第8話 宮廷の手玉踊り
宮廷では、セシリアの振る舞いがさらに「独創的」になっていた。
ある日、彼女を快く思わない貴族レオンハルト公爵が、王太子との婚約について陰口を叩いていると、セシリアが突然その場に現れた。
「あら、レオンハルト公爵。あなた私のことを嫌っているの?」
公爵はぎくりとした。
「そ、そんなことは……」
「嘘はよくありませんわ」
セシリアは天使のような笑顔を浮かべながら、手のひらに柔らかな聖なる光を灯した。
「でも大丈夫。神に誓って、そんなことないって証明してあげるわ」
「証明……?」
次の瞬間、セシリアの光が公爵を包んだ。
彼は暖かく、心地よい感覚に包まれた。
そしてなぜか、セシリアに対する嫌悪感が薄らいでいくのを感じた。
「ほら、あなたの心が清められましたわ」
セシリアは満足そうに頷いた。
「これで私のことが好きになったでしょう?」
実は、この光にはごくわずかな「感情操作」の効果があった。
完全に心を変えるほど強力ではないが、少なくとも公爵はその場ではセシリアに反抗できなくなった。
「……はい、おっしゃる通りです」
公爵はぼんやりと答えた。
「よかったわ!」
セシリアは拍手した。
「では、あなたの領地の税収の一部を、私の新しい孤児院に寄付していただけますか?神様がきっと喜びますわ」
こうして、セシリアは次々と貴族たちを「説得」し、自分の計画に協力させていった。




