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歩き続ける者達  作者: C・トベルト
第2章 湖の街で
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第13話 アルデガン・ヒストリー


〜深夜の宿屋『ボーンヘッド』周辺〜。


草木も眠る丑三つ時、ダンクは窓を開け月明かりの下で本を読んでいた。

ダンクがいる部屋は三階で、窓を開けると綺麗な街並みを一望できたが、ダンクは本に夢中で見ていない。

内容は湖の街アルデガンの街が出来る前の歴史だ。

その歴史は湖の上に築かれた綺麗な街と同じ場所とは到底思えない程の深い闇が隠されていた。


ダンク(アルデガンはもともと魔物を封じた洞窟の上に築かれた城塞都市でだったが、恐ろしい事が起きたために廃墟となった。

やがて闇の森に隠されていた魔法文明期の遺跡がもたらした巨大な災いにより廃墟となった城塞都市は水没し、長い年月の後その湖畔に新たな町が作られた…と。

ふぅん、恐ろしい事があるなあ。

だが幾つか分かったぞ。

この街一杯に臭う怪物どもの理由は、湖の底にいる魔物どものせい、というわけか。

この本によれば湖には聖なる施しをしたため怪物は出なくなったと書いてあるが…まあそれじゃあ無意味だろうな。対処の仕方が違う。

となると深夜の襲撃事件も犯人は…。

だが『恐ろしい事』とは何だ?

肝心な部分が抜け落ちているせいで何故城塞都市が廃墟と化したのが分からんな。

ああ、その部分の話がどこかに残って居れば読みたいものなんだがなぁ。

まあ、幾ら歴史を隠蔽しようと人間は忘れる事を拒む生物だ。

図書館に行けば必ずしっかりした資料が残されている筈だ、明日は図書館に行くとするか)


ダンクは『新歴史総集編〜子どもにも分かるアルデガンの歴史・要点〜』と書いてある本を閉じる。

不意に穏やかな風が室内に入りカーテンを僅かに揺らす。ダンクの視線は小さな本から天蓋の綺麗な星空に移っていた。


「あーあ、星空は何百ぺん見ても同じように輝いているなぁ。

地上は目まぐるしく変化するのが馬鹿馬鹿しくなってきそうだ。そう考えると、俺みたいな永遠の旅人が居たって悪い事にはならないな」


ダンクは包帯を歪ませ笑みを浮かべる。

…それを宿屋から少し離れた所で30人のローブを着た集団が見つめていた。

集団の一人が呟く。


「見つけたぞ、『怪物』ダンク」

「ムーン様の命により、奴等を潰す」

「6チームに別れて行動する。

Aチーム、Bチーム、Eチーム、Sチーム、Hチーム、Iチーム…分かれたな。

我等の目的は怪物を封印し、存在を抹殺する事。

敵はかなりの強敵だ、死ぬ覚悟で進み封印せよ!

それではチームABESHI(アベシ)、出動!

「「「「「「「おう!!」」」」」」」


チームアベシは素早い動きで闇の中を走り、ダンクの方へ向かっていく…筈だったが、最後尾の男が悲鳴を上げた。


「どうした!?」

「怪物だ…全身がゴツゴツした怪物が今俺の肩を…」


その言葉にチームの人間は全方向に杖を向け、構える。

しかし何処にも怪物の姿は見えない。

チームの一人がほっと一息をついた瞬間、地面から手が生えてきて男の足を掴んだ!


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