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私は自分勝手


俺がインフルエンザから更に怪我をして休んでいる最中恋はしっかりと俺の世話をしてくれていたがそんな恋を見ているとこのままズルズルいくのではと心配していたある日……



はぁ、このままエスカレートすると危険な気がする。 だけどこんな状態でも恋をなんとかしてやりたいと思ってしまう俺も少し変だな……



「は、春季君傷良くなってきたね……」


「ああ、まぁもう包帯とっても大丈夫だな」



スルスルと包帯を取ると煩わしさが消え気分爽快だ、対する恋はその様子を複雑そうに見ている。



うーん、恋は俺に怪我した事にかなり罪悪感を感じているようだし、かと言ってこのまま学校に行くのにも抵抗されたら面倒だし……



すると恋が俺に近付いてきた、すぐ近くまで顔を近付けてくる。 え? 何?

恋の顔は俺の顔の横をすり抜け傷口を見る。



「良かった、塞がってきてる」



なんだ、そっちか。 恋は傷を見た後お昼ご飯作ってくるねと言って台所へ向かった。



はぁ、学校こんなに休んだの初めてだ、涼達からも心配されてメール来るし誤魔化すのが大変だった。 そして彩奈にも。



恋と昼食を摂った後、恋が片付けをしている時、やる事もないのでとりあえず寝室に戻り昼寝でもする事にした。 まぁ逆にこんなに休んでると学校にも行きたくなくなるな。



俺の瞼が重たくなってきた頃、恋の片付けも終わったのか俺のベッドの横に座ってきた。 まったく、自分の時間でも作ればいいのにな恋も。




そしてしばらく経ち夕方になった。 今日も1日終わりだなと思っているとインターホンが鳴った。 こんな時間に誰だろ? と思って玄関を開けると彩奈だった。 あれ? コイツ俺の家はまだ教えてなかったはずだけど……



「久しぶり! もう、心配したんだから! インフルエンザになったら今度は怪我?! ドジなんじゃないの?」


「あれ? なんでお前俺の家……」


「莉華に聞いたのよ! 春季学校休み過ぎだからあたしが勉強教えてあげようと思って」



ああ、莉華に聞き出したのか。 彩奈の声が恋にも聞こえたのか恋もひょっこりと顔を出した。



「あー、本当に居るんだね恋ちゃん。 春季がインフルエンザの時とか怪我した時も恋ちゃんがお世話してたの?」


「うん、ま、まぁ誰もいなかったしな恋くらいしか」


「くらいしかじゃないもん……」



あ、誤爆ったわ…… だけど恋も彩奈の登場に少し戸惑っている。 何故? という顔をしている。



「あはは、恋ちゃんそんな間の抜けた顔しないで。 あたしも春季の事好きなんだから来たってなんの不思議もないでしょ?」



ああ、そうだ。 莉華の話で恋も俺の事好きっていう事になってるんだった。 休んでいたのでそんな設定忘れてた。



「私が春季君の面倒みてるから澤村さんはお呼びじゃないもん!」



恋もそんな設定を思い出したのか彩奈に対抗する。恋なんか結構気合入ってるなぁなんて思って見てると恋にグイッと腕を引っ張られ居間の方へ連れて行かれた。



「じゃああたしもお邪魔しま〜す!」



それにつられて彩奈も居間に入ってきた。 鞄から教科書を取り出し俺が休んでいた間のノートやら何やらを見せてきた。



「まぁ大体こんな感じかな? 後はあたしが愛情込めておしえてあげる」


「お生憎様、そんなの春季君にはいらないもん! 」


「あたしは春季と同じ学校なんだからあたしが教えるのが1番なのよ、ね?春季」



それは確かにそうだな、でも恋としばらくいて恋も結構頭が良いってのはわかった、記憶をなくしても勉強は忘れてないってのが都合良すぎる気がするが、俺が家で勉強していると恋も覗き込んできて恋は教科書をしばらく見つめ俺が引っかかっていた所もスラスラと教科書を見ただけで解いていった。



その時コイツって結構勉強はできるんだなって思った。 だけど流石に今は学校行ってないし彩奈に教えてもらった方がいいだろう。



「そうだな、彩奈教えてくれるか?」


「!?」


「へへーッ! 恋ちゃんは夕飯でも作ってなさい?」


「ぅう…… いいもん!」



そう言って恋は台所へ向かって行った。まぁ恋とは今までずっといたし勉強するくらいだったらいいだろ。



「あはは、恋ちゃんって子供みたいで可愛いね」


「大変だけどな」


「春季ってそんな事言いながら恋ちゃん見てる時の目凄く優しいよね? あたしにもそんな目で見つめてくれるのかしら?」


「え? そうか? そんな目してんの?」



してるよと彩奈は少しムスッとしたが俺に休んだ分の勉強を教えてくれた。 そしてしばらくすると恋が夕飯を作り終えたのかご飯だよと言ってきた。



「へぇ? 恋ちゃんあたしの分も作ってくれたんだ。 毒とか入れてないよね?」


「そ、そんな事してないもん! 間違って春季君が食べたら大変でしょ!」



いや、そこは普通に入れてないだけで良くないか? 危ない方向の好きな設定でも入ってんのかコイツは……



そして夕飯を食べ終え彩奈も大体勉強を教え終わったので今日は帰るねと言った。 暗いから送っていくよと言ったが怪我人なんでしょ一応? と言われ止められて彩奈はそのまま帰って行った。



そして彩奈が去りしばらくして恋が玄関の方へ向かって行った。 どうしたんだ? どっか出掛けるのか? しかも1人で。



「どっか行くのか恋?」


「ちょっと頭冷やしてくる……」


「こんな時間に危ないだろ? 行くなら俺も行くから」


「遠くにも行かないし出ても行かないからついてこないで……」



今までずっと恋の方からついてきたくせに今度はついてこないでときた。 また恋の事だからなんかあるなと思い玄関から出て行きそうな恋の腕を掴んだ。



「意味わかんないからちゃんと言えよ?」


「だって…… 私今までずっと春季君とこんな長い時間居れてその間全然寂しくなくて、だけどそれだと春季君が辛くて…… そんな思い春季君にさせちゃいけないってわかってるのに。だけど私それでも優しい春季君に甘えて……」


「だけど今日澤村さんが来てわかったの、私なんかより澤村さんの方がずっと春季君に優しくて春季君の事大事にしてるって、だから私…… こんな自分が嫌で、嫌で」



恋は玄関にへたり込んで泣いてしまった。 まったく手が掛かるけど仕方ない奴だな……



「恋だって恋なりに俺の事考えてくれてこんなに思い詰めたんだろ? 間違ってたと思ったら直せばいいじゃん? すぐにとは言わないし何より直そうと思うのが大事だろ?」


「は、春季君…… 」



恋は俺が差し出している手を取ってうんうんと頷いてくれた。




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