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恋side 考えると怖い


春季君のお陰で私は携帯も使えるようになった。前の家では出て行く半年前くらいにお父さんにお前にはこんな物必要ない! って言われて壊されたものね。



春季君がここまで用意してくれるなんて思わなかった、私にとって春季君の与えてくれた物は十分だったのに春季君と澤村さんが連絡取ってるの見て澤村さんだけいいなズルいなって思っちゃったんだ。



それを春季君が私が携帯欲しいと察して…… でも何が澤村さんだけだ、澤村さんからしたらズルいのは私だ、なんせ一緒に住んでるもん。



こんな事なら嘘なんてつかないで正直に話して春季君に匿ってもらえばよかった。 嘘をつくとろくな事にならないってわかってたのにまた嘘ついて嘘を重ねないといけないのかな?



でも春季君を裏切りたくない。 最初から裏切ってたけどこれ以上春季君に優しくされたらどんどん私って最低になっていくよ。



だけど春季君の優しさは私にとってとても心地良い、だからズルい私はもっと優しくしてもっと甘えさせてと心の中で叫んでいる。 私まだまだ春季君に甘えたりないよ、お父さんの所へいずれ戻るんだったら一生分の優しさを春季君から貰いたい。



それだけじゃない、私は春季君が好きなんだ…… 優しくされたから、甘えさせてくれたから。 勿論それもあるけど春季君の事を考えていると胸が締め付けられる。



春季君の寝顔を見ているとその唇にキスしたくなる。 なのに出来ない、春季君も私には手を出してこない。 どうして? やっぱり私に魅力ない?



オシャレして誘ってみたりしても春季君は私が女の子って事で恥ずかしがる態度は見せるけどそれだけ…… 私の汚い性格を春季君は勘付いて警戒しているの?



私は春季君に好きだよってふざけたように言ってみた。 だけど本当に好きなんだよ? だから春季君に今朝、俺も好きだよって言われた時本当にビックリした。 私にからかわれたと思った春季君が仕返ししただけだったけど……



それに私やっぱり澤村さんと春季君の事が心配だよ、春季君は付き合う気ないって言うけど澤村さんはわからないもの。だから私はまたワガママな行動をした。



春季君はいちいち朝ついてくる私に寂しくなってもこれで連絡取れるよって意味で携帯を渡したけど私はそれでも物足りないなんて言って強引に一緒についていった。



そうしたら……




私と春季君の前に澤村さんが現れたんだ。 私は思った。 どうして邪魔をするの? 澤村さんは何不自由なく暮らしてきて苦しんでもこなかったくせに!ってね。



私のささやかな幸せまで許してくれないの? 私が嘘つきだから? 春季君を好きとはっきりわかってから私の汚い部分は大きくなって春季君に更に迷惑を掛けているような気がする。



それでも春季君を他人にあげたくない、奪われたくない、そんな気持ちが勝って学校までついていってしまった。 そして春季君には私がいるって見せつけてやりたかった。



そうすれば春季君は…… 春季君は…… なんでもお世話するよ、春季君がしたい事をしてあげる。 春季君が喜ぶ事なんだってしてあげたい、私が全部春季君を独占したい。



その代わり春季君は私を好きになって? 嘘つきで泣き虫で汚い私を受け入れて…… 勇気がない私は春季君に本当の事を言えないし言いたくない。



だけど言わなきゃ、正直に話して許してもらおうという気持ちが春季君を好きとわかった時点で揺らぎ始めた。



楠木渚は汚い人間、だけど嘘の記憶喪失で生まれ変わったつもりの恋も名前だけ変えた汚い人間のままだ。 こんな事なら本当に記憶喪失になってしまった方が良かったのかな?



ううん、違う。 どうやっても私は私。 あの時でも今でも変わらないって。 仮初めの幸せなら私もっともっと幸せになりたい。 好きって伝えられなくてもここが私の居場所になっているうちは……



そんなある時春季君インフルエンザになってしまって私は春季君を看病する事になったんだ。 私やっと春季君の役に立てるって思って張り切っちゃった。 そして熱が下がり始めた頃……



「恋って俺いない間に何してんの?」


「え? 春季君いない間は春季君今頃何してるのかなぁ? って考えてるよ」


「へ? それだけ? 他は?」


「他? んー、 お洗濯したり春季君そろそろお昼食べてる頃かなぁ? とかもう迎えに行ってもいいよね? とかかな?」



春季君にそう言うと春季君はそういう事じゃなくてと言った。 あれれ? 若干引かれた? 私春季君の事ばっかりだ……



「ま、まぁ俺も恋が困る事ないように考えてるのと似たようなもんか」


「えへへ。春季君そんな風に考えてくれてるの?」


「そりゃあそうだろ?預かる立場としてな。てか最近何か思い出したりするか? 」


「思い出したり…… 思い出さなきゃダメ……かな?」



こんな事春季君の前で言うのは怖いから最後の方は聞こえないように小さい声で言った。



春季君はえ? 何? と言っていた。 よかった、聞こえてない。 やっぱり言えないや、でも春季君。 どうせ私の事なんて誰も探しにこないと思うよ?



だから…… だから私はどうしたらいいんだろう? 身元不明? ずっと? それで春季君と一緒? 迷惑なだけの存在? 私は考えるのが怖くなった。 自分の不安を消し去りたくて私は今日も春季君のお世話をする。



誤字報告ありがとうございます! これからもよろしくお願いします。

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