基地
あれからなんとか追手を巻き、シムが住んでいたという長野の隠れ家に到着した。
建物の中に入ると一般家庭っぽい空間が広がっていた。
「ここはフェイク。基地はここから入るんだ」
そう言ってベッドをどかすと下にあったボタンを押す。
すると床が開き、地下に繋がっているはしごが姿を現した。
驚いている僕にかまわず、シムははしごを降りて行く。
「お前に助けられてから俺にやれることを考えた結果だよ。
各部屋、調理室、風呂場、畑、その他諸々完備してる。全部好きに使ってくれ」
これを2年で作ったのか。
「感謝しかないよ」
「こっちのセリフだ」
はしごを降りてしばらく歩いていると開けた場所に出た。
そこから廊下が伸びていて、シムと僕の部屋などなどがある。
「これをシムが?」
「まあね」
素っ気なく言う。本当にシムってやればなんでもできちゃうな。
「ところでだけどさ、移動してる時からなんか言いたげだったよな。言えよ」
興奮が少し直り出したくらいの時に聞いてきた。
僕ってポーカーフェイス苦手なんだろうか。
「…僕は今日あいつの支配から逃れられたけど、あいつのせいで苦しんでる人はたくさんいる。
僕だけが助かるなんて嫌なんだ。だから…」
「やっぱそう言うよな」
…全部気づいてたのか。
「いやぁ、だってお前が言ってた通りお前って自分だけ助かったら罪悪感抱くタイプだろ?
それくらい分かる。あの時俺のこと助けてくれたってのが一番の証拠だ」
僕って分かりやすいんだろうか。
「じゃあ手伝ってくれる?」
「もちろん」
そう言って握手を交わし、2人で決意を固めた。




