636話 妖精のフローネなのです。
基本二日置きの更新(18時)とさせて頂きます。
どうぞよろしくお願いいたします。
やがて俺たちは霊木の苗木と妖精のフローラたちに追いついた。
「ぎゃぎゃ。ぎゃぎゃ?」
「ぎゃぎゃ。ぎゃぎゃぎゃ」
すると妖精2人と苗木が俺たちにはさっぱり理解できない言語でなにか話し合っていた。
そして妖精を見比べる。
どちらも同じ顔をしていてワンピース姿も同じだ。どう見てもフローラが分裂して増えたとしか思えない。
ただひとつ違いがあった。それは胸元のリボンの色だ。片方は赤色のリボンを身に着けていて、もう片方は青色のリボンだったのだ。
今まで気にしていなかったのでフローラが何色のリボンを身に着けていたのか俺には記憶がない。
その2人の妖精が霊木の苗木に合わせた高さに飛んでいて、身振り手振りも合わせて説得しているようにみえる。
「ぎゃぎゃぎゃ?」
「ぎゃぎゃ」
どうやら話は終わったようだ。
霊木の苗木は俺たちを振り返るが逃げる素振りは見えない。そして納得したことを示すためか深くお辞儀をしている。
「説得に成功したのか?」
「はい。そうです。この苗木は納得してくれました」
「ヨンバーンメの村にいっしょに行ってくれるそうです」
同じ声で2人の妖精がそう説明してくれた。
そして俺たちはもと来た道を戻ることになった。霊木の苗木は逃亡する素振りも見せず、俺たちといっしょに歩いてくれている。
「なあ、あの妖精たちはどっちもフローラなのか?」
俺は小声でメグミに尋ねる。するとメグミは妖精たちを見て少し考え顔になる。
「顔も声も服もそっくりですよねっ。違いはリボンの色だけですねっ」
そうなのだ。
リボンの色が異なるだけでそれ以外はまったく区別がつかないのだ。
「本人に訊いてみればいいんじゃないかしら?」
「ふぉふぉふぉ。そうじゃのう。それが一番じゃのう」
「……同意……。訊くのが近道……」
ロキ、アツメルコ、フセルコもそう答える。確かに直接本人たちに尋ねてみるのが一番だろう。
「なあ、フローラ。お前たちはどうして2人に増えたんだ?」
俺は振り返って霊木の苗木と並んで移動している妖精たちに尋ねた。すると赤色のリボンを身に着けた妖精が口を開く。
「私がフローラです。別に増えていませんよ。私たち妖精は見た目がそっくりなのが特徴なのです。ちなみにこちらの彼女は私の仲間です。霊木の苗木を説得していたら偶然に出会ったんです」
「私は妖精のフローネといいます。フローラとは同郷なのです。森の中を飛んでいたら懐かしい声が聞こえたので急いで合流したのです」
なんたることか。
フローラが霊木の苗木に追いついてヨンバーンメの村への移住を説得していたら、その声を聞きつけて仲間の妖精であるフローネが合流してくれて一緒に苗木を説得してくれていたらしい。
「それは感謝する。……もしかするとフローネも妖精の里へ帰る途中だったのか?」
「はい、そうです。私もフローネ同様に仲間たちとはぐれてしまったのです」
青色のリボンを付けたフローネがそう返事をするのであった。
ならばフローネもフローラ同様に里へと送り届ける必要があるな。
■
俺たちは長い時間移動してゴバーンメの里に到着した。
途中、魔物に出くわすこともなくのんびりとした旅であった。
「ああっ。里に男の人たちがいますよっ」
そうだった。
俺たちは里の入口に到着したのだが、道の左右にある畑に女の人に混じって男の人が農作業をしている姿が見えたのだ。
見た目そっくりなのです。(`・ω・´)∩
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