に配置する。



こんな所か…… 後は恋だけど。 ん? 何してんだあいつ? 恋はクンクンと自分の匂いを必死に嗅いでいた。



「何してんの?お前」


「春季君が私の事臭いって言ったんじゃない!?」


「ああ、女っぽい匂いがするって事だ、恋が臭いわけじゃないよ」


「な、なぁんだ……」



さて…… 今日は恋を莉華の家にでも預けた方がいいかもしれない、うーん……



「春季君、春季君!」


「なんだよ?」


「私隠れる必要ないかも。 春季君の彼女だって事にしておけばお母さんも私がいる事納得でしょ?」



ああ! その手があったか! でもなぁ、コイツ上手く演じきれるのだろうか? いや、俺も上手く彼氏のように振る舞えるだろうか?



「うーん…… 」


「春季君!」



なんだ? 恋の奴またいい案でも浮かんだのか?


「何?」


「大好き!」


「はぁ!? 」


「はぁ!? じゃダメだよ! そこは動じないで俺も大好きだよ、とか言わないと! ほら、言ってみて?」



なんでコイツ妙にノリノリなんだ? でも確かに動じるのは演技だってわかられるからマズいな……



「…… お、俺も大好きだよ」


「本当!? 嬉しい! 私の方が大好きだけどね!」


「って悪ノリしてくっついてくるなよ!」



恋が俺の腕に普段より力強くくっついてくる。 胸が当たるからやめてくれよ……



「こ、これくらいで恥ずかしがってたらおかしいでしょ!?」


「お前こそ顔真っ赤じゃねぇか!」


「し、仕方ないもん!」



そんな無駄な事に時間を取られインターホンが鳴ってしまう。玄関から春季ー! と呼ぶ声が聞こえ俺と恋は顔を見合わせる。



来てしまった…… こうなったら恋の彼女作戦で行くしかない! 頼んだぞ、恋と目線を送ると恋もコクコクと頷く。 そして玄関のドアを開ける。



「春季、元気にしてた? 久しぶりねぇ」



うん、やっぱり俺の母さんだ、涼や莉華の母さんのように美人じゃないな。



「あんたが一人暮らししたらどんなゴミ屋敷になってる事やらってあら? ええ? 女の子?」


「こ、こんにちは。 く、楠木な、れ、恋っていいます。 春季君とはお付き合いさせてもらってます」



またその苗字か、しかも吃らないでパッと出るように考えとけよ……




「うちの春季とこの可愛い子が? ちょっと春季! どうやったのよ!? 」


「どうやったって…… どうもこうも成り行きで」



母さんは恋をまじまじと見つめ本当に可愛いお嬢さんねぇと俺と恋を信じられないという感じで交互に見ていた。



「春季にもこんな可愛い彼女が出来るなんてお母さんも嬉しいわ、フフフッ。 恋ちゃん、春季のどこが気に入ったの? この子だらしなくてねぇ。 改めまして春季の母です。よろしくね?」


「よ、よろしくお願いします。 春季君はとっても優しくしてくれて私の事いつも考えてくれて…… 春季君の事大好きになっちゃいました……」


「へぇ、春季もやるじゃない。恋ちゃんはよく春季の所へ来てるの?」


「は、はい!」



母さんが辺りを見渡す。 ま、まずい…… 台所や居間を崩したのが裏目に出たか!?



「春季、女の子が来るんだからもう少し立派にしてなさい!」



ホッ…… そう来たか、よかった……



「お母さんこのままだと恥ずかしいから少し掃除していこうかしら」


「いや、いい! いいから帰れ! 俺と恋せっかく2人で居るんだから!」


「ならお母さんに遠慮しないで2人で仲良くしてなさい? その間お母さんは片付けしてるから気にしないで良いのよ?」



片付けはマズい……




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