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TOKYO RESISTANS  作者: つむ様
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脱出

深夜の2時になった。家族は全員寝ている。


真っ黒の服を着て、最後に黒い布をかぶって顔を隠した。ただし普通の布ではない。

僕力作のAIと変声機を内蔵した布だ。前後左右の映像も見られる。


フードを被るとゆっくり部屋の窓を開けた。

壁にはわずかな溝があり、そこに手をかけて降り始める。


ベランダ的なところに着地すると、曲がり角の壁に背中を合わせた。


この反対側に僕の協力者がフローターを止めて待ってくれている。

ありがたい限りだ。


しかしそこに行くまでには見張りが5人いる。

ただし雑魚ではない。1人1人があいつから与えられた“能力“を持っている。


なんで僕の部屋は反対側にないんだと悔やみながら見張りにバレないよう進み始める。


AIがバレない道を教えてくれるのでヒヤヒヤしながらもなんとか反対側にたどり着いた。

柵から身を乗り出して下を見てみると二人乗りのフローターに乗っている協力者、シムがいた。


13年前、シムが奴隷として働かされていたところを僕が助けた。

それ以来僕を慕ってくれている、唯一の味方だ。


シムが僕に気づくと少し上昇してくれた。

柵を乗り越えてフローターに飛びつく。


「ありがと!」


「まだ恩は返しきれないさ。ほら、座って」


少し冷たいところもあるが、本当はすごく優しい。


「長野の地下街に俺が身を隠してたところがある。

 交番とかも全くないし、バレることはまずない」


確か1人で生活しだしたのは2年前くらいのはずだ。

その2年間でそんなに安全なところを見つけられるなんて。


「さすがだよ。後頼まれてた明太子パン」


そう言ってバックからパンを取り出し、テープを剥がしてからシムに渡した。


「どーも」


受け取るとムシャムシャ食べ始めた。

明太子パンはシムの好物だ。


僕ももう一個持ってきておいたパンを食べ始める。


「IDは作れたんだよな?」


高速に乗るためには出入り口でIDを見せないといけない。

僕はまだ持っていなかったので子宮ニセIDをバレないように作る必要があった。


「もちろん。渡しとくよ」


そう言ってチップを渡す。

シムがボタンを押すとホロでIDが映し出された。


「助かる」


と言ってハンドルの横に置く。


しばらく夜の街を走って、ふとサイドミラーを見ると黒いフローターが列をなしていた。

気づかないと思うのだろうか。


「つけられてる」


と一言言うとすぐ理解してくれた。


「脇の赤いボタン。助手席が砲座になる」


と言われて見てみると確かに子供が興味本意で押しそうな赤いボタンがあった。

押してみると座席が180度回転し、目の前にハンドルが出てきた。


砲座が出てきたことに気がつくと容赦ない攻撃が始まった。

一般車両だって通ってるのに。


咄嗟にハンドルを握ると人差し指のところにあったボタンを押し、反撃を始めた。


「これ難しすぎるよ!」


「じゃあ変わって墜落してみるか?」


「しない!」


そんなことを話しているうちになんとなくコツが分かってきた。

まず一機。


「あー、まずい」


何かと思って振り返ってみると前からも敵機が来ていた。

これもう殺す気なんじゃないか?


すると機体が急降下した。絶叫系無理なのに。


しかしそれが大成功して、ほとんどの敵機は味方と正面衝突した。


「フォウ!」


興奮していると残ったわずかな機体がまた攻撃してきた。息つく暇もない。


「残り5機!」


と報告し、また反撃を再開する。


なんとか4機は倒せたが、残りの1機が結構手強い。

フローターのデザインが少し違うのでこの隊のリーダー的な人だろう。


ふと振り返るとビルに激突しそうだった。

すると今度は急上昇し、まえが見えていなかった敵は派手にビルに正面衝突した。

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